宇宙生活と地上生活双方で心豊かに過ごすには？「宇宙から見た“心の豊かさ”を考える」トークイベントレポート

2024年10月4日 16時00分

JTは9月10日、X-NIHONBASHI TOWERにて、ビジネス共創プラットフォーム「THINK SPACE LIFE」を通じて開発された製品の地上実装を記念したイベントを、特定非営利活動法人ミラツク（以下ミラツク）・株式会社パル（以下パル）と共同で開催しました。イベントでは「宇宙から見た”心の豊かさ”を考える」をテーマに、製品の紹介およびトークセッションを実施しました。

「THINK SPACE LIFE」は、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構（以下JAXA）*が2020年7月に立ち上げた、宇宙生活の課題から宇宙と地上双方の暮らしをより良くする研究開発や新規事業創出を目指す事業共創プラットフォームであり、JTはインキュベーションパートナーとして参画しています。宇宙という閉鎖環境の極限状態における「心の豊かさ」を探索するとともに、多様な企業・研究機関・クリエイターと協業しながら、宇宙と地上における「心の豊かさ」に必要な生活用品・サービスを創り出すことを目指し、2020年より活動してきました。

*2024年4月1日より運営をNPO法人ミラツクに移行

本イベントでは「THINK SPACE LIFE」を通して開発した、宇宙空間に象徴される“様々な制約のある特殊環境”であっても、自身の気持ちを切り替え、「心の豊かさ」を感じる状態へと誘うスイッチの役割を担う2製品「湯るまる」「Chupica」を紹介しました。またトークセッションには、ゲストに恋愛リアリティーショー参加者であり宇宙関連事業に携わる武井亜樹氏をお招きし、近い将来、人間が宇宙で暮らす時代を見据え、宇宙生活と地上生活に共通する課題や、過酷な環境であっても心豊かに過ごすため必要なことについて語っていただきました。

【トークセッション】宇宙空間における“心の豊かさ”とは

今回のトークイベントでは、ミラツク、パル、JTのそれぞれの登壇者に加え、ゲストとして宇宙関連事業に携わる武井氏をお迎えしました。宇宙生活という、閉鎖的空間で限られた物資しかない中で長時間を過ごす極限状態、そんな中での「心の豊かさ」とはどのようなものなのでしょうか。自身の「日常ではない、制限のある環境」における経験をもとに、そういった環境における「心の豊かさ」に関してそれぞれ語っていただきました。

―「生きていく上で心の豊かさというものがないと、人というのはどこかしんどくなってくる」―

西村勇也氏

特定非営利活動法人ミラツク代表理事

「THINK SPACE LIFE」の運営を行うミラツクの代表理事を務める西村氏。本トークイベントではファシリテーターを務めていただきました。今回リリースの「Chupica」や「湯るまる」の「清潔を保つ」という機能以上の付加価値（”すっきり”や”ほっこり”）について、こういったプラスワンの機能は「なくても生きていけるもの」ではなく、人にとって「ないと辛くなってくるもの」であると、極限状態における「心の豊かさ」として掘り下げました。

―「それを感じるだけで自分がすごく幸せになれて、そしたらこの旅が全部いい旅になって終わらせられるわけだから・・・心の豊かさって大事」―

武井亜樹氏

Prime Video『バチェロレッテ・ジャパン』3代目バチェロレッテ

幼少期から宇宙が好きで、東京大学航空宇宙工学科を卒業後、経済産業省を経て、宇宙事業に携わる武井氏。今回のトークイベントでは、大変だった北海道でのキャンプの最後に温泉でほっと一息つきながら、キャンプの非日常体験を振り返るひとときに感じた、「心の豊かさ」に関してお話いただけました。「もしも、必要最低限のものがそろっている状態でプラスワンするなら？」という西村氏の質問に対しては、宇宙に行くというスペシャルなイベントではきっと写真も動画も残したい。極限状態であっても最高の状態の自分でいたいと、少し未来の宇宙旅行での希望を語られました。

―ちょっとしたことが積み重なることによって実現する「心の豊かさ」がある―

肥後俊樹氏

株式会社パル3COINSブランドディレクター

「あなたの”ちょっと幸せ”をお手伝いする」3COINSのブランドディレクター肥後氏。宇宙空間は日常空間と大きく異なるため、普段できていた当たり前のことができないことに対して人はストレスを感じる。そして、そんな過酷な環境下でも心を豊かにするには「当たり前を持っていけるちょっとした幸せ」が必要であると語られました。加えて、こういった当たり前を実現するための製品開発の難しさについて、本プラットフォームで開発にチャレンジした宇宙空間で使用できる収納を例に挙げながら紹介されました。

―人が幸せになるってことを考えたときに、やっぱり関係資本をどこまで膨らませることができるかということをすごく思うわけです。―

御神村友樹

日本たばこ産業株式会社D-LAB Director

JTで「心の豊かさ」を実現すべく、新規事業開発に挑む御神村氏。日々「心の豊かさ」に向き合いつづける御神村氏は、宇宙と日常に共通した心の豊かさの本質を「人が幸せになること」と表現し、それに必要な要素として「人とのつながりを大事にできること」と話しました。そのためには、まず、自分の心の状態を認知し、心を整えて、他者とのつながりを大切にする。そういったプロセスによって一人一人の心の豊かさが広がっていくと語りました。

今回は各登壇者が思う、宇宙のような過酷で制限のある空間での心の豊かさについて語りました。宇宙という超特殊環境で認められる「心の豊かさ」は、地球のあらゆる厳しい環境でも通用するのではないか。あらゆる環境、状況で、さまざまな形の心の豊かさを実現すべく、JTは、今後も「心の豊かさ」に焦点を当てた活動を推進してまいります。