【JIS改正】家庭用合成洗剤の試験方法
~時代のニーズに対応して~
一般財団法人日本規格協会(本部:東京都港区、理事長:朝日弘)は、2024年9月20日に家庭用合成洗剤試験方法に関するJISの改正版を発行いたしました。
JIS K 3362:2024
家庭用合成洗剤試験方法
Test methods of household synthetic detergents
税込価格:6,270 円 A4判 116頁
※規格類は価格が変更される場合がございます。ご了承ください。
この規格では、普段使用する家庭用合成洗剤に関する試験方法について、合成洗剤の成分に関する化学試験、性質についての物理試験のほか、何より家庭用合成洗剤に求められる洗浄力について、衣類の洗濯、食器洗いにおける代表的な汚れを用いて、基本となる指標洗剤と評価対象である洗剤を用いて同一条件で洗浄試験、洗浄力の評価を行う方法を規定しています。これらの評価法は家庭用品品質表示法に基づく成分表示の根拠にも採用されており、消費者が成分表示を見て適切な製品を選択することにも貢献しています。
例えば、衣料用洗剤の洗浄試験では実際の汚れの中で最も代表的なものである「襟垢汚れ(襟部に白布をとり付けて汚染した布)」を用い、それを2分割してそれぞれ指標洗剤と評価対象洗剤を用いて洗浄し、その結果を優劣判定しています。また、台所用合成洗剤の洗浄試験では、代表的な汚れとして着色した油脂汚れを付着させたスライドガラスを用いて判定しています。
【主な改正点】
今回の改正では、衣料用洗剤市場の主流が液体洗剤に変化した※1ことへの対応として、液体洗剤の指標洗剤を新たに追加しました。また、ドラム式洗濯機の普及に伴う浴比※2の低下、洗剤使用量の過不足などに起因し、近年顕在化してきた衣類の再汚染(黒ずみ)問題に対応するために、衣料用洗剤の再汚染防止力評価方法を設定しました。
さらに、台所用合成洗剤においては、近年改正された「特定化学物質障がい予防規則」に対応し、評価に用いる溶媒について、他の選択肢を追加しました。
※1 液体洗剤は、その使い勝手の良さから消費者に広く受け入れられ販売比率が大幅に伸びています。現在の日本の液体洗剤マーケットシェアは約90%1)となっています。
注1):日本石鹸洗剤工業会:2023年1月~12月洗浄剤等の製品販売統計(販売金額)より)
※2 1キロ当たりの衣類を洗うときの水量。
近年では、労働人口の増加とともに、家事の効率化につながる“すすぎ”時間短縮のニーズが高まり、節水タイプのドラム式洗濯機の普及によって、低浴比洗濯の割合が増えています。
低浴比型の洗濯では脱離した汚れが他の衣類に黒ずみを生じさせる再汚染現象が問題となっています。つまり、汚れを落とすだけではなく、落ちた汚れによる再汚染を防ぐという性能も衣料用洗剤の機能として非常に重要になっています。
日本の洗剤類は技術的には世界のトップランナーに位置づけられており、今回のJISの改正によって、高い洗浄機能と環境配慮を両立した洗浄剤のさらなる発展に寄与することが望まれます。
【規格説明会のご案内】
10月25日(金)にJIS K 3362の改正説明会を実施いたします。
改正に携わった4 名の原案作成委員より、既に本JISをご利用いただいている多くの方々へ、また、これまで馴染みのなかった方にもご理解いただけるよう、改正の背景やJISの重要性、今回の改正ポイントについて解説いただきます。
みなさまのご参加、お待ちしております。
●開催日時● 2024年10月25日(金) 14:30~17:00
●実施方法● 東京会場・ライブ配信
●申込期限● 東京会場 :2024年10月23日まで
ライブ配信:2024年10月18日まで
●受講料● 一 般:¥9,900 <10%税込>
維持会員:¥8,800 <10%税込>
●日本規格協会(JSA)グループについて
1945年12月に、標準化および管理技術の開発、普及、啓発などを目的に設立された、一般財団法人日本規格協会を中核とするグループです。
我が国の総合的標準化機関として、当グループでは、JIS、国際規格(ISO・IEC規格)、JSA規格の開発、JIS規格票の発行と販売、国際規格・海外規格の頒布、多彩なセミナーの提供、ISO 9001やISO 14001をはじめとする各種マネジメントシステムの審査登録、各種サービスに関する認証、マネジメントシステム審査員などの資格登録、品質管理検定(QC検定)といった多様な事業に取り組んでおります。
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