「いつか、この日曜日がなくなりますように」北海道・余市町のビーチクリーンが掲げるゴール

ごみ拾いのあとは、町の飲食店でランチ交流会|machiDAO×ヨコノリタウン「クリーンアドプロジェクト」2026年シーズンの記録

株式会社あるやうむ

NFTによる地方創生を推進する株式会社あるやうむ(本社:札幌市、代表取締役:畠中博晶)の地域おこし協力隊DAOソリューションのもと、北海道余市町の地域おこし協力隊・西川 浩子(にしかわ ひろこ)さんがDAOマネージャーを務める「machiDAO」は、2026年7月5日(日)、海岸清掃イベント「ビーチクリーン」の第3回を開催しました。

この活動が目指しているのは、いつかごみ拾いという活動そのものが、世の中から必要なくなること。毎月第一日曜日に海へ集まるこの日が、来なくてよくなる未来です。

とはいえ、現場はいたって軽やか。参加費も清掃道具もいらず、清掃のあとは町の飲食店でランチ交流会が待っています。3年目を迎えた活動の仕組みと、2026年シーズンの記録をお伝えします。

「クリーンアドプロジェクト」とは。ごみ拾いに“経済の循環”を組み込む

現在このビーチクリーンを運営しているのが「クリーンアドプロジェクト」です。余市町のデジタルコミュニティ「machiDAO」と、横乗りスポーツの情報を発信するメディア「ヨコノリタウン」による共創プロジェクトとして立ち上がりました。

もともとmachiDAOが月例で続けていたビーチクリーンがベースにあり、そこへ「経済の循環」を生む仕組みを組み込んで進化させたのがクリーンアドプロジェクトです。海をきれいにするだけで終わらせず、清掃を起点に地域内でお金と人が動く。その循環そのものが、活動を続けるための命綱になるという考え方が根底にあります。

プロジェクト名にある「アド」には、2つの意味が込められています。

  • Adventure(冒険):冒険をするように、ごみ拾いそのものが楽しくなること

  • Advance(前進):ごみ拾いが特別なことではなく、気軽な日常の行動になっていくこと

掲げられているコンセプトは「ちょっとづつ変わる飽きないビーチクリーン」。毎回、清掃する海岸も、その後に訪れる飲食店も変わります。同じことの繰り返しにしないという設計が、リピーターを飽きさせない仕掛けになっています。

冒頭でも触れたとおり、活動が目指す先は明快です。プロジェクトが掲げているのは、いつかごみ拾いという活動そのものが世の中から必要なくなること。ごみを拾うことではなく、拾わなくてよくなることがゴールに据えられているわけです。

2026年シーズンの開催スタイル

  • 開催期間:5月〜10月(毎月第一日曜日の午前中)

  • 場所:余市町内の海岸(回ごとに変更)

  • 参加費:無料

  • 定員:清掃は定員なし/ランチ交流会のみ定員10名

  • 持ち物:動きやすい服装、サンダル、着替えやタオル(清掃道具は不要

  • 送迎:あり(小樽駅・余市駅、および両駅間のバス停でピックアップ)

  • 申込:machiDAOのX・Discordなどで告知される参加フォームから

初心者もお子さん連れも歓迎という間口の広さに加え、駅からの送迎まで用意されている点が、この活動の特徴といえます。

始まりは「海が身近な町なのに、漂着ごみが多い」という気づき

余市町で暮らすなかで、西川さんが感じていたのは、海の近さと、その海に流れ着くごみの多さのギャップでした。

「余市は海がとても身近な町ですが、漂着ごみが思った以上に多いことを知り、『まずは自分たちが行動しよう』と思ったのがきっかけです」(西川さん)

ここで大事にされたのが、活動の“設計”です。ごみ拾いだけを目的にすると、参加は義務感に近づき、続きにくくなる。そこで西川さんたちは、地域の人と観光客が交流できるイベントとして継続することを最初から狙いに据え、machiDAOの活動のひとつとして立ち上げました。

