表皮の深奥部まで届ける技術 ローヤルゼリーの有用成分デセン酸で確認
肌浸透を約10倍に高める新処方を開発
株式会社山田養蜂場(所在地:岡山県苫田郡鏡野町、代表:山田英生、以下「山田養蜂場」)の自社研究機関である、山田養蜂場 健康科学研究所は、新ローヤルゼリー(以下、RJ)エキス※1中の10-ヒドロキシ-2-デセン酸(以下、デセン酸)に、特定のクロスポリマー※2を添加することで、肌への浸透性が約10倍高まること、さらに、デセン酸が角質層を越えて表皮の奥深くまで浸透することを明らかにしました。山田養蜂場では、これまでの研究において、新RJエキスならびにデセン酸が表皮幹細胞を活性化させることを明らかにしています。本成果は、科学雑誌『Journal of Dermatologic Science and Cosmetic Technology』に掲載されました(2026年3月)。
※1生ローヤルゼリーを酵素分解し、デセン酸などの幹細胞を活性化する成分の比率を高めたエキス
※2網目状に結合した高分子ポリマーのこと。化粧品では、肌触りをやわらかくしたり、成分を安定させたり、浸透をコントロールしたりする目的で配合される一般的な原料
【研究背景】
皮膚は人体最大の器官であり、有害物質や薬物の侵入を防ぐバリアとして機能しています。皮膚の最外層である角質層がこのバリア機能を担っており、細胞間脂質と角質細胞から構成されています。
RJは、若い働き蜂の下咽頭腺と大あご腺から分泌される乳白色のクリーム状の物質です。 RJは水分(60~70%)、タンパク質(9~18%)、炭水化物(7~18%)、脂質(3~8%)、ミネラル、ビタミン、遊離アミノ酸などから構成され、有用成分として脂肪酸の一種であるデセン酸が含まれます。山田養蜂場では、デセン酸による、フィラグリン※生成促進1⁾、抗酸化機能の亢進2⁾及び表皮幹細胞活性化3⁾など、さまざまな肌への有用性を確認しています。
山田養蜂場の独自化粧品原料である「新RJエキス」は、デセン酸を介した表皮幹細胞活性化作用を強みとしています。このデセン酸の持つ幹細胞や肌への効果を最大限に引き出すうえで、肌への浸透性を高めるアプローチが有効であると考えられます。
そこで、本研究では一般的な化粧品原料に用いられる数種類のクロスポリマーで、デセン酸の皮膚浸透性を向上させる化粧品処方を検証しました。
※表皮で作られるタンパク質の一種。分解されると天然保湿因子(NMF)となり、肌の潤いを保つために不可欠な成分
<参考文献>
1)Cosmetics. 2017;4(4):48.
2)Int J Mol Sci. 2021;22(23):12973.
3)Biol Pharm Bullet. 2024;47(12):2041–2049.
【研究方法】
<方法①>皮膚を模した人工膜での塗布試験
新RJエキスに数種類のクロスポリマーを添加または添加せずに、皮膚を模した人工膜上に塗布した。塗布後0.5、1、2、3、4、5及び6時間経過した時点でのデセン酸の累積浸透量を測定した。
<方法②>ヒト由来皮膚組織※を用いた試験
新RJエキスに特定のクロスポリマーを添加または添加せずに、ヒト由来の皮膚組織に塗布した。6時間後にデセン酸の分布を画像にて評価した。
※美容外科手術などで切除された皮膚組織。表皮・真皮の全層を含む
【研究結果】
<結果①> 特定のクロスポリマーが、新RJエキス中のデセン酸の人工膜への浸透を促進
人工膜への浸透性を調べた結果、新RJエキスに特定のクロスポリマーを添加した条件では、特定のクロスポリマーを添加しなかった条件に比べ、塗布後6時間時点におけるデセン酸の累積浸透量が約10倍となった。

<結果②> 特定のクロスポリマーが、新RJエキス中のデセン酸のヒト由来皮膚組織への浸透を促進
新RJエキスに特定のクロスポリマーを添加した条件では、特定のクロスポリマーを添加しなかった条件に比べ、デセン酸が皮膚表面のより深部まで浸透することが確認された。

※赤紫色の部分はデセン酸ではなく、皮膚組織そのものの色を示す
※白色の点線内はデセン酸の浸透範囲を示す

【今後について】
ローヤルゼリーが肌に対してさまざまな有用性を発揮することは、これまでの研究で明らかになってきています。そして、その効果を最大限に引き出すためには、有用成分を肌の奥深くまで浸透させ、届けたい部位へ確実に届ける技術が重要となります。今回の研究では、新ローヤルゼリーエキスを一般的な化粧品原料である特定のクロスポリマーと組み合わせることで、デセン酸の皮膚浸透性が向上することを明らかにしました。さらに、デセン酸が角質層を越えて表皮の奥深くまで浸透することも確認しました。本成果は、デセン酸が持つ幹細胞や肌への効果を最大化させ、次世代ローヤルゼリー商品の開発を大きく前進させる重要な知見といえます。
山田養蜂場では、本研究によって見出されたローヤルゼリーの新しい成分浸透技術を活用し、今後も人々の美と健康につながるような商品開発を行って参ります。
また、ローヤルゼリーが全身に作用するメカニズムについては未だ明かされていない点が多くありますが、山田養蜂場はこれからも多角的な研究を継続することで、ローヤルゼリーのさらなる可能性を解き明かして参ります。
【これまでのローヤルゼリーの研究成果一例】

<文献情報>
タイトル:Enhanced skin penetration of 10-hydroxy-2-decenoic acid via anionic
polymer formulations and skin hydration modulation
著者:山家 雅之、春名 優希、伊藤 隆志、権 来悟、谷 央子、八巻 礼訓
所属:株式会社山田養蜂場 R&D本部 山田養蜂場 健康科学研究所
論文情報:Journal of Dermatologic Science and Cosmetic Technology. 2026;3(1):100144.
掲載日:2026年3月31日
DOI:10.1016/j.jdsct.2025.100144
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