「政治は大人がやるもの」から「自分たちも当事者」へ――東京政策選手権、決勝進出高校生に聞いた「政治との距離」
「面白そう」で参加した高校生も。政策立案、市民からの投票、行政への提言を経験した高校生へのインタビューから見えた変化

公益社団法人東京青年会議所(所在地:東京都千代田区神田錦町3-1 オームビル新館8F、理事長:外川隆司、以下「東京青年会議所」)政治行政政策室は、第1回「東京政策選手権」の決勝大会に進出した4校の高校生を対象に、事後インタビューを実施しました。
第1回東京政策選手権には、東京都23区の高校から28チームが応募。書類選考、東西の予選大会を経て4チームが決勝大会へ進出し、高校生が考えた政策には一般市民から1,295票が投じられました。
では、実際に政策を考え、市民へ発表し、行政へ届けるという経験をした高校生自身は、政治や社会をどのように捉えたのでしょうか。
決勝進出4校への事後インタビューでは、政治を以前から身近に感じていた高校生だけでなく、「政治は大人がやるもの」「自分から離れた世界」と感じていた高校生や、「面白そう」という理由から参加した高校生もいました。
そして大会後には、「自分たちも当事者の一部」「高校生の声にも社会へ届ける価値がある」という認識の変化だけでなく、学生団体への加入や第2回大会の運営への参加意向など、具体的な次の行動も生まれています。
■「政治は大人がやるもの」。それでも参加した理由は「面白そう」だった
インタビューでまず見えてきたのは、参加前から全員が政治を身近に感じていたわけではないことです。『しばすけぶ』のAさんは、参加前の政治との距離について、次のように話しています。
「大会に参加する前は政治とかそういう社会の問題を解決したり話し合ったりするのは、大人の人がやることで、自分はそこに対してあんまり当事者意識はない感じだったんですけど……」

『ウィステリアーズ』のGさんも、ニュースを見ながら「こうしてほしい」と思うことはあったものの、「ちょっと思うだけで終わってしまうというか、なかなか身近には感じられなかった」と振り返ります。
最優秀賞を受賞した『Cascade』のKさん。政治について、「自分からちょっと離れた世界というか、自分のあまり身近じゃなくて、ちょっと頑張ってる人たちがやってることだったり、それこそ政治家とかがやってるものだなって思っていた」と話しました。
政治についてニュースを見たり、自分なりに思うことはある。
しかし、それを「自分が関わるもの」とまでは捉えていない。
参加前の高校生の言葉からは、政治への関心の有無だけでは捉えきれない、政治との「距離」が見えてきます。
では、なぜ高校生たちは政策コンテストに参加したのでしょうか。インタビューから見えてきた参加の入口は、想像以上にさまざまでした。
以前から政治行政に関心があった生徒もいれば、友人や先生から誘われた生徒、プレゼンテーションに興味があった生徒、第1回大会という新しい挑戦に魅力を感じた生徒もいました。
『しばすけぶ』のAさんは、「今までは全然政治とか政策とか興味なくて。僕たちみんなバスケ部で……単純に面白そうだなって思って、最初にエントリーする時はそういう感情で応募しました」。
『放課後スクランブル』のYさん。社会に対する「モヤモヤ」をこれまで外へ出してこなかったことを参加理由として挙げています。
■自分たちの政策を、大人が本気で聞いてくれた
高校生たちは、自分たちで社会課題を調べ、仲間と議論し、解決策を政策としてまとめ、予選・決勝大会で発表しました。そこで返ってきたのが、市民からの投票や、大人たちからのフィードバックでした。
『ウィステリアーズ』のGさんは、「高校生に対してもすごく熱く返してくれているというか……自分たちの政策に真剣に考えてくれてるんだってすごく思いました」と振り返ります。

そして『Cascade』のKさんは、「自分たちの高校生が喋る政策っていうのを大人が聞きたがってるってのがわかって。自分たちが発信して、それを受け取る準備ができてる人たちがいるんだっていう気持ちになって、自信はつきました」と話しています。
政策の内容だけでなく、「自分たちの意見を聞こうとする人がいる」と知ったことも、高校生にとって大きな経験になりました。
◾️「遠い偉い人」だった政治・行政が、身近な存在に
大会後、受賞チームは実際に東京都や国へ政策を提言しに参りました。こうした経験を経て、高校生の政治・行政に対する捉え方にも変化が生まれています。
『Cascade』のKさんは、「遠い偉い人だったのが、働いている人っていうイメージに変わって……身近にちょっと思いましたね」と話します。
『放課後スクランブル』のKさん。実際にデジタル庁へ政策を持っていき、フィードバックを受けた経験から、「意外と政治は自分の身近で政策も伝えることができるんじゃないか」と感じたといいます。

