TPP:日本政府は医薬品の流通・普及とイノベーションを妨げる条項の拒否を!

日本の国会で、環太平洋パートナーシップ(TPP)協定に関する審議が進められている。国境なき医師団(MSF)は国会議員に対し、医薬品を高価格帯に据え置くことにつながる有害な条項を削除しない限り、TPP協定の締結を拒否するように呼びかける。
当該条項は医薬品の入手に関する協定としては最悪であり、世界中の患者と医療従事者が、薬価高騰に直面する恐れがある。薬剤耐性を始めとした公衆衛生上の優先事項は、公衆衛生ニーズ主導で創設されるインセンティブを緊急に必要としているのだが、TPPにはそのような制度創設は含まれていない。
 
TPP協定がこのまま承認・施行されれば、製薬会社による独占が強化され、命をつなぐ薬が手に入りづらくなる。薬価の引き下げにつながるジェネリック薬(後発医薬品)の流通を妨げたり、遅らせたりする内容だからだ。

また、TPPは公衆衛生面のセーフガードを取り除き、日本を含むTPP協定の締結国に対し、製薬会社による知的財産権の乱用を受け入れる形での国内法改正を強いることになる。その結果、一般の消費者、政府、医療従事者にとって手ごろな価格で医薬品を利用することが難しくなる。

TPP協定の交渉は5年以上にわたって非公開で行われた末、2016年2月、12ヵ国(日本、米国、オーストラリア、ブルネイ、カナダ、チリ、マレーシア、メキシコ、ニュージーランド、ペルー、シンガポール、ベトナム)がこれに署名した。その間、第三者が内容を精査する機会は設けられなかった。これから署名することも可能とされており、TPP協定は将来の貿易協定のあり方を示す青写真と位置づけられている。

 MSFは、国際公衆衛生のリーダー格である日本政府に対し、TPPが環太平洋地域で患者に及ぼす影響を重視し、域内の公衆衛生推進への取り組みに従って行動するよう求める。
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