スーダン人道危機3年——最も大きな代償を払わされているスーダンの女の子たち

~世界最大かつ最も急速に拡大する人道危機~

国際NGOプラン・インターナショナル

2026年4月15日、スーダンでの戦闘激化から3年が経過しました。人口の4分の1にあたる1,200万人以上が住む場所を追われ、同国は現在、世界で最も深刻な人道・避難民危機に直面しています。国際NGOプラン・インターナショナル(所在地:東京都世田谷区 理事長:池上清子 以下、プラン)は、中立・公正な人道支援原則に基づき、紛争下の子どもたちの権利保護と人道支援活動を継続しています。私たちは、国際社会に対し、停戦の実現、国際人道法の遵守、市民特に子どもたちの保護、そして人道支援アクセスの確保を強く求めます。

女の子と女性が直面する問題――暴力、教育、児童婚

避難を強いられている女性の多くが、性的暴行を含むジェンダーに基づく暴力(GBV:Gender-Based Violence)のリスクにさらされています。

そのうえ、ドローンによる医療施設への攻撃が増えており、治療や支援を必要としている人への医療体制が大幅に損なわれています。その結果、緊急医療、心理社会的支援、法的保護を受けられない状況に置かれています。

この紛争は、スーダンの教育システムも完全に麻痺させています。1,400万人以上の子どもたち(学齢期の5人に4人)のうち、多くが女の子――が学校に通えない状態です。学校再開率はわずか20%。校舎は破壊され、占拠され、あるいは国際人道法に違反して意図的に攻撃されています。

プランの調査によると、就学していない子どもたちのうち、「結婚」を主な理由として挙げる女の子の割合が紛争開始以降増加しています。本来、学校や大学に通っているはずの世代の女の子たちが教室から引き離され、児童婚、搾取、早期妊娠、長期的貧困のリスクにさらされています。

国際人道法に反する行為

先述の通り、学校や病院を標的としたドローン攻撃が頻発し、一度に数十人が命を落とす事態が繰り返されています。犠牲者には、子ども、教師、医療従事者も含まれます。学校を攻撃し、子どもたちに被害を与えることは紛争下における子どもの権利に対する6つの侵害行為※のうちの2つに該当し、国際人道法にも反する行為です。

※紛争下における子どもに対する重大な権利侵害とは
1)子どもの殺傷、2)徴兵と利用、3)性的暴力)、4)拉致・誘拐、5)学校や病院への攻撃、6)子どもへの人道支援の妨害、を指します

武力紛争において、最も大きな代償を払うのは常に子どもたち、特に女の子たちであり、彼らの安全と尊厳は絶対に守られなければなりません。

食料危機の深刻化と国際情勢の影響

プラン・インターナショナル・スーダン国統括事務所長、モハメド・カマルは次のように述べています。
「この紛争はスーダンを壊滅させました。若者は教育の機会を失い、病院は廃墟となり、地域社会は引き裂かれています。今、行動を起こさなければ、その長期的な影響は何世代にもわたって続くでしょう。」

飢饉に近い状況も、国内の新たな地域へと広がっています。2,100万人以上が深刻な食料不安に直面しており、免疫機能が未発達な子どもや、食料不足の中で最後に食事を回されがちな女性は、特に高い健康リスクにさらされています。中東での紛争激化、海上交通の混乱によるエネルギー不足、チャド国境の閉鎖は、すでに限界にある人々にさらなる負担を与え、食料価格の上昇を招いています。

難民キャンプにおける子どもへの心理社会的支援

15歳のラニアは、戦闘が村に迫った際、家族とともにチャドへ逃れました。現在は、4万6,000人のスーダン難民とともにアブテンゲ難民キャンプで暮らしています。
「夜は明かりも電気もありません。夜に外に出るのは怖いです。ここは女の子にとって安全ではありません。銃声が聞こえます」と、ラニアは語ります。
プランとパートナー団体は、アブテンゲで学習スペース2ヵ所と子どもひろば2ヵ所を設置しました。これらの施設は、メンタルヘルス、心理社会的支援や社会的交流を促進することを目的としています。
「学校に通えて、センターを使えることで、普通の生活に近づいていると感じます」とラニアは話します。