予算1万円を参加者で山分け。ランチ交流会が成り立つ仕組み

このイベントを語るうえで欠かせないのが、清掃後のランチ交流会です。そして、その原資を支えているのが助成のスキームでした。

今年の活動資金は「北海道e-水プロジェクト」の助成を受けています。これは北海道コカ・コーラボトリング株式会社、北海道、公益財団法人北海道環境財団の三者が協働する取り組みで、「い・ろ・は・す 北海道の天然水」の売上の一部が寄付される仕組みです。

その助成金が、参加者のランチ代補助という形で還元されます。特徴的なのが配分方法です。

  • 1回あたりのイベント予算は10,000円

  • その予算を、ランチ交流会の参加人数で山分けして飲食代を補助する

  • つまり参加人数が少ないほど、一人あたりの補助額は大きくなる

  • 実際に、補助額が食事代を上回り自己負担ゼロになった回もある

飲食店での支払いは各自が行い、そこに補助が乗る形です。海岸をきれいにするだけでなく、その足で町のお店にお金を落とす。環境活動と地域経済が、ひとつのイベントのなかで同時に回る設計になっているわけです。

会場となるのは、毎回異なる余市町内の飲食店。穴場や新しい店も含めて選ばれており、町外から来た参加者にとっては余市の食を知るきっかけにもなっています。西川さんによれば、店選びには参加者の声も反映されているそうです。

「余市の飲食店を利用することで地域活性化にも貢献しており、地域の魅力を味わいながら、参加者同士が自然に交流できる時間になっています」(西川さん)

2026年シーズンの記録。フゴッペ、浜中・モイレ、そしてイエローハット裏へ

2026年シーズンは5月にスタートし、7月までに3回を数えました。

第1回:2026年5月3日(日)/フゴッペ海水浴場

参加者9名。天候に恵まれ、ごみの量は例年より少なめで、広い範囲を歩きながらの清掃となりました。参加したのは余市町内の家族連れに加え、札幌や江別から足を運んだ方々。地域おこし協力隊のメンバーも交じり、普段は聞けない話が飛び交う時間になったといいます。交流会は、ちょうど開催されていた余市川桜まつりの会場(道の駅スペース・アップルよいち)で実施されました。

第2回:2026年6月7日(日)/浜中・モイレ海水浴場

参加者7名。第1回とは打って変わってごみの量が多く、ブイや網といった漁具など、落ちているものの種類も違っていました。シーグラスが豊富に見つかる海岸としても知られる場所です。交流会は「長谷川成吉思汗 余市店」で開催。焼き野菜やノンアルコールビールも注文して、一人あたり800円ほどで食事ができました。なお、交流会に定員を設けるようになったのはこの回からです。

第3回:2026年7月5日(日)/イエローハット裏ビーチ

参加者7名。詳細は次の章で紹介します。

参加人数は7〜9名という規模ですが、そのぶん一人ひとりの顔が見える。大人数の動員を追わないからこそ、毎回きちんと会話が生まれるというのが、この活動のスタイルです。

第3回は「今年一番のごみの量」 集合時間を忘れるほど夢中に

2026年7月5日(日)、第3回の舞台となったのは、イエローハット裏ビーチ。最高気温27℃という夏日での開催となりました。

当日は10時に集合してビーチクリーンを開始し、11時30分から町内の飲食店へ移動してランチ交流会、13時頃に現地解散というスケジュールです。参加者は7名でした。

この回で集まったごみは、2026年シーズンで最も多い量に。一方で、現地にいたジェットスキー関係者からは「例年よりごみが少ない」という声も聞かれ、日常的に海を使う人の目線が入ることで、活動の手応えを別の角度から確かめる機会にもなりました。

そして印象的だったのが、参加者の“熱中ぶり”です。

「前回7月の海岸は特にゴミが多くエリアも広かったため、各々夢中になって遠くまで拾いに行って集合時間を忘れてしまった感じでした」(西川さん)

ごみ拾いは地味な作業に思われがちですが、実際に体験した人からは違う声が返ってきます。

「ごみ拾いには開始前と、開始後きれいになった後の独特の達成感や一体感もあり、ハマるという声も聞かれています」(西川さん)

始まる前と終わったあとで、目の前の景色が明確に変わる。この分かりやすさが達成感につながり、一緒に手を動かした人同士の一体感を生む。リピーターが増えている理由のひとつは、ここにありそうです。

