デル・テクノロジーズ、2025年の予測とAPJ地域の展望を発表 AIエージェントの台頭、スケーラブルなエンタープライズAI、ソブリンAIイニチアチブ

ニュースの概要

  • AIエージェント アーキテクチャーが、受動的なツールから自律的なエージェントへのシフトを促進し、人とコンピューターのインタラクションに革命をもたらす

  • エンタープライズ企業はAI導入を戦略的にスケーリングし、影響力の大きな分野にフォーカスしながら再利用可能なAI基盤を構築

  • ソブリンAIのイニシアチブが世界的なAIの普及を加速させ、各国におけるデータとインフラの活用を実現

  • AIを量子コンピューティングやインテリジェント エッジ、ゼロトラスト セキュリティーなどの新興テクノロジーと融合することで、前例のないイノベーションを実現

  • AIフルエンシーは必須のスキルとなり、雇用市場を変革するとともに人材のスキル開発が必要に

2024年12月5日、アジア太平洋および日本(APJ)地域発:

デル・テクノロジーズは、アジア太平洋および日本(APJ)地域において、メディアブリーフィング『Predictions 2025』を実施しました。今回のオンライン ブリーフィングでは、グローバルCTO(最高技術責任者)兼CAIO(最高AI責任者)のジョン ローズ(John Roese)とAPJ地域担当プレジデントのピーター マース(Peter Marrs)がホストを務め、2025年以降にテクノロジー業界を再編する可能性がある新たなトレンドにフォーカスしました。ブリーフィングでは、テクノロジーの未来に対するローズのビジョンをベースに、企業がこれらのトレンドをうまく捉えてAPJ地域におけるイノベーションの機会を活用していく上で、デル・テクノロジーズがお客様のパートナーとして果たしている役割に重点を置いて進められました。

ジョン ローズのビジョン ― 2025年以降にハイテク業界を形作るトレンド

(画像提供: デル・テクノロジーズ)

ジョン ローズは、次のように述べています。「どのテクノロジーを見ても、必ずAIのエコシステムとつながる(人体で組織と組織をつないでいるような)結合組織があります。現在のすべてのテクノロジーは、AIを実現するテクノロジーか、AIによって実現されるテクノロジーのいずれかです。私たちは、静的でリアクティブなAIから、これまでできなかったこと以上のことを実現可能にする、より動的かつ自律的でインタラクティブな奥深いツールセットへと進化しています」。

AIエージェント アーキテクチャーの台頭

ローズは、「AIエージェント」が、ヒューマンAIインタラクション(HAI)におけるパラダイムシフトを示すものになると予測しています。「『AIエージェント』は、2025年を定義する言葉になるでしょう。AIエージェントはAIテクノロジーの決定的な進歩であり、AIアーキテクチャーのアプローチを大きく前進させるでしょう」。(ローズ)

マースもローズの予測に同調し、次のように述べました。「APJ地域ではAIの準備と導入が急速に進んでいますが、膨大な投資がこれを後押ししており、その規模は2028年までに1,100億ドルに達すると予測されています(*1)。この成長は、APJ地域全体を通じたAI対応データセンター市場の急成長ぶりからも明らかです」。ローズが予想しているように、これらのエージェント システムの複雑さが増すことで、多様なアーキテクチャーをサポートできるようにテクノロジーも急速に進化することが求められます。

エンタープライズAIの成功をスケーリングするための戦略

ローズが述べたフレームワークをベースに、ブリーフィングでは、AIを効果的にスケーリングすることの重要性についても触れられました。企業は、AIのイニシアチブから目に見えるROI(投資利益率)とビジネス バリューを引き出すことを一層重視するようになっており、多くの場合CAIO(最高AI責任者)やCIO(最高情報責任者)をリーダーとする専任のAI委員会を設けています。この実践的なアプローチは、生成AIのパイロット プロジェクトの成功率の上昇に反映されています。

ローズは、次のように述べました。「2025年は、本当の意味でエンタープライズAIのスケーリングが実現し、本格的に稼働する年になると考えています」。

マースは、次のように述べました。「APJ全域にわたり、AIの成熟度合いには偏りがあり、既存の展開環境のスケーリングに注力している企業もあれば、いまだに基本的なインフラ、人材、サービス ニーズに対応している企業もあります」。マースは、より成熟したAI導入の例として金融サービスの分野を挙げました。金融サービス業界では、不正検出にAIを活用し、顧客サービスにデジタル ヒューマンを展開する企業が増えています。一方、医療分野では依然として、AIを活用した診断ツールや患者ケアの合理化のサポートに必要な基盤インフラとデータ管理機能の構築に注力している組織もあります。「Dell AI Factory」は、この変革を実現する上で、重要な役割を果たしています。