深刻化・長期化するスーダンの現状

国際社会の関心が中東に集中する中、スーダンが忘れ去られてはなりません。現地スタッフは大きな個人的リスクを抱えながら活動を続けており、紛争開始以降、120人以上の人道支援従事者が命を落としています。支援物資の輸送は、検問所、ドローンの脅威、国境封鎖という障壁に阻まれ、食料や物資が滞留する一方で、ニーズは急増しています。

2026年には、子ども約1,500万人を含む3,370万人以上が緊急支援を必要としていると推定される中、国際的な援助資金の縮小により人道対応計画は深刻な資金不足に陥っています。暴力と避難の規模拡大、基本的サービスの崩壊、食料システムの深刻な機能不全により、この危機は一過性ではなく、長期化し、深く定着した危機となっています。

また、400万人以上のスーダン人が近隣国(エチオピア、南スーダン、チャドなど)へ避難しており、プランはこれらの国でも活動しています。過密なキャンプで暮らす女の子や女性は、暴力、搾取、強制結婚といった同様のリスクに直面しています。

プラン・インターナショナルの人道対応

プランは、約50年にわたり、スーダン国内および周辺地域で活動をしています。子どもの保護や教育、性的暴行を含むジェンダーに基づく暴力に対する支援などを行ってきましたが、命を守る緊急人道支援も展開しています。紛争により、学校、病院、水道、市場といった重要インフラは破壊され、国の発展は数十年後退したとも言われており、次世代の機会が失われつつあります。

これまでの実績

  • 2026年3月時点で、ダルフールをはじめとする飢饉の影響を受ける地域において、これまでに食料・非食料支援物資 計約889トンを配布

  • 16万5,000人以上の人々に緊急人道支援を提供

  • ダルフール、コルドファン地域など複数の州で、国内避難民や紛争影響下のコミュニティを支援

今後の予定

*なお、現地の情勢等により、内容が変更となる、または実施できない場合があります。

  • 今後2~3ヵ月間で、ダルフールを含む深刻な危機地域に対し、280トンの緊急人道支援物資を追加で届ける予定

  • 北ダルフール州の国内避難民キャンプに加え、これまで支援が困難であった即応支援部隊(RSF)支配下のダル・エス・サラームおよびクルムク地域への初の支援を計画

  • コルドファン地域では、国際移住機関(IOM)と連携し、4,100世帯分のテント型シェルター設置を目的とした共同支援を実施。
    新たに最大4,000世帯を収容可能な国内避難民キャンプを設置し、地方当局や地元NGOと協力して運営します。

メディアの皆様

日本のメディアの皆様においては、報道を通じてこの危機の現状を広く伝え、一人でも多くの子どもたちが希望を取り戻せるよう、改めてご協力をお願い申し上げます。現地の写真や動画メッセージのご提供も可能です。
現地スタッフや、現地入りしている日本人スタッフへの取材をご希望の場合は、広報担当までお問い合わせください。

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国際NGOプラン・インターナショナルは、誰もが平等で公正な世界を実現するために、子どもや若者、さまざまなステークホルダーとともに世界80カ国以上で活動しています。子どもや女の子たちが直面している不平等を生む原因を明らかにし、その解決にむけ取り組んでいます。子どもたちが生まれてから大人になるまで寄り添い、自らの力で困難や逆境を乗り越えることができるよう支援します。

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会社概要

URL
https://www.plan-international.jp/
業種
財団法人・社団法人・宗教法人
本社所在地
東京都世田谷区三軒茶屋2-11-22 サンタワーズセンタービル10階
電話番号
03-5481-6100
代表者名
池上 清子
上場
未上場
資本金
-
設立
1983年05月