清掃後の交流会にも、ちょっとしたハプニングがありました。当初予定していたお店が満員だったため、急きょ地元の方のおすすめで別の店へ変更。訪れたのは「手打ち蕎麦 鶴」でした。この回の補助額は一人あたり1,429円となり、参加者の自己負担はゼロ。テーブルでは、町の近況やグルメ情報が次々と交換されたといいます。

ランチ会だけ、あえて「定員10名」にしている理由

清掃そのものに定員はありません。一方で、ランチ交流会は定員10名に絞られています。人数を制限すればお断りする人が出てしまうにもかかわらず、あえてそうしている理由がありました。

「ランチ会はあえて定員制にすることで、違った職業の方同士がお互いに顔見知りになれる時間があり、次回の内容についてみんなで相談して決めています」(西川さん)

大人数の懇親会では、結局は隣の席の人としか話せずに終わることが少なくありません。10名という規模なら、全員の顔と名前が一致し、職業も背景も違う人同士が一度は言葉を交わせる。しかもその場で「次はどうする?」を全員で決めるため、参加者は“お客さん”ではなく運営側の一員になっていきます。

継続の秘訣は、清掃の後の1時間半にあるのかもしれません。

参加者は20代から70代まで。小樽・札幌からも

参加しているのは、余市町内の方だけではありません。

「余市町内の方をはじめ、小樽や札幌など町外から参加される方もいます。20代から70代まで幅広い年代の方が参加しており、お一人で参加される方も多いです。リピーターも少しずつ増えています」(西川さん)

参加者の傾向

  • 余市町内の住民に加え、小樽・札幌・江別など町外からの参加も多い

  • 年代は20代〜70代と幅広い

  • おひとりでの参加が多い

  • 家族連れの参加もあり

  • リピーターが少しずつ増加中

送迎があること、清掃道具を持参しなくてよいこと、参加費が無料であること。「行ってみようかな」と思った人が、ためらう理由をひとつずつ取り除いてあるからこそ、町外からも一人でも足を運びやすい場になっているといえるでしょう。

続けるなかで見えてきたこと

回を重ねるにつれ、参加者の間には、ごみを拾う以上の時間が生まれているといいます。第1回と第2回で落ちているものの種類がまったく違ったように、海岸ごとに現れる課題は同じではありません。

「エリアによって様々なごみも落ちているので、環境について毎回考えさせられます。少なくとも持ってきたものを持ち帰るだけでも違いはあるのにね、とビーチクリーンイベントの時は割と真剣に考えたり話し合います」(西川さん)

気づきを一人で抱えるのではなく、その場にいる誰かと共有できる。それがこの活動のもうひとつの価値です。

「そういった時間が共有できることは貴重だと思うのと、参加した方がビーチクリーン活動や交流会をお土産話として持ち帰ってもらうのも活動の意義になっていると思います」(西川さん)

参加者が持ち帰るのは、達成感と、誰かに話したくなるエピソード。それが次の参加者を連れてくる循環になっている点も、この活動が3年続いてきた理由のひとつでしょう。

次回は8月1日(土)、白岩海岸で第4回を開催

第4回は、通常の第一日曜日ではなく8月1日(土)の開催となります。

第4回 ビーチクリーン・ランチ交流会 開催概要

  • 日時:2026年8月1日(土)10:00〜13:00頃

  • 清掃場所:白岩海岸(目印は「えびす岩と大黒岩」)

  • 駐車場:あり(台数制限あり)

  • 送迎:あり(小樽駅・余市駅、および両駅間のバス停でピックアップ)

  • 持ち物:動きやすい服装/サンダル/汚れた場合の着替えやタオル(清掃道具は不要)

  • 参加費:無料(ランチ交流会には飲食代の補助あり)

  • ランチ交流会:余市町内の飲食店/定員10名

  • 申込フォーム:https://forms.gle/ripDYyidsNf3xefh8

※定員に達し次第、締め切りとなります。

※ごみの量によっては、前回のイエローハット裏ビーチに変更となる可能性があります。清掃場所の確定は、申込者へ個別にメールで案内されます。

当日のタイムスケジュール

  • 10:00〜 集合・ビーチクリーン開始

  • 11:30〜 余市町内の飲食店へ移動、ランチ交流会

  • 13:00頃 現地解散

今回の舞台となる白岩海岸は、machiDAOのSUPツアーの会場にもなった場所。自然がつくったモニュメント「えびす岩と大黒岩」があり、砂浜とはまた違う日本海らしい岸壁の景色と、青く透き通った海を望めます。

