2025年日本の技術系人材の現状レポート公開
日本のIT近代化への道筋:人材不足、AIの課題、アップスキリングという光明

2025年6月16日東京発 — KubeCon + CloudNativeCon Japan — オープンソースを通じて大規模イノベーションを促進する非営利団体 Linux Foundation は本日、最新レポート「2025 State of Tech Talent Japan Report: Trends in Technical Hiring, AI Disruption, and the Skills Gap」を発表しました。英語版と合わせて日本語版「2025年 日本の技術系人材の現状レポート: 技術者採用の動向、AI によるディスラプション、スキルのギャップ」も同時に公開されました。
Linux Foundation Researchによる最近の調査に基づき、この分析は日本の技術系人材市場の現状を明らかにするとともに、熟練した人材の不足という課題に対応するためにはアップスキリングが戦略的優先事項であることを明確に示しています。
詳細な分析については、レポート全文をご覧ください :
-
オリジナル版 (英語): 2025 State of Tech Talent Japan Report: Trends in Technical Hiring, AI Disruption, and the Skills Gap
-
日本語版: 2025年 日本の技術系人材の現状レポート: 技術者採用の動向、AI によるディスラプション、スキルのギャップ
著者 :
-
Marco Gerosa, Ph.D., Northern Arizona University
-
Adrienn Lawson, The Linux Foundation
-
序文 Noriaki Fukuyasu, The Linux Foundation
概要
組織はコンピューティングインフラの近代化を急速に進めており、クラウドの導入が41%増加すると予測される中で、日本はインフラの近代化と技術系人材の確保の両面で、他の地域に著しく遅れをとっています。熟練した専門家の不足が、日本における近代化の最大の障壁として浮上しており、70%以上の企業が主要な技術分野で人員不足に直面していると報告しています。この割合は、他の地域と比較して日本では52%高くなっています。
この課題は、AI関連のスキル領域で特に深刻で、最も一般的なAIスキルでさえ40%未満の企業にしか備わっていない状況が、AIの効果的な導入と拡張に大きな障壁を生み出しています。高度なAI能力の不足は、多くの組織が標準化されたソリューションに限定され、競争優位性を生み出す機会を逃している可能性があることを示唆しています。
AIスキルが備われば労働力の需要は減少するだろうという見方が広まっていますが、この調査では、2026年まで一貫して実質的な雇用の増加が見込まれています。例外として、エントリーレベルのポジションの減少が懸念されており、従来型のキャリア形成の道筋、職業的な成長の機会が妨げられる恐れがあります。
これらの課題に対応するため、組織は主要な人材育成戦略としてアップスキリングにますます注力しており、94%の企業がそれを戦略的に重要と捉えています。アップスキリングは、新たな従業員の採用とオンボーディングにかかる時間と比較して、半分以下の時間で済みます (124%短縮)。従業員の定着において、技術力向上の取り組み (有効性 98%) および研修・資格取得の機会 (有効性 95%) が高い成果を上げていることは、社内人材の育成に戦略的に注力する方向性の正しさを裏付けています。テクノロジーが加速度的に進化する中で、既存の人材を効果的に育成・維持しながら、新たな専門性も戦略的に取り入れられる組織こそが、ますます複雑化する技術シナリオにおいて成功を収める最適な立場に立つでしょう。
インフォグラフィックの主な調査結果
レポートは、日本企業におけるクラウド導入の遅れや人材不足を明らかにする一方で、AIやスキル向上への投資に対する期待と意識の高まりも示しています。
-
日本の組織においてパブリッククラウドで実行されているワークロードはわずか34%であり、これは他の地域を下回っていますが、45%の組織が導入を増やす予定です。
-
日本の組織全体で人材のギャップが存在しており、クラウドのような主要分野では70%以上の組織が人材不足に陥っています。これは他の地域 (47%) と比べて高い水準です。
-
組織の97%が、AIが主要な戦略領域において重要な価値を提供すると見込んでおり、それにより高度なスキルを有する人材の需要が一層高まっています。
-
94%の組織が、アップスキリングを戦略的な優先事項として認識しています。
詳しくはレポート本文をご覧ください。
Linux Foundationについて
Linux Foundationは、オープンソースソフトウェア、オープンハードウェア、オープンスタンダード、オープンデータに関するコラボレーションのための世界有数の拠点です。Linux Foundationのプロジェクトは、Linux、Kubernetes、LF Decentralized Trust、Node.js、ONAP、OpenChain、OpenSSF、PyTorch、RISC-V、SPDX、Zephyrなど、世界のインフラストラクチャにとって重要なものです。Linux Foundationは、ベストプラクティスを活用し、貢献者、ユーザー、ソリューション プロバイダーのニーズに対応し、オープン コラボレーションの持続可能なモデルを構築することに重点を置いています。詳細については linuxfoundation.org をご覧ください。
Linux Foundationはさまざまな登録商標および商標を使用しています。 Linux Foundationの商標の一覧については www.linuxfoundation.org/trademark-usage をご覧ください。Linuxは、Linus Torvaldsの登録商標です。
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像