明日より開幕!アール・ブリュット2022巡回展「かわるかたち」

明日7月16日(土)より、アール・ブリュット2022巡回展「かわるかたち」がスタートいたします。

 

 

「かわるかたち」会場風景 撮影:ただ(ゆかい)「かわるかたち」会場風景 撮影:ただ(ゆかい