順天堂越谷病院で、COVID-19流行による精神科外来患者の精神症状への影響に関する調査を実施
順天堂大学医学部附属順天堂越谷病院(院長:鈴木利人)メンタルクリニックの馬場元教授らは、令和2年11月から12月の1か月間に同院メンタルクリニックの外来を受診した患者さんを対象に大規模なアンケートを実施し、新型コロナウイルス感染症(以下、COVID-19)の流行による精神症状への影響を調査しました。
<調査概要>
<調査結果サマリー>
背景と目的
昨年より続くCOVID-19の流行下においては、感染に対する不安や自粛などによる行動の制限によって、多くの人がストレスを感じており、精神的な不調をきたす人も少なくありません。一般の方を対象としたメンタルヘルスに関する調査は既に報告されているものがありますが、精神疾患を有する人を対象とした調査はまだ報告がありませんでした。順天堂越谷病院は200床を超えるメンタルクリニックを有し、年間で延べ8万人を超える患者さんが通院しています。 COVID-19流行下で生じるストレスは、精神疾患を有する人ではより強い精神的不調を招き、症状が悪化することが推察、懸念されました。そこで、順天堂越谷病院メンタルクリニックに通院する患者さんを対象にCOVID-19流行による精神症状への影響の実態を把握するための大規模なアンケート調査を実施しました。
今後に向けてのコメント
COVID-19流行の影響で病状の悪化を認めた患者さんは16%と予想より少なく、むしろ自身を振り返ることができたとポジティブにとらえる患者さんも一定割合いました。今後、これまでに公表されているアンケート結果との比較や疾患別の検討を行う予定です。そして社会復帰施設やデイサービスを利用している患者さんは、その約3割が通所施設の状況の変化による影響を受けており、課題になると考えられます。一方、通院患者さんの3/4が対面での診察を希望しており、病院での感染の不安も感じていることから、特に待合室などでの目に見える形での感染防止策を講じることが患者さんの安全と安心につながるものと考えられます。
調査結果の詳細
- 調査期間:2020年11月21日(土)~12月19日(土)の1か月間
- 調査対象:期間中に順天堂越谷病院メンタルクリニックの外来を受診した患者さん
- 調査方法:アンケート調査(配布:6,536人、回収:4,221部(不備有160部を含む)、集計:4,061部)
<調査結果サマリー>
- COVID-19の流行に関連した気持ちや症状の悪化を自覚した患者さんは4割に満たず、実際に病状が悪化したと担当医が判断した患者さんは16%程度であった。
- COVID-19の流行による影響について、自分の生活を見直すことができたなど、ポジティブに捉える患者さんも多かった。
- 企業等に就労する患者さんと比べて、社会復帰施設やデイサービスなどのリハビリ施設はCOVID-19の流行下にあっても施設の活動を維持しており、患者さんの社会的活動への影響はより少なかった。
- 通院に際しては、3/4が対面での診察を希望する一方で、他の患者からの感染を不安に感じている患者さんも多く、待合室などでの目に見える形での感染防止対策を講じる必要性が示唆された。
背景と目的
昨年より続くCOVID-19の流行下においては、感染に対する不安や自粛などによる行動の制限によって、多くの人がストレスを感じており、精神的な不調をきたす人も少なくありません。一般の方を対象としたメンタルヘルスに関する調査は既に報告されているものがありますが、精神疾患を有する人を対象とした調査はまだ報告がありませんでした。順天堂越谷病院は200床を超えるメンタルクリニックを有し、年間で延べ8万人を超える患者さんが通院しています。 COVID-19流行下で生じるストレスは、精神疾患を有する人ではより強い精神的不調を招き、症状が悪化することが推察、懸念されました。そこで、順天堂越谷病院メンタルクリニックに通院する患者さんを対象にCOVID-19流行による精神症状への影響の実態を把握するための大規模なアンケート調査を実施しました。
今後に向けてのコメント
COVID-19流行の影響で病状の悪化を認めた患者さんは16%と予想より少なく、むしろ自身を振り返ることができたとポジティブにとらえる患者さんも一定割合いました。今後、これまでに公表されているアンケート結果との比較や疾患別の検討を行う予定です。そして社会復帰施設やデイサービスを利用している患者さんは、その約3割が通所施設の状況の変化による影響を受けており、課題になると考えられます。一方、通院患者さんの3/4が対面での診察を希望しており、病院での感染の不安も感じていることから、特に待合室などでの目に見える形での感染防止策を講じることが患者さんの安全と安心につながるものと考えられます。
調査結果の詳細
- 1.COVID-19の流行に関連した気持ちや症状の悪化を自覚した患者さんは4割に満たず、実際に病状が悪化したと担当医が判断した患者さんは16%程度であった。
- 2.COVID-19の流行による影響について、自分の生活を見直すことができたなど、ポジティブに捉える患者さんも多かった。
- 3.企業等に就労する患者さんと比べて、社会復帰施設やデイサービスなどのリハビリ施設はCOVID-19の流行下にあっても施設の活動を維持しており、患者さんの社会的活動への影響はより少なかった。
- 4.通院に際しては、3/4が対面での診察を希望する一方で、他の患者からの感染を不安に感じている患者さんも多く、待合室などでの目に見える形での感染防止対策を講じる必要性が示唆された。
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