ベネズエラ大地震から1か月——子どもたちのこころに迫る「見えない地震」

特定非営利活動法人ワールド・ビジョン・ジャパン

ベネズエラ大地震から1か月。死者5,398人、負傷者16,740人、住居を失った人17,907人(7月22日ベネズエラ政府公式発表)ーー目に見える被害の陰で、子どもたちのこころに「もうひとつの地震」が進行しています。世界の子どもを支援する国際NGOワールド・ビジョンは36,720人に支援を届けながら、メンタルヘルス危機と教育の断絶が子どもたちの未来を脅かすと訴えます。

メンタルヘルスのリスク——見えないもうひとつの地震

6月24日にベネズエラ中北部を襲った大地震から1か月が経ちました。目に見える爪痕はいまだ深く残っています。しかし世界の子どもを支援する国際NGOワールド・ビジョンは、もうひとつの「見えない地震」が子どもたちのこころの中で進行していると警鐘を鳴らしています。

地震は、建物だけでなく子どもたちの「安心」を打ち砕きました。余震への恐怖、愛する人の喪失、住み慣れた家からの強制的な退去——こうした体験は、子どもたちに深刻なトラウマをもたらします。幼少期に4つ以上の逆境体験をした人は、自殺念慮を抱く可能性が12倍高く、成人後の心疾患リスクも顕著に上昇するとの研究結果もあります。(出典:Felitti & Anda, American Journal of Preventive Medicine, 1998)

「こうしたメンタルヘルスや心身への深刻なリスクがあるからこそ、ワールド・ビジョンは緊急時に子どものための安全な空間(チャイルド・フレンドリー・スペース、CFS)を最優先に設置しています。子どもたちにとって、感情的な生命線となる場所です。」とワールド・ビジョン ベネズエラの事業責任者のマリベル・プラダは述べています。

「私たちは10年以上にわたりこの地域で『愛情深い子育て(Parenting with Tenderness)』アプローチを実践し、災害がもたらす多くの喪失を子どもと家族が健全に乗り越えられるよう支援してきました」

 

チャイルド・フレンドリー・スペースは、食料・水・衛生用品を配布する避難所や拠点に設置されています。スタッフは心理社会的支援、アート、遊びを通じて、子どもたちが感情を適切に整えられるよう支援しています。

 発災から3週間で36,720人に支援が届いており、そのうち約3分の1が子どもです。

ワールド・ビジョンが運営するチャイルド・フレンドリー・スペース(子どものための安全な居場所)
ワールド・ビジョンが運営するチャイルド・フレンドリー・スペース(子どものための安全な居場所)
遊びの中で笑顔を見せる子どもたち
遊びの中で笑顔を見せる子どもたち

地震以前から傷ついていた子どもたち

今回の地震は、すでに多くのものを失っていた子どもたちを直撃しました。ベネズエラでは長年の経済破綻と政情不安により約790万人が国外へ移住。推計100万人の子どもが、親の不在により親族や隣人に預けられた状態で今回の地震に遭いました。

地震はさらに、400校以上の校舎に損害を与えました。すでに地震の前から、ベネズエラからの移民家庭の子どもの22%は正規の教育を受けられていなかったとベネズエラ難民・移民機関間調整プラットフォーム(R4V)は報告しており、今回の被災により教育格差がさらに広がることが強く懸念されます。

教育の再建が希望への近道

メンタルヘルスを含む子どもたちの回復の道のりは長く、継続的な支援が不可欠です。

地震発生から1か月を迎え、支援活動は、命を守る緊急期から、回復を目指す復興期に移行していきます。新たなフェーズでは、緊急時における教育支援を優先課題として位置づけ、子ども・保護者・養育者・教師を含む学校コミュニティ全体への心理社会的サポート、学用品・制服の提供、学校インフラの修復、仮設教室の設置、子どもの保護活動を展開します。

「教育を受ける権利を回復することは、地震の影響を受けた多くの家族が追い込まれる不法移住や強制移動のリスクを、先手を打って防ぐ最も有効な手段です」と、ワールド・ビジョン ラテンアメリカ・カリブ海地域 対外連携担当ディレクターのミシェル・ミッチェルは述べています。

「隣国に対しては、正規の移住ルートと庇護申請へのアクセスを開き続け、ベネズエラの子どもたちが受入れコミュニティの子どもたちと同等の条件で教育・保護・心理社会的支援を受けられるよう保障することを求めます」

ベネズエラの学校は7月に年度末を迎えており、今後の復興における教育環境の再建は急務です

ワールド・ビジョンは、インフラの復旧にとどまらず、緊急時における子どもの学びを継続的に保障するための国内対応能力の強化を強く訴えます。

ベネズエラ大地震緊急支援募金へのご協力をお願いしています

ワールド・ビジョンは、地域のボランティアや教会組織等と協力し発災から3週間で、36,720人(4,652世帯)に支援を届けました。

地震発生直後からは、食料、水・衛生、一時的な住まいの提供など命を守る人道支援を届けるとともに、子どもたちを守るためにチャイルド・フレンドリー・スペースの運営や心のケアに取り組んできました。

緊急支援物資の配布
支援キットを受け取る子どもたち

支援活動は、命を守る緊急期から、復興支援のフェーズへと進んでいきますが、ワールド・ビジョンは、人々に寄り添い、パートナーと協力し、支援を続けていきます。

子どもの保護や教育支援、安全な水と衛生環境、生計の回復などの長期的な支援が、被災地の復興を支え、子どもたちの未来を守ります。

ベネズエラ緊急援助募金へのご協力をお願いしています。

◆ワールド・ビジョン・ジャパンとは

キリスト教精神に基づき、貧困や紛争、自然災害等により困難な状況で生きる子どもたちのために活動する国際NGO。国連経済社会理事会に公認・登録された、約100カ国で活動するワールド・ビジョンの日本事務所です。

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会社概要

URL
http://www.worldvision.jp/
業種
財団法人・社団法人・宗教法人
本社所在地
東京都中野区本町1-32-2 ハーモニータワー3F
電話番号
03-5334-5350
代表者名
片山信彦
上場
未上場
資本金
-
設立
1987年10月