ローズが力説するように、企業がAIのスケーリングを成功させるためには、自社にとって最も影響力のあるプロセスの優先付けを行い、再利用可能で拡張性に優れたAI基盤を確立しなければなりません。マースは、APJ地域におけるAI導入の成功例を紹介し、エンタープライズAIの導入に対するローズのビジョンを裏付ける形で、次のように述べました。「多くの組織がAIを活用し、サイバーセキュリティーの強化、クラウド サービスの最適化、学習環境のパーソナライズ、映画制作の変革を実現しています」。

APJの企業は、規制の多様化とプライバシーへの懸念の高まりにより、プライベートおよびオンプレミスのAI導入に向かっていると、マースは考えています。

地域に即したイノベーションのためのソブリンAIの導入

今回ローズが重点を置いた重要なトレンドの1つが、ソブリンAIの台頭です。ソブリンAIとは、各国が自国の文化、言語、データ セキュリティーのニーズに合わせてローカライズしたAIエコシステムの構築に関する取り組みです。ローズは、ソブリンAIのコンセプトでは、自国独自のインフラストラクチャーとデータを使って、AIから価値を引き出して差別化を図り、自国の知的財産と優先事項を反映したエコシステムを育成するという、国としての能力に焦点が当てられると説明しました。

特に、ソブリンAIには多様なアプローチがあると、ローズは述べました。国家レベルのAIリソースを構築して、官民の両方にコンピューティング パワーとデータ容量を提供している国もあれば、政府がインフラを整備するのではなく、民間企業が積極的な共同設計を通じて、AIエコシステムをモダナイズしてリードするように奨励する共同戦略を進めている国もあります。

AIテクノロジーの融合

ローズのプレゼンテーションでは、AIと他の新興テクノロジーの融合がメインテーマの1つでした。ローズは、AIの真の可能性は、他の新興テクノロジーとのつながりにあるとし、量子コンピューティングやインテリジェント エッジ、ゼロトラスト セキュリティー、6Gテクノロジー、デジタルツインといった分野における進歩と、AIを組み合わせることによる相乗効果の可能性を強調しました。量子コンピューティングとAIの組み合わせは、数多くの業界にとってゲームチェンジャーになると予測されています。これら2つのテクノロジーの組み合わせは、材料科学や創薬、最適化問題など、これまでのコンピューティング手法では限界があった複雑な分野へAIを応用するために、必要なコンピューティング パワーをもたらします。

ローズは、AIが通信ネットワークの運用に革命をもたらすとともに、PCをAIインフラストラクチャーに欠かせない構成要素へ変えるなど、さまざまな業界に与えるAIの幅広いインパクトについても指摘しています。デル・テクノロジーズの製品をはじめとする、AI向けに最適化されているPCの普及、またオンプレミスAIソリューションの導入の増加は、AIが広範なテクノロジー エコシステムに広く統合されている状況を実証しています。

AIの進化が労働力の形を変革

未来の働き方に関するローズのビジョンでは、AIが労働市場にもたらす変革的なインパクトを強調しており、企業は人材のAIフルエンシー(AIを活用する能力)の開発に投資しなければなりません。AIエージェントが多くのルーチン的なタスクを処理するようになるにつれ、人間が果たす役割は、よりレベルの高い戦略的な思考や創造的な問題解決、複雑な意思決定に注力するようになるでしょう。

ローズは、次のように指摘しています。「AIは高いレベルの仕事を生み出しているだけでなく、インフラへの膨大な投資を後押しする要因にもなっており、雇用の創出に大きなプラスの効果をもたらしています。AIが簡単かつ反復的に行える基本的な仕事もあります。その一方で、ソフトウェア コンポーザーやAI通訳者、熱配管工など、あらゆる場所で新しい仕事が生み出されているというすばらしい側面もあります」。

APJ地域の人材とリソースのギャップに対するマースの見解は、この地域におけるスキル開発の喫緊のニーズを浮き彫りにしています。AIの未来は、人とAIのコラボレーション、また組織とそのテクノロジー パートナーのコラボレーションにかかっています。デル・テクノロジーズは、APJ地域のお客様がAIの力を活用し、インテリジェントなコラボレーションをベースにした未来を推進するための支援に、確固とした姿勢で取り組んでいます。マースは、次のように述べました。「今後を見据えたとき、人とAI、そして人と人の強力なコラボレーションが、お互いが共有するデジタルの未来を推進していく鍵になるでしょう」。

*1. IDC社調査: アジア太平洋のAI投資は2028年までに1,100億ドルに - IDC社レポート

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■デル・テクノロジーズについて

デル・テクノロジーズ(NYSE:DELL)は、企業や人々がデジタルの未来を築き、仕事や生活の仕方を変革することを支援します。同社は、AI時代に向けて、業界で最も包括的かつ革新的なテクノロジーとサービスのポートフォリオをお客様に提供しています。

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会社概要

URL
https://www.dell.com/ja-jp
業種
情報通信
本社所在地
東京都千代田区大手町一丁目2番1号 Otemachi Oneタワー 17階
電話番号
-
代表者名
大塚俊彦
上場
未上場
資本金
3億円
設立
1989年06月