生成AIの自社開発進むも、費用対効果が高い企業は2割未満AIエージェントによる部門のコア業務の効率化が鍵
~ 生成AI導入・活用に関して日本大手企業410名への調査を実施見えてきた自社開発の課題とSaaSツール活用のポイント 〜
株式会社エクサウィザーズのグループ会社である株式会社Exa Enterprise AI(東京都港区、代表取締役:大植 択真、以下Exa Enterprise AI)は、創業30年以上かつ従業員数300人以上の企業(以下日本の大手企業)へ「日本の伝統的大手企業におけるAIの自社開発やツール導入・活用調査」を実施し、410名から回答を得ました。その結果、自社開発に平均3,165万円が投じられる一方で、高い費用対効果(ROI)を達成できているのは2割未満という結果となりました。また、AIエージェントを含めた生成AI SaaSツールをより活用するためには、各部門のコア業務に早期に導入していくことがポイントであることが見えてきました。
調査レポートは、以下のURLよりダウンロードできます。
https://event.exawizards.com/misc/2025039

☑本調査結果のポイント
〈自社開発の課題〉
生成AIの導入投資額は平均3,165万円が投じられる一方で、高いROIを達成できているのは2割未満(17.6%)にとどまっており十分な成果が出ているとは言い難い。その要因は以下3つであることが分かった。
① 7割が実用化に至らなかったものがあったと回答し、その後再開発に挑戦したのは 2割と、開発の難易度が高いために開発失敗がAI活用機運の失速を招いてしまう
② 3割は1年以上アップデートしておらず、システムが陳腐化してしまう
③ 6割以上がプロンプト共有の仕組みがなく、利用促進の仕組みが作れていない
〈SaaSツールの活用〉
年間の支払い費用総額は平均1,445万円と低いものの、活用しきれていないという結果となった。高ROIを実現できている企業と比較すると、活用促進のための以下4つのポイントが見えてきた。
① 導入検討期間が長い
② 運用ルール・体制整備に時間をかけている
③ 生成AIツールの導入件数が少ない
④ 活用している業務は文章要約などが中心で、社内問合せ対応や各部門のコア業務となるような企画開発業務への導入が少ない
☑本調査の概要
・調査概要:日本の伝統的大手企業におけるAIの自社開発やツール導入・活用調査
・調査方法:インターネット調査
・調査期間:2025年5月8日~5月10日
・有効回答:創業30年以上かつ従業員数300人以上の企業に所属する410名の会社員
☑︎自社開発における生成AIの導入・活用状況
(1)投資額や投資効果

生成AIを自社開発している日本の大手企業は平均3,165万円を投資していました。一方で、高いROI(300%以上)を達成できているのは2割(17.6%)にとどまりました。

要因①
自社開発のうち、実用化に至らなかったものがあるとの回答が7割に達し、その後に再開発した企業は2割にとどまる結果となりました。開発の難易度が高く、実用化に至らないとAI活用の機運を失速させてしまっている現状が浮き彫りとなりました。

要因②
また、常時追加改修が困難な企業は5割以上、開発後に約3割が1年以上アップデートしていないという結果となりました。生成AIの自社開発において多額の投資をした一方で、急激な環境変化に対応できず開発後のシステムが陳腐化してしまっている大手企業も多く見られました。

要因③
自社開発において、成果がでたプロンプトを共有する仕組みがない会社は6割以上となりました。また、社内利用対象者全体のWAUの平均は33.2%で、WAUを把握していないという企業も3割となりました。平均WAUが40%を超えている当社の「exaBase 生成AI*1」は、カスタムテンプレートなどのナレッジ共有の仕組みを持っています。今回の超結果と比べると高くなっており、利用促進の仕組みが作れていない様子が見えてきました。
☑︎生成AI SaaSの導入・活用状況
(1)投資額や投資効果

生成AI SaaSを導入している日本の大手企業の年間支払費用の総額は平均1,445万円となり、自社開発の半分以下という結果となりました。また、高いROI(300%以上)を達成できているのは16.6%にとどまりました。


ポイント①、②
導入に要した時間は平均6.1ヶ月で、高いROIを達成している企業のみで集計した場合は平均5.3ヶ月と0.8ヶ月短いという結果となりました。また、時間を要した手続きは情報セキュリティの対応や社内体制整備となりました。高いROIを達成している企業のみで見ると、「製品比較・検証」の割合が多くなりました。
(2)業務への導入状況


ポイント③、④
生成AI SaaSの導入数は平均5.5件、高いROIを達成している企業のみで集計した場合は平均7.9件となりました。
生成AI SaaSを導入している企業に、どのような業務に活用しているか質問したところ、社内問い合わせ対応が6割、企画・開発等業務が4割となりました。また、高ROI達成企業では、これらの業務に導入している例が多いという結果となりました。
☑︎調査結果を踏まえたコメント
Exa Enterprise AI 代表取締役 大植 択真
本調査から、日本の大手企業において生成AIの自社開発で十分な成果がでていない現状が浮き彫りとなりました。また、SaaSツールは導入コストが低いものの、十分に活用できていないといった実態が見えてきました。
当社はこれらの課題を解決し、企業が自らAIエージェントを作り、使いこなし生産性を上げられる世界にしていきたいと考えています。そのための施策は2つあります。
1つ目は、法人向けのセキュリティ・ガバナンス対策がされたSaaSツールを早期に導入することです。2つ目は、企業の競争力強化に繋がるような重要な業務に活用していき、WAUなど見ながら改善を行うというPDCAを回していくことです。これらに取り組むことにより、生成AI技術が加速度的に進化し、AIエージェント実用化も始まりつつある現在において、日本の大企業が生成AI導入効果を最大化できると考えています。
当社は、日本企業におけるAI活用をさらに活性化させるためのAIエージェントサービスを、今後も提供してまいります。
☑︎エクサウィザーズグループのAIエージェント戦略について
2025年6月4日に、当社グループのAIエージェント戦略および新サービスに関する記者発表会を実施しました。そのダイジェスト版を以下URLにて本日17時以降に公開予定です。
URL:https://exawizards.com/archives/30231/
* 1 exaBase 生成AIは国内市場シェア1位を獲得し、2025年3月末時点で8万以上のユーザーに利用いただいています。
出典:デロイト トーマツ ミック経済研究所「法人向け生成AI導入ソリューションサービス市場動向 2024年度版」、2024年8月13日付プレスリリース:「exaBase 生成AI」が 「法⼈向け⽣成AI導⼊ソリューションサービス市場動向 2024年度版」 において市場シェア1位を獲得
【Exa Enterprise AI 会社概要】
会社名 :株式会社Exa Enterprise AI
所在地 :東京都港区芝浦4丁目2−8 住友不動産三田ファーストビル5階
設立 :2023年10月
代表者 :代表取締役 大植 択真
事業内容:生成AI等のテクノロジーを利活用したプロダクト・サービス等の企画・開発・販売による企業の業務改革、生産性向上
URL :https://exawizards.com/eai/
【エクサウィザーズ 会社概要】
会社名 :株式会社エクサウィザーズ(証券コード4259)
所在地 :東京都港区芝浦4丁目2−8 住友不動産三田ファーストビル5階
設立 :2016年2月
代表者 :代表取締役社長CEO 春田 真
事業内容:AIを利活用したサービス開発による産業革新と社会課題の解決
URL:https://exawizards.com/
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像
- 種類
- 調査レポート
- ビジネスカテゴリ
- システム・Webサイト・アプリ開発アプリケーション・セキュリティ
- ダウンロード