発達特性や手先に麻痺のある子供たちとインクルーシブデザインを通じて、CULUMUがフットマークの新ランドセル『ぴったセル』の開発を支援
約3年の歳月をかけた共創リサーチの実践。既存製品に寄せられた「2%の小さな声」を本質的な価値へと昇華させ、新ランドセル開発の土台となるリサーチとコミュニケーション設計を支援。

株式会社STYZ(本社:東京都渋谷区、代表取締役:田中辰也)が運営するインクルーシブデザインスタジオ「CULUMU(クルム)」は、フットマーク株式会社(本社:東京都墨田区、代表取締役社長:磯部徳史、以下 フットマーク)が2026年4月に発売する新しいランドセルリュック『ぴったセル』のプロジェクトにおいて、開発に向けたインクルーシブリサーチ、および公式Webサイト制作に伴走支援いたしました。
フットマークに寄せられた、既存製品に対する「特定の仕様が使いづらい」という2〜3%の小さな声。CULUMUは、発達特性のある当事者ご家族との共創を通じてその奥にある隠れたニーズを抽出し、株式会社GKダイナミックス(本社:東京都豊島区、代表取締役社長:菅原義治、以下 GKダイナミックス)が手掛けるインクルーシブなプロダクトデザインの確固たる土台を構築しました。さらに、完成した製品の魅力を正しく社会へ届けるコミュニケーション設計(Webサイト制作)も担い、当事者の声をプロダクトとして社会実装するまでの重要なプロセスを支援しています。
■プロジェクトの背景:老舗メーカーが向き合った「1/1の視点」
創業80年を迎えるフットマークは、多数のデータよりも“たった一人の言葉”を大切にする「1/1(いちぶんのいち)の視点」をものづくりの理念としています。
同社が展開する通学カバン『RAKUSACK(ラクサック)』も、元々は「カバンが重すぎて壊れやすい」という一人のお客様の声から始まり、子どもたちが毎日10kg近い荷物(中学生の場合)を背負う体への負担を「構造で軽く感じさせる」ことで解決を目指した製品でした。
この『ラクサック』は多くの支持を集め、2020年には小学生向けの『ラクサックジュニア』を発売。布製で軽量、かつ軽く感じる構造の"ランドセルリュック”という新市場を誕生させました。こちらも発売と同時に反響が高く、ランドセルの新たな選択肢として浸透していきましたが、利用者のアンケートの中に「障害や発達特性により、ファスナーやマグネットが使いづらい」という声が2〜3%存在していました。フットマークはこの声を見過ごさず、特定の誰かのためのカバンを作る「インクルーシブデザイン」のアプローチで、新たなランドセル『ぴったセル』の開発をスタートさせました。
■納得いくまで向き合った約3年の開発軌跡。3社の共創体制へ
一般的なカバン開発が1年程度で行われる中、『ぴったセル』の開発は2023年春から約3年もの歳月をかけて行われました。
当初はフットマーク社内で検証を進めていましたが、利用者の細やかなニーズをカバンの構造や意匠としてより高度に具現化するため、2023年夏にプロダクトデザインを担うGKダイナミックスが伴走を開始しました。当初よりインクルーシブデザインの視点で取り組むため、リサーチパートナーとしてCULUMUに声がかかり、プロジェクトに参画しました。
2026年1月時点で試作は5回目を数え、「春のラン活に発売を合わせる」という事業計画ありきではなく、「当事者の声に応える、本当に納得できるものを作る」という信念のもとで開発が続けられ、この度2026年4月の発売に至りました。
■CULUMUの支援内容
開発の土台を作る、生活密着型の「インクルーシブリサーチ」

フットマークの要望である当事者が抱える言葉にできない課題を明らかにするため、CULUMUはまず発達特性のある子どもを持つ25家族へのアンケート調査を実施し、そこからご家庭へのデプスインタビュー(深掘り調査)を行いました。
単なるヒアリングにとどまらず、子どもたち自身に専用の日記帳や動画を用いて日常の不便さやこだわりをレポートしてもらうなど、長期間にわたる検証プロセスをデザイン。理学療法士の資格を持つ親御さんの専門知識や、朝の準備におけるストップウォッチを使った工夫など、アンケートだけでは拾いきれない「リアルな生活動線と感情」を抽出しました。
この結果、障害の有無に関わらず「誰にとっても使いやすい」製品へと昇華させるための重要なインサイトを提供し、優れたデザインへと繋ぐ架け橋の役割を担いました。
インクルーシブデザインを体現する「Webサイト制作」

『ぴったセル』の魅力を社会に正しく届ける公式Webサイトの制作もCULUMUが担当しました。一般的なランドセルのWebサイトが「親向け」に作られているのに対し、CULUMUは「親子で一緒に見られるサイト」をコンセプトに設計。子ども自身が読んで理解できるよう漢字にふりがなを振り、メッセージをシンプルに絞り込みました。
このデザインの背景には、制作を担当したCULUMUメンバー自身の「自分の子どもが同社の製品に出会ったことで、学校に通えるようになった」という強い感謝と原体験が込められており、誰もが抱える悩みに寄り添うサイトとなっています。
■プロジェクト担当者からのコメント
フットマーク株式会社 佐野 玲子 氏
今回の『ぴったセル』開発において、CULUMU様には当事者の方々の特性に合わせたリサーチ手法を共に考え、実践していただきました。クライアントの要望に合わせて柔軟にリサーチ方法をご提案いただき、コンセプト立案やデザインのヒントになる貴重な情報(ソース)をご提供いただける点は、他社にはないCULUMU様ならではの大きな強みだと感じています。また調査の現場でも常に近い距離感で伴走いただき、CULUMUスタッフには大いに助けられました。
CULUMU 事業責任者 川合 俊輔
フットマーク様が貫かれている『1/1の声を拾い上げる真摯なものづくり』の姿勢があったからこそ、この意義深いプロジェクトは実現しました。私たちは、当事者の声を拾い上げ、製品開発の確固たる土台となる情報を提供することで本プロジェクトに貢献できたことを誇りに思います。リサーチを通じて子どもたちが『大人の仕事(開発)を手伝う』経験をし、自信をつけていくプロセスを目の当たりにしたことも大きな成果でした。CULUMUは今後も、このような『小さな声を価値に変える伴走支援』を通じて、企業の事業創出に貢献してまいります。
■ぴったセル製品概要