なお当日は、ビーチクリーンの前、朝7時頃から白岩海岸で西川さんとmachiDAOメンバーが釣りをしている予定とのこと。興味のある方は、朝釣りから合流することもできます。

このビーチクリーンは10月まで毎月第一日曜日に開催予定。8月1日に都合がつかない方も、9月・10月の回で気軽に参加できます。各回の開催案内は、machiDAOの公式XやDiscordで告知されます。

▼ クリーンアドプロジェクト 概要紹介

https://yokonoritown.com/introduction-of-cleanadproject/

西川さんからのメッセージ

最後に、これから参加を考えている方へ。

「一人では気後れしてしまう地域のごみ拾いなども、イベントに参加することで楽しくできたり、仲間作りができたりするので、一人参加の方や初めての方もぜひ気軽に参加してもらいたいです」(西川さん)

海をきれいにして、おいしいごはんを食べて、知らなかった誰かと知り合って帰る。ビーチクリーンという入口は、想像よりずっと軽やかです

地域おこし協力隊/machiDAO DAOマネージャー 西川 浩子さん プロフィール

西川 浩子(にしかわ ひろこ)。北海道余市町の地域おこし協力隊として、2025年4月から活動。任期は2027年3月までを予定している。2024年4月に発足した余市町のデジタルコミュニティ「machiDAO」ではDAOマネージャーを務め、AI活用講座やデジタル支援、ワークショップの開催などを通じて、人と人がつながる場づくりと地域の魅力発信に取り組む。海岸清掃イベント「ビーチクリーン」は、machiDAOの活動のひとつとして継続開催しており、今年で3年目・延べ100名以上が参加している。

machiDAOはこちら▼

https://discord.com/invite/73fckfdXmB

machiDAO公式X(開催告知はこちら)▼

https://x.com/yoichi_machidao

machiDAOについて

2024年4月に発足した、北海道余市町を起点とする地方創生のデジタルコミュニティ。「余市を起点に、さまざまな地方の取り組みや活動を応援し合う」をコンセプトに掲げ、Web3の技術を活用しながら、人とのつながりづくり・新しいサービスの構築・地域内外への発信に取り組む。ビーチクリーンのほか、スマホやAI・NFTに関するワークショップ、SUPツアー、ワイナリーの収穫ボランティアなど活動は多岐にわたる。参加条件はなく、Discordから誰でも参加できる。

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https://lit.link/alywamu-dao

株式会社あるやうむについて

DAOやNFTによる地方創生を推進するため、全国の自治体向けにふるさと納税NFT/観光NFT/地域おこし協力隊DAOソリューションを提供する札幌発のスタートアップ。

地域の魅力をのせたNFTをふるさと納税の返礼品とすることや、地域でDAOを運営することを通じて、新たな財源を創出すると共に、シティプロモーションや関係人口の創出に繋げます。

社名「あるやうむ」はアラビア語で今日を意味する言葉。今日、いますぐチャレンジをしたい自治体・地域の皆様にNFTという先端技術を提供し、応援され続ける地域づくりを支援します。

株式会社あるやうむ 会社情報

会社名  :株式会社あるやうむ
代表者  :畠中 博晶
所在地  :札幌市北区北38条西6丁目2番23 カトラン麻生302号室
設立   :2020年11月18日
資本金  :1億6449万円(準備金含む)
事業内容 :NFTを活用した地方創生コンサルティング・開発
URL :https://alyawmu.com/
Twitter :https://twitter.com/alyawmu/
Voicy : https://voicy.jp/channel/3545

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会社概要

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業種
情報通信
本社所在地
北海道札幌市北区北38条西6丁目 2番23 カトラン麻生 302号室
電話番号
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代表者名
畠中博晶
上場
未上場
資本金
1億6449万円
設立
2020年11月