母の恋人による「性的虐待」の深い傷と再生を描く衝撃実話――告白本『10歳で私は穢された』が発売
著者は橋本なずなさん、23歳。手記を基に構成されたノンフィクション
ジャニーズの元所属タレントが10代で受けたとされる性被害が社会問題となるなか、衝撃的なノンフィクション『10歳で私は穢された』が刊行された。著者は橋本なずなさん、23歳。手記を基に構成された実話である。
9歳の誕生日目前に、父のDVで両親が離婚。1年半後、最愛の母は地元の卓球サークルで出会った「おじさん」と交際し始めた。兄は母方の祖母の元へ出奔。ショックで「死にたい」と泣き崩れる母の姿に、なずなさんは呆然とする――ママがいなくなったら、ひとりぽっちになってしまう!!
おじさんは、そんな寄る辺なさを見透かすように近づいてきた。美味しいケーキを買ってきてくれたり、ゲームで遊んでくれたり。だがこれは、子供への性的加害をたくらむ大人による「グルーミング」、つまり典型的な手なずけ行為だった。
年末のある夜。母の入浴中、おじさんは、共にこたつに当たっていたなずなさんに襲いかかる。エスカレートしていく苛烈な性的虐待の光景は、細部まで生々しい。しかし、10歳の彼女は耐え抜いた。「ママのためや。私が黙っていれば、すべてがうまくいくんや」と心に言い聞かせながら。
「今回出版の機会を得て、長年封印していた忌まわしい記憶をすべて明かすことにしました。吐き気にえずき、泣きながら、それでも書きました」と打ち明けるなずなさん。男が吸っていたタバコ・メビウスのにおいがすると、今でもフラッシュバックに苦しむという。
1年近く続いた性的虐待は母とおじさんの破局で終わりを告げたが、身心に与えたダメージの影響は、むしろそこからが本番だった。10代後半にしてセックス依存や精神疾患の発症、二度の自殺未遂。さらに、愛してやまない母への殺意に発展していく。だが、彼女は折れなかった。自尊心を破壊されてもなお、起業にまい進することで誇りを取り戻した今、「私の心と体は、私だけのもの。あなたも私もここにいて、笑っていていいんです」と訴える。
実態はもっと深刻だと言われる未成年の性被害。ぜひ、勇気ある告白を通して理解を深めてほしい。今こそ必読である。
書誌情報
書名 10歳で私は穢された
著者 橋本なずな
発売 双葉社
発売日 2023.6.21
定価 1760円(税込)
判型 四六判
ISBN 9784575318029
https://www.futabasha.co.jp/book/97845753180290000000
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