『しばすけぶ』のUさん。政策を考えることを通じ、「僕たちの身近なところとか、地域の課題とかが直接つながっているんだなっていうのを実感しました」と振り返りました。
政治や行政は、ニュースの向こう側にいる誰かだけのものではない。
自分たちの身近な問題とつながっていて、意見を伝えることのできる相手でもある。
高校生自身の言葉から、そんな距離感の変化が見えてきます。
◾️社会を変えられるかもしれない。でも、簡単ではない
一方で、インタビューから見えたのは、単純な成功体験だけではありませんでした。
高校生たちは政策をつくり、発表し、社会へ届ける過程で、社会を実際に変えることの難しさにも気づいています。
『Cascade』のKさんは「高校生でもしっかりとしたものを作って、然るべきところで発表すれば、社会を変えにいけるんだなと思った」と感じる一方、「高校生でも社会は変えられるかもしれないんですけれど、本当に変えられるか難しい」とも話しました。

『放課後スクランブル』のNさんも、「伝えるという意味で社会を変えるということは可能なのだなと思った」一方で、費用など現実的な側面を考えると、「すぐに変えるっていうことはすごく難しいことなんだな」と実感したといいます。
自分たちの声には価値がある。
しかし、政策を実現するためには、制度や費用、実装、関係者との調整など、さまざまな課題があります。
「声を届けられる」と知ることと、「社会を変えることの難しさ」を知ること。
その両方を経験したことも、東京政策選手権で高校生が得た学びの一つでした。
◾️「政治に興味が出てきた」―大会後に学生団体に加入した高校生も
そして、変化は大会の中だけで終わりませんでした。
ウィステリアーズのGさんは、大会後について、「政治も興味が出てきたので、実際に大きな一歩として、ivoteに入って、実際にもう政治に興味を持ったっていう第一歩を歩みました」と話しています。

さらに、第2回東京政策選手権についても、「2回目から実行委員というか、運営側に携わりたいなと思っていて」と、意欲を示しています。
CascadeのKさんも、「市区町村とかそういうのにも投げるだけでも関われると思って。自分たちが問題だと思ってることを伝えてみる意義はあるんだ、で関わってみたいって思うようになりました」と話しました。
「政治に興味を持った」という意識の変化だけではなく、学生団体への加入、次回大会の運営への参加、行政へ自分の意見を届けることへの関心など、具体的な行動につながった参加者もいました。
◾️「政治の話なんてしなかった」ー高校生の挑戦が、友人との会話にも
東京政策選手権では、出場者自身だけでなく、投票を呼びかける過程で、友人や学校内にも政策について話す機会が生まれました。
『しばすけぶ』のTさんは、「元々はそんな政治の話とかほぼしたことなかったですけど、そういう話をみんなでしたことが、僕たちの中の小さいコミュニティですけど、ちょっと変えることができたのかなって思います」と話しています。

『放課後スクランブル』の周囲では、ホームルームで政策を紹介したり、友人から「これあったらいいじゃん」と政策への反応を受けたりした例も生まれたそうです。
『Cascade』でも、学内で投票を呼びかけたところ、友人が実際に政策を読んで投票し、優勝後には普段あまり接点のない生徒からも祝福されたといいます。
政治について話したことのなかった友人同士が、同世代の政策をきっかけに話す。高校生自身が発信者になることで、政治や社会について考える接点が、その周囲にも生まれていました。
さらに、政策選手権では共催団体のパルテラとivoteの大学生が、高校生たちと伴走しました。彼らへの事後アンケートでは、高校生の主体性や最後までやり遂げる力への評価だけでなく、「今後も続けてほしい」とする意見も寄せられました。

