王者のスピードと強打か、挑戦者の経験としつこさか…世界プロボクシング

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WBA世界ヘビー級タイトルマッチ
デビッド・ヘイvsジョン・ルイス
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日本時間4月4日(日)、ボクシング ヘビー級注目の一戦、デビッド・ヘイ(イギリス)vsジョン・ルイス(アメリカ)の試合がイギリスで行われる。
昨年11月、史上最巨漢チャンピオンのニコライ・ワルーエフ(ロシア)を下して頂点を極めたヘイの初防衛戦。指名挑戦者のルイスは過去に2度、世界タイトルを獲得した実績を持つ粘着型のベテラン。チャンピオンのスピードと強打が勝るのか、それともルイスの執拗な戦闘スタイルが番狂わせを起こすのか。
ヘイはアマチュアで世界選手権準優勝の実績を引っ下げてプロ転向。打たれ脆さを突かれて一度敗北を味わってはいるが、07年にクルーザー級の世界タイトルを獲得したのに続きヘビー級も制するなど、ここまでは順調な成長曲線を描いてきたといえる。
最重量級に転向後は大型選手が席巻するなかで体のサイズが心配されたが、ワルーエフ戦を見る限り大きなハンディにはなっていないようだ。最終回には大巨人をふらつかせるなど、24戦23勝(21KO)1敗の強打が通用することも証明されている。不安があるとすれば、やはりパンチに対する耐久力だろうか。ルイスが無類のハードパンチャーというわけではないものの、ワンツーの直撃は避けたいところだ。
史上初のヒスパニック系世界ヘビー級チャンピオンという肩書を持つルイスは38歳。ドン・キング傘下からゴールデン・ボーイ・プロモーションズ傘下に移って初の試合が大舞台となる。「ルイスは技能と才能に長けた選手で、今後のヘビー級戦線をリードしていくはず」と総帥オスカー・デラ・ホーヤも大きな期待を寄せている。
ルイスは01年にイベンダー・ホリフィールド(アメリカ)を破ってWBAタイトルを獲得。ロイ・ジョーンズ(アメリカ)のヘビー級制覇を許したものの03年12月には返り咲きを果たしている。身長ではヘイに3センチ劣るが、11度の世界戦を含め54戦44勝(30KO)8敗1分1無判定と経験値は高いものがある。「歴史を更新していくためにはデビッド・ヘイを越えなくてはならない。3度目の戴冠を果たして歴史の1ページを開いてみせる」と並々ならぬ意気込みをみせている。
スピードとパンチの破壊力で勝るチャンピオン有利は動かしがたいが、ヘイの耐久力に問題があるため予想は難しいと言わざるをえない。8敗のうちKO負けが一度だけというルイスの粘りも見逃せない。
スピードを利してヘイが早い段階で抜け出せば圧勝も考えられるが、膠着状態のままラウンドを重ねる展開になると勝負の行方は混沌とするはずだ。ワンツーで飛び込んではクリンチを繰り返すルイスの策にヘイが引き込まれるようだと、番狂わせの可能性は高くなる。
この試合の模様は、4月5日(月)夜8時よりWOWOWで放送する。

Written by ボクシングライター原功




※デビッド・ヘイ(WBA世界ヘビー級チャンピオン 29歳)
2002年12月  プロデビュー
2007年11月  WBA・WBC世界クルーザー級タイトル獲得(vsジャン・マルク・モルメク 7回TKO)
2008年3月   WBO王者エンゾ・マカリネリに2回TKO勝ちを収め、3団体統一
2009年11月  WBA世界ヘビー級タイトル獲得(vsニコライ・ワルーエフ 12回判定)
戦績:24戦23勝21KO1敗

※ジョン・ルイス(元WBA世界ヘビー級チャンピオン 38歳)
1992年8月  プロデビュー
2001年3月  WBA世界ヘビー級タイトル獲得(vsイベンダー・ホリフィールド 12回判定)
2003年3月  ロイ・ジョーンズに12回判定負けでWBAタイトル失う
2003年12月 WBA暫定世界ヘビー級タイトル獲得 のちに正王者に昇格(vsハシム・ラクマン 12回判定)
2005年12月 ニコライ・ワルーエフに12回判定負けでWBAタイトル失う
戦績:54戦44勝30KO8敗1分1無判定

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