コインチェックとKomlock lab、「AIエージェントが取引を行う時代」に向けた共同研究を開始
〜 グローバルの先行事例も踏まえ「AIエージェント向けCLI」のユースケース創出と実務課題の整理を推進 〜
アプリダウンロード数およびアクティブユーザー数国内No.1(※1)の暗号資産取引サービス「Coincheck」を運営するコインチェック株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役:蓮尾 聡、以下「当社」)は、ブロックチェーンおよびAIエージェント(※2)領域の技術者集団であるKomlock lab株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役:布目雅登、以下「Komlock lab」)と、「AIエージェント向けCLI(※3)」に関する共同研究を開始することを決定いたしましたので、お知らせいたします。

共同研究の背景
AIエージェントが自律的にサービスを呼び出し、ユーザーの代理として価値交換を行う動きが、海外を中心に急速に進んでいます。Komlock labが開発するAIエージェント向けCLIプロダクト「Kova(β)」は、ユーザーが「○○を購入したい」「最適な条件で売却したい」と自然言語で意図を伝えるだけで、AIエージェントが取引を実行する世界を想定したものです。
こうしたユースケースが現実化すると、決済に求められる前提条件は大きく変わります。AIエージェントは秒単位で外部APIを呼び出し、1回あたり数セント未満のリクエストを連続的に発行する可能性があります。一方、従来の決済手段は、人間が都度意思決定を行う前提で設計されており、決済頻度、エージェントへの権限委譲の粒度、決済の即時性のいずれにおいてもエージェント主導のワークロードに最適化されていません。例えば、数円規模の決済に対して数十円のオンチェーン手数料が発生する場合、決済手数料が決済金額を上回る状態となります。
こうした背景から、暗号資産・ステーブルコインに関心が高まっています。その理由は、単に「銀行口座を介さずに利用できる」という特徴にとどまりません。プログラムから直接送受信できること、スマートコントラクトで条件付き決済を記述できること、さらにオフチェーン取引で約定を積み上げ、必要なタイミングでのみオンチェーンで精算を行えることなど、柔軟な設計が可能である点にあります。これらがプログラマブルでオープンな技術仕様・実装として整備されていることで、エージェント間決済における経済性と即時性の両立が可能になります。
x402、ACP、AP2、MPP(※4)など、暗号資産事業者、決済事業者、プラットフォーマーが提案する各種プロトコルは、こうした課題への対応としてエージェント間決済の標準化を進めています。具体的には、取引の合意と実際の資金移動のタイミングを分離して複数取引をまとめて精算する仕組みや、取引相手を都度審査するのではなく、共通ルールと検証可能な条件によって信用関係を成立させる仕組みなどが検討されています。これらは、認可、チェックアウト、精算といった異なる役割を分担する構造を採用しています。
一方、日本国内では、こうした論点に基づくユースケース検討や実装事例はまだ限定的です。規制との整合性、AIエージェントの行動制御に関するリスク管理体制、ユーザー保護のあり方を含め、多角的な議論はこれから本格化するとみられます。
本共同研究では、海外プロジェクトの設計思想や先行実装を技術的に分析したうえで、暗号資産取引所の立場から、日本国内における現実的な検討枠組みを整理することを目的としています。
今後の取り組み
本共同研究では、Komlock labの技術的知見と、当社の暗号資産領域における実務および規制対応の知見を踏まえ、以下に取り組みます。
-
AIエージェントを用いた取引モデルの整理
-
既存の規制との整合性に関する検証
-
リスク管理および内部管理体制のあり方の検討
-
x402をはじめとしたエージェント間決済に利用される代表的なオープンソースソフトウェアの研究や、それらを活用したユースケース創出のための研究会の実施
加えて、AIエージェント活用の実用化に向けたユースケース探索として、以下にも取り組みます。
-
海外の金融領域におけるAIエージェント活用事例(自律的な資産運用、決済、最適執行等)の調査
-
金融以外の領域(EC、デジタルコンテンツ、ゲーム等)におけるエージェントによる自動取引・購買事例の分析
-
これらの実例を踏まえ、両社の知見を持ち寄った新たなユースケース(例:ユーザー意図に基づく横断的な価値交換、条件連動型の自律取引等)の創出可能性の検討
本共同研究を通じて、AIエージェントが関与する取引の実務的・制度的な論点を整理するとともに、将来的な新しい価値交換のあり方やユーザー体験の高度化に向けた示唆の創出を目指します。