◾️「若者は政治に無関心」なのか――3つの発信を通じて見えてきたこと
私たちは今回、「若者は政治に無関心なのか」という問いから、若者の政治参加について考えてきました。各種調査を見ると、政治への関心を持つ若者がいる一方、政策について対話したり、自分の意見を社会へ届けたりする経験は必ずしも多くありません。
そこで第1回東京政策選手権では、高校生自身が社会課題を調べ、考え、政策として形にし、市民へ発表し、行政へ届ける機会をつくりました。
決勝大会後のアンケートでは、回答した高校生の96.7%が「提言が社会や政治に影響を与える可能性を実感した」と回答しました。そして決勝大会後のインタビューから見えてきたのは、その96.7%という数字の背景にある、一人ひとり異なる変化です。
「政治は大人がやるもの」と考えていた高校生。
「面白そう」という理由で参加した高校生。
社会へのモヤモヤを持ちながら、これまで外へ出したことがなかった高校生。
彼らが政策をつくり、社会から反応を受け、行政へ届ける過程を経験することで、政治や社会との距離を捉え直していました。
もちろん、今回の決勝進出者へのインタビューだけから、若者全体について結論づけることはできません。しかし、今回の参加者の言葉から見えてきたのは、若者の政治参加を「政治に関心があるか、ないか」だけでは捉えきれないということです。
政治に詳しいことだけが、政治参加の入口ではありません。
「面白そう」「やってみたい」「自分の考えを伝えてみたい」。
そうした入口からでも、社会課題について調べ、他者と話し、自分の意見を形にし、社会へ届ける経験へつなげることができます。
東京青年会議所 政治行政政策室では、第1回東京政策選手権で得られた成果と課題、そして参加した高校生・学生団体の声を踏まえ、若者が社会について考え、自らの意見を表明し、次の行動へ踏み出せる機会の継続・発展を目指してまいります。
■事業概要
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事業名称 |
第1回東京政策選手権 決勝大会 |
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開催日時 |
2026年6月22日(月) 18:30開会/20:30閉会 |
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開催場所 |
東京大学 安田講堂 |
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共催 |
● 公益社団法人東京青年会議所 (主管:政治行政政策室) ● 学生団体パルテラ ● 学生団体ivote |
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後援 |
東京都教育委員会 |
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協力 |
● 株式会社スパイラル ● 一般社団法人未来政経研究所 |
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協賛 |
● 奨学金バンク ● 内山瑛会計事務所 ● ジャパンレンタカー株式会社 ● トーヨー不動産株式会社 ● 一般社団法人ヒーローアカデミー ● 会田篤税理士事務所 ● 合同会社SKTC ● 有限会社イワクラ ● 株式会社 尾崎商店 ● 株式会社バイオステラ ● 有限会社上井草ゴルフセンター ● レイズコンサルティング株式会社 ● 株式会社セントラルエステート ● 福田家 ● 三原労務管理事務所 ● 大日印刷株式会社 ● 株式会社MCコーポレーション ● 株式会社キティクラブ ● 株式会社ジャパンコネクション ● 三上瑛康様 ● 有限会社椿建築デザイン研究所 ● 山岡司法書士・行政書士事務所 |
◾️報道関係者の皆様へ
取材をご希望のメディアの皆さまは、各種取材を受け付けています。また、報道・掲載用素材もご用意しております。
運営責任者インタビュー
参加者インタビュー(要相談)
大会映像(配信)の提供
写真素材・ロゴデータの提供
下記までお気軽にお問い合わせください。
■お問い合わせ先
公益社団法人東京青年会議所 政治行政政策室
担当:伊藤彬史 岡崎良和
tjc.seijigyousei.0828@gmail.com
【公益社団法人東京青年会議所 事務局】
住所:〒101-0054
東京都千代田区神田錦町3丁目1 オームビル新館8F
TEL:03-6285-1515
Instagram:https://www.instagram.com/tokyojc_seijigyosei/
主催紹介
私たち公益社団法人東京青年会議所(略称「東京JC」以下本文中では、「東京青年会議所」と呼称)は1949年(昭和24年)、戦争の傷跡が街にも人々の心にも深く残る中、「新日本の再建は青年の仕事である」という志を同じにする青年達によって築き上げられました。
以来、東京青年会議所は「明るい豊かな社会の実現」という理念を掲げ、様々な活動・運動を行ってきました。また東京青年会議所は、人種、国籍、性別、職業および宗教の別なく、自由な個々の意志により入会したメンバーで構成されています。
日本の青年会議所は活動の基本を「個人の修練」、「社会への奉仕」、「世界との友情」におき、会員相互の啓発と交流をはかり、公共心を養いながら地域との協働により社会の発展に貢献するために活動し、社会的課題に積極的に取り組んでいます。
青年会議所におけるさまざまな実践トレーニングを経験した活動分野は幅広く、40歳をむかえ卒業した卒業生を含め、地域のリーダーとして活躍するばかりではなく、政財界へも多くの人材を輩出しています。
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