テラドローン、ビズステーションと販売協力に関する業務契約を締結
高精度ハンディSLAM「Terra SLAM RTK」とDroggerブランドのGNSS測量機「RZX.D」の連携により、絶対精度3cm以内(※1)の点群取得を実現
Terra Drone株式会社(本社:東京都渋谷区、代表:徳重 徹、以下 テラドローン)は、このたびGNSS測量機器ブランド「Drogger」などを展開するビズステーション株式会社(本社:長野県松本市、代表取締役社長:矢口 尚、以下 ビズステーション)と、販売協力に関する業務契約を締結しました。本契約に基づき、2025年6月16日から、テラドローンの高精度ハンディSLAM「Terra SLAM RTK」とビズステーションのGNSS測量機「RZX.D」のセット販売を開始いたします。「RZX.D」をローカル基準局として用いることで「Terra SLAM RTK」で取得できる点群データの絶対精度(※2)は、ネットワーク型RTK使用時の5cm以内から3cm以内へと向上し、より高精度な計測が可能となります。
※1 環境により1cm以内の実現も可能
※2 絶対精度:地球上の座標系に対して、どれだけ正しい位置に点群が存在しているかを表す

背景
テラドローンが提供する「Terra SLAM RTK(※3)」は、軽量でコンパクトな本体ながら、相対精度1cm以内(※4)の高精度な三次元点群データを手軽に取得できるハンディSLAMです。平面図作成・ICTへの活用など、屋内外問わず多様な現場で活用されています。
「Terra SLAM RTK」は従来、GNSSなど衛星測位情報の補正にネットワーク型RTK(※5)を利用しており、絶対精度5cm以内を実現してきました。ネットワーク型RTKはGNSS測量機の現地設置が不要なため利便性に優れる一方で、通信環境によってはGNSS補正データの受信が不安定になったり、距離による補正誤差が生じることがあります。
こうした背景を踏まえ、テラドローンは、ビズステーションが展開するDroggerブランドのGNSS測量機「RZX.D」と「Terra SLAM RTK」のセット販売を開始いたしました。
「RZX.D」は、単体でNtripサーバとして動作できることに加え、ビズステーションが提供する中継サーバー「Drogger Ntrip Caster」を用いることで、「Terra SLAM RTK」の専用タブレットを通じて基準局を構築することができます。そのため、ネットワーク型RTKを使用せずにGNSS補正を行うことが可能となります。さらに、「RZX.D」は、3周波対応で国土地理院の1級GNSS測量機に登録されるほど高い測位精度と信頼性を兼ね備えています(※6)。
「RZX.D」をローカル基準局(※7)として現地に設置することにより、通信環境に左右されない安定した計測の実現に加え、距離による補正誤差を抑えることができます。「RZX.D」をローカル基準局として使用して「Terra SLAM RTK」で計測を行った場合、取得できる点群データの絶対精度が3cm以内に向上することが明らかになっています。
「Terra SLAM RTK」と「RZX.D」を併用することにより、相対精度1cm以内、絶対精度3cm以内という高精度な点群データの取得を実現し、さらなる厳密な出来形管理や構造物検証のような精度要求の高い現場にも対応することが可能となります。
※3 Terra SLAM RTK:詳しくはこちら https://terra-slam-rtk.terra-drone.net/
※4 相対精度:点群データの各点同士の位置関係に関する精度。点群そのものがどれだけ綺麗に取れているかの指標のひとつで、ハンディSLAMのセンサーや姿勢推定の性能に左右される
※5 ネットワーク型RTK:全国に設置された電子基準点を用いたGNSS補正情報を通信回線経由で取得する方式
※6 国土地理院の1級GNSS測量機には、RZS.D(GNSS受信機)とHX-CSX601A(アンテナ)を組み合わせた構成が登録
※7 ローカル基準局:特定のエリア内で高精度な測位のために設置・運用される基準点
Terra SLAM RTKとRZX.Dの併用による3つの特徴
①絶対精度 3cm以内の点群データ取得を実現
RZX.Dを現地に基準局として設置することで、Terra SLAM RTKとの距離がネットワーク型RTK使用時に比べて短くなり、距離に起因する補正誤差を抑えることができます。さらに、RZX.DはSeptentrio社のMosaic-X5チップを搭載した3周波対応のGNSS測量機であり、国土地理院の1級GNSS測量機として登録されるほど高い測位精度を有しています。これにより、Terra SLAM RTK使用時にRZX.Dをローカル基準局として併用することで、絶対精度3cm以内の点群データを取得することができます。
②実質無料のRTK運用環境によるランニングコストの削減
RZX.Dは単体でNtripサーバーとして動作できるため、ネットワーク型RTKサービスの契約が不要です。さらに、基準局の構築を簡易に行える中継サーバー「Drogger Ntrip Caster」が提供されており、追加コスト無しでRTK測位環境を構築できます。
③通信圏外でも後処理で高精度測位が可能
山間部や災害現場など、通信が不安定な環境においても、提供ソフトウェア「Drogger Processor」を用いて後処理による高精度なスタティック測位を行うことで、精度の高い点群データを取得することができます。これにより、通信環境に依存せず、柔軟な現場運用が可能となります。
製品構成
今回販売するセットの一例は下記となります。
-
Terra SLAM RTK(高精度ハンディSLAM)
-
RZX.D(GNSS受信機「RZS.D」とアンテナ「HX-CSX601A」のセット)
※上記は一例です。その他の製品も販売可能ですので、詳細なセット内容や価格についてはお問い合わせください。
製品仕様
<高精度ハンディSLAM:Terra SLAM RTK>