なお、本取り組みは研究段階のものであり、現時点において特定のサービス提供を目的とするものではありません。
海外動向(参考)
海外においては、AIエージェント向けCLIの概念を取り入れた暗号資産関連サービスの実用化が進んでいます。主な事例としては以下が挙げられます。なお、これらは参考事例であり、各国の法制度や規制環境は日本と異なります。
-
米大手暗号資産取引所コインベースの「Payments MCP」(2025年9月より提供開始)
-
x402を利用したMCPウォレット
金融領域に限らず、ECやデジタルサービスにおいても、AIエージェントがユーザーの代理として商品選択・購入・決済までを一貫して実行するユースケースの検討が進んでおり、取引インターフェースそのものの変革が期待されています。
※1 当社2026年2月26日付プレスリリース「Coincheckアプリ、APAC Awards 2025『ベスト暗号資産アプリ』を受賞」
※2 AIエージェントとは、人が詳細な指示を与えなくても業務の目標を理解し、自ら計画を立て、複数のツールを使い分けながらタスクを遂行する自律型ソフトウェアを指します。
※3 CLI(コマンドラインインターフェース)とは、キーボードでコマンドを入力し、コンピュータやAIに直接指示を与える操作環境です。
※4 各プロトコルの概要は次のとおりです。x402: Coinbaseが提唱するHTTPベースの決済プロトコル(2025年5月公開、V2は2025年12月)。ACP(Agentic Commerce Protocol): StripeとOpenAIが共同で提唱する、AIエージェントによるマーチャント購買のためのオープン標準(2025年9月公開)。AP2(Agent Payments Protocol): Googleが、Coinbaseを含む60超の組織とともに提唱する、エージェントへの支払権限の委譲・検証のためのプロトコル(2025年9月公開)。MPP(Machine Payments Protocol): StripeとTempoが共同で提唱する、マシン間の継続的少額決済のためのプロトコル(2026年3月公開)。
Komlock lab株式会社について
「ブロックチェーン×AI Agent」が実現する、自律的な経済圏の創出を目指す集団です。2018年からブロックチェーンサービスの開発・運営を手掛けてきたCryptoGames社のエンタープライズ部門を分社化し2024年に設立。25以上の多様なプロジェクトで培われた豊富な技術と知見を基に、未来の基盤となるテクノロジーを社会に実装します。
【会社概要】
所在地:東京都渋谷区神宮前六丁目23番4号 桑野ビル2階
代表者:代表取締役 布目 雅登
設立年月日:2024年9月18日
事業内容:
・ブロックチェーン受託開発
・AIエージェント経済圏プラットフォーム構築
資本金:14,187,500円(資本準備金含む)
コーポレートサイト:https://komlock-lab.com/
お問合せ先:info@komlock-lab.com
コインチェック株式会社について
コインチェック株式会社は「新しい価値交換を、もっと身近に」をミッションに掲げ、アクティブユーザー数国内No.1*およびアプリダウンロード数7年連続国内No.1**の個人向け暗号資産取引サービス「Coincheck」、法人や機関投資家の暗号資産取引・保管を支援する「Coincheck Prime」、事業法人向けにクリプト関連ビジネスを支援する「Coincheck Partners」を展開しています。東証プライム市場上場マネックスグループ株式会社、米NASDAQ上場Coincheck Group N.V.のグループ企業として透明性・信頼性・安全性のもとで、ビットコインやイーサリアムなどの暗号資産やブロックチェーン技術が生み出す「新しい価値交換」を提供しています。
* 参考:当社2026年2月26日付プレスリリース「Coincheckアプリ、APAC Awards 2025『ベスト暗号資産アプリ』を受賞」
** 対象:国内の暗号資産取引アプリ 期間:2019年1月〜2025年12月 データ協力:AppTweak
商号:コインチェック株式会社(英語表記:Coincheck, Inc.)
本社:〒150-6227 東京都渋谷区桜丘町1番4号 渋谷サクラステージ SHIBUYAサイド27階
設立:2012年8月28日
代表取締役:蓮尾 聡
暗号資産交換業登録:関東財務局長 第00014号
コーポレートサイト:https://corporate.coincheck.com/
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像