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品名 |
ぴったセル |
|---|---|
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品番 |
101317 |
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サイズ |
高さ32.5cm×幅23.5cm×厚さ17.5cm |
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容量 |
11L |
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カラー |
ブラック、ネイビー、ミント、ラベンダー、ピンク |
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素材 |
本体 / ポリエステル100%(表面はっ水加工・裏面塩化ビニル樹脂加工)、かぶせ / 合皮 |
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税込価格 |
本体 / ¥27,500、着せ替えフラップ / ¥4,400 |
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公式Webサイト |
■CULUMUの提供サービスについて
本件に関する詳細や、各サービスへのご相談は以下の特設窓口より承っております。
1. インクルーシブリサーチ・新規事業開発伴走について
特定の課題を持つ当事者(リードユーザー)と共に課題を発見し、新しい製品やサービスのアイデアを共創するリサーチ支援を行っています。
ご相談・お問い合わせフォーム: [https://culumu.com/service/research]
2. インクルーシブなWebサイト制作・デザイン支援について
多様なユーザーにとって使いやすく、ブランドの想いが正しく伝わるWebサイトやデジタルプロダクトの制作・UI/UXデザインを行っています。
ご相談・お問い合わせフォーム: [https://culumu.com/service/digital]
■参考情報:早期化・多様化する「ラン活」と、深刻化する「ランドセル症候群」
近年、ランドセル選び(ラン活)の開始時期は早期化しており、入学1年前の4月頃から本格的な検討がスタートし、平均購入価格も高騰化しています(※1)。
また、小学生の重い通学荷物が心身に不調をきたす「ランドセル症候群」が深刻な社会課題となっており、フットマークはこの課題に対し、専門家らと共に定点観測調査を行うなど継続的な啓発活動に取り組んできました。
同社が発表した「2025年版/小学校の荷物重い問題 最新レポート」(※2)によると、教科書を入れたランドセルの平均重量は初めて4kgを下回る3.94kgに減少しました。しかし、依然として小学1〜3年生の90.4%が「通学時にランドセルが重い」と感じており、90.7%の児童がランドセル以外のカバンも持ち運ぶ「2個持ち」が常態化しています。
さらに、入学後に「カバン自体が重い」などの理由で買い替えを検討した親は過去最多の9.2%にのぼり(調査開始の2021年比で約3倍に増加)、布製ランドセルの存在を認知している親も64.6%に拡大するなど、通学カバンにおける選択肢の多様化が急速に進んでいます。『ぴったセル』は、特定の仕様に対する使いづらさだけでなく、こうした社会課題にも悩む多様な子どもたちとご家族へ向けた、新たな通学カバンの選択肢となるものです。
(※1)出典:一般社団法人 日本鞄協会 ランドセル工業会「ランドセル購入に関する調査」
https://www.randoseru.gr.jp/graph/
(※2)出典:フットマーク株式会社「2025年版/小学校の荷物重い問題 最新レポート」
https://www.footmark.co.jp/news/news-1214375/
■インクルーシブデザインスタジオ CULUMU について

インクルーシブデザインスタジオCULUMUは、高齢者や障がい者、外国人など、多様な当事者と共創し、事業開発を支援する専門家集団です。最大の特徴は、5,000以上の非営利団体とのネットワークを活かした独自の調査パネルです。これまでリーチが困難だった人々とのマッチングや定性調査を可能にし、その仕組みは「当事者と近い距離で開発を支援する」と高く評価され、2024年度グッドデザイン賞を受賞しました。大手企業からスタートアップまで100件以上の取引実績があり、NPOや研究機関などのパートナーと共に、社会課題解決やDE&Iを推進するプロジェクトを多数手掛けています。
株式会社 STYZ 概要
「民間から多種多様な社会保障を行き渡らせる」をミッションに掲げ、STYZは3つの事業があります。非営利セクターを中心に新しく資金流入を促す『ドネーションプラットフォーム事業』、企業課題と社会課題の解決を共に目指す『インクルーシブデザイン事業』。そして、次世代的なテクノロジーで人間ならではの体験を創造する『テクノロジー事業』になります。3つの事業を通じて、企業(ビジネスセクター)・行政(パブリックセクター)、NPO(ソーシャルセクター)、個人との媒介となり、社会の課題解決の促進を行います。

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社名 |
株式会社STYZ |
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代表者 |
代表取締役社長 田中 辰也 |
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資本金 |
5,725,000円 |
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売上高 |
非公開 |
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設立 |
2016年3月 |
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従業員数 |
60名(業務委託含む) |
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HP |
コーポレートサイト(https://styz.io/) ドネーションプラットフォーム事業(https://syncable.biz/) インクルーシブデザイン事業(https://culumu.com/) テクノロジー事業(https://styz.io/tech) |
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所在地 |
〒151-0051 東京都渋谷区千駄ヶ谷3-59-4 クエストコート原宿102 |
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