<GNSS測量機:RZX.D>

代表コメント
<テラドローン 取締役兼事業責任者 神取 弘太>
ビズステーションとの今回の取り組みは、測量業務の省力化と高精度化というニーズに応えるものであり、その両立を現場で実現する大きな一歩だと考えています。今後も、実務に根ざした技術の提供を通じて、現場の課題解決に貢献してまいります。
<ビズステーション 代表取締役社長 矢口 尚氏>
当社のGNSS測量機をテラドローンの測量ソリューションに組み入れていただけたことを大変嬉しく思っております。この取り組みがエンドユーザー様にとって有意義なものとなりますよう、ユーザー様のフォローにも力を入れてまいります。Terra SLAM RTK+Droggerにご期待ください。
製品に関するお問い合わせ先
★本件に関するお問い合わせはこちら
https://pdt.terra-drone.net/l/1016432/2025-06-09/53mkj
★その他の製品に関するお問い合わせ
Terra Drone株式会社 ソリューション事業本部事業開発/推進部 担当:勝本
Email:sales-promotion@terra-drone.co.jp
ビズステーション株式会社
ビズステーションは、1994年の設立以来、販売管理システム開発とコンサルティング・サポート業務を主体に提供してきました。「お客様の業務に役立つ道具となる」という使命のもと、先進のセンサー技術とIoT機器をソフトウェア技術と融合させたDroggerシリーズなど、プロフェッショナルの業務に役立つ製品の開発と提供を通じて、測量現場の高精度化・効率化に貢献しています。
詳しくは https://www.bizstation.jp/ja/corporate/
Terra Drone株式会社
Terra Drone株式会社(テラドローン)は、「Unlock “X” Dimensions(異なる次元を融合し、豊かな未来を創造する)」というミッションを掲げ、ドローンの開発及びソリューションを提供しています。また安全かつ効率的なドローンや空飛ぶクルマの運航を実現するための運航管理システム(UTM)の開発・提供にも注力し、幅広い産業に貢献しています。
テラドローンは、測量、点検、農業、運航管理の分野で累計3000件以上の実績を誇っています。また、当社グループを通じて提供されるUTMは、世界10カ国での導入実績があります。こうした成果により、Drone Industry Insightsが発表する『ドローンサービス企業 世界ランキング』で、産業用ドローンサービス企業として2020年以降連続でトップ3にランクインし、2024年は世界1位を獲得しました。
テラドローンは、ドローンや空飛ぶクルマの普及を見据え、低い空域の安全かつ効率的な移動を支える“低空域経済圏のグローバルプラットフォーマー”として社会課題の解決を目指します。
詳しくはhttp://www.terra-drone.net
本件に関する問い合わせ
Terra Drone株式会社
メール: pr@terra-drone.co.jp
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