「コロナ禍での国内医療機関への通院状況・オンライン診療の活用状況」に関するアンケート調査結果を発表
■ 約半数の48%の患者がCOVID-19の影響により「なるべく通院は控えたい」と認識
■ オンライン診療を知っている患者の割合は約44%である一方、実際に利用している割合は約2%と低い
■ COVID-19の影響により、約80%の医師が外来患者や入院患者が「減少」したと認識
■ オンライン診療を知っている患者の割合は約44%である一方、実際に利用している割合は約2%と低い
■ COVID-19の影響により、約80%の医師が外来患者や入院患者が「減少」したと認識
デロイト トーマツ グループ(東京都千代田区、CEO:永田高士)は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による緊急事態宣言解除後の国内医療機関の現状、患者の通院やオンライン診療の活用状況に関する調査結果を発表しました。本調査は、患者(5,000名)と病院・診療所の医師(229名)を対象とし、2020年6月にWebアンケートを実施しました。
【患者環境の状況】
■約半数の48%の患者がCOVID-19の影響により「なるべく通院は控えたい」と回答
COVID-19により患者の通院に対する気持ちは変化している。不必要な通院を控える可能性があり、通院頻度に関わらず約半数の患者が通院を控えている。
図1
■オンライン診療の認知率は「高い」一方、トライアル率は「低い」
厚生労働省「新型コロナウイルス感染症の拡大に際しての電話や情報通信機器を用いた診療等の時限的・特例的な取扱いについて(令和2年4月10日事務連絡)」に基づき、「電話再診」「遠隔健康医療相談」「オンライン受診勧奨」「オンライン診療」の特例措置が開始された。その後、6月時点での利用状況として、オンライン診療の認知率が最も「高い」一方、トライアル率は最も「低い」状況にある。電話再診については認知率がオンライン診療に対して「劣る」一方、トライアル率は約14%であり相対的に「高い」水準で利用されている。
図2
- 認知率:「知っている人」に対する回答者の割合
- トライアル率:「知っている人」に対する「利用したことがある人」の割合
- 利用率:「利用したことがある人」に対する回答者の割合
- オンライン受診勧奨:遠隔医療のうち、医師-患者間において、情報通信機器を通して患者の診察を行い、医療機関への受診勧奨をリアルタイムにより行う行為
- オンライン診療:遠隔医療のうち、医師-患者間において、情報通信機器を通して、患者の診察及び診断を行い診断結果の伝達や処方等の診療行為を、リアルタイムにより行う行為
■70代の電話再診の利用率が最も「高い」一方、オンライン診療の利用率は最も「低い」
認知率に関しては年齢による大きな差は無く、一部、電話再診に関しては60-70代が「高い」傾向にある。電話再診は70代のトライアル率・利用率が最も「高い」一方、オンライン診療はトライアル率・利用率共に70代が最も「低い」傾向にある。また、デジタルネイティブ世代である20代においても、認知率・トライアル率ともに他の遠隔医療と比較して相対的に低いことから、オンライン診療に関しては利用上のハードルが存在していると推察される。
図3
【医療機関の状況】
■約80%の医師がCOVID-19影響により患者数は「減少」と回答
病院・診療所ともに、約80%の医師が外来患者(初診・再診)や入院患者が「減少」していると回答しており、患者による受診控えが影響していると想定される。
図4
■患者の利便性向上では「オンライン診療」が最も期待されているソリューションである一方、医療の質の向上における期待は低い
各医療ニーズに対して期待されているソリューション(解決策)について、患者の利便性向上では「オンライン診療」が61%と最も高い結果となったが、医療の質の向上の観点においては16%と低い。医療の質の向上においては「電子カルテ」や「ビッグデータやAI活用診断支援」への期待が高い。また、医師やコメディカルの作業効率向上の観点からは「電子カルテ」「音声入力システム」「Web会議システム」「オンライン予約システム」などにも期待が広がっている。
図5
■調査概要
調査期間 : 2020年6月8日~6月22日
有効回答数: 患者 5,000名、医師 229名
※「コロナ禍での国内医療機関への通院状況・オンライン診療の活用状況」に関するアンケート調査結果の発表に関する詳細は、下記URLからご覧いただけます。
https://www2.deloitte.com/content/dam/Deloitte/jp/Documents/about-deloitte/news-releases/jp-nr-nr20200817-survey.pdf
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