カムカムおじさんとして多くの日本人に愛されたNHKラジオ英語講座講師・平川唯一さんの評伝『カムカムエヴリバディ平川唯一と「ラジオ英語会話」の時代』が復刻発売

～11月スタートのNHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」。シンガーソングライターのさだまさしさんが演じる、激動期を生きた日本の英語教育の先駆者・平川唯一のカムカム精神に触れてみませんか～

株式会社ＮＨＫ出版

2021年9月2日 10時20分

　2020年4月から、小学校の英語授業が3、4年生は必修化、5、6年生は教科化されました。グローバル社会において、子ども時からの外国語（英語）コミュニケーション能力の向上が必要とされる日本人ーー。第二次世界大戦の終戦から約半年後にスタートした「ラジオ英語会話」、通称「カムカム英語」は、赤ちゃんのように口まねすることを信条に、家庭での日常英会話を紹介することで楽しい英会話講座として多くの日本人に聴取されました。
　このたび、カムカムおじさんとして多くの日本人に親しまれた英語講座講師の平川唯一さんや、番組の誕生から裏話、カムカム精神などについて、息子の平川冽さんが執筆した『カムカムエヴリバディ平川唯一と「ラジオ英語会話」の時代』が復刻発売（NHK出版、9月10日刊）されます。

※本書は、1995年発行の『カムカムエヴリバディ～平川唯一と「カムカム英語」の時代～』（NHK出版）を復刻し、新たに巻末に年譜・年表を加えたものです。文中に出てくる経歴・所属等は執筆当時のものです。

本書帯より

「証城寺の狸囃子（しょうじょうじのたぬきばやし）」のメロディーに歌詞をつけたオープニング・テーマ曲「カムカムエヴリバディ（Come Come Everybody）」がラジオから流れると、日本中の子どもからお年寄りまでが釘付けになり、明るい声に励まされました。15分の講座（番組）は元NHKアナウンサーの平川唯一（ひらかわ・ただいち、1902年～1993年）さんが講師を務めました。
　岡山県の貧しい農家に生まれた平川さんは16歳で渡米、働きながら現地の小学校に通い英語を学びました。その後、ハイスクール、ワシントン州立大学に進学、大学卒業後は、副牧師の免許を取得。また、Joe Hirakawaとしてハリウッド映画にも出演しました。1937 年の帰国後には、NHKの国際課アナウンサーとして7年勤務、終戦の玉音放送の英語を担当しました。1945年にNHKを退職後、1946年2月にスタートしたNHKラジオの英語会話の講師を務めます。従来の文法重視の英語ではなく、口まねの英語遊びから入る生きた英語会話講座は、多くの人に親しまれました。

　本書は、11月からスタートするNHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」に平川唯一役で出演するさだまさしさんの序文から始まる7章立てで、多くの日本人の励ましとなった平川唯一さんや、聴視者からの手紙紹介、外国人ゲスト・コーナーなど、さまざまな工夫を凝らしたラジオ英語講座（番組）について、また、カムカム英語を聞きながら育った教育者、学者、経済人、ジャーナリストといったカムカム・ベイビーズたちの思い出話などを、時代背景を含め紹介します。

　本書を読むことで、英語に対する苦手意識の解消につながるかもしれません。また、昭和・平成・令和の時代にラジオ英語講座とともに歩んだ祖母、母、娘の3世代親子を描く連続テレビ小説を、より楽しめること間違いなしの一冊です。

【著者】
平川冽（ひらかわ・きよし）
昭和16年（1941）、平川唯一の次男として東京・世田谷に生まれる。昭和39年、自由学園最高学部経済学科卒業。同年、ホリー株式会社入社、貿易部に勤務。昭和50年、ホリー商事株式会社を設立、代表取締役となる。慶應義塾外国語学校講師、カムカム英語センター主宰。現在はウクレレの第一人者としてインターナショナルウクレレクラブ主宰。平成20年、ニューヨークのカーネギーホールで日本人として初めてウクレレソロ演奏を行う。ウクレレ教室をはじめ、教則本・CD・DVDなどで普及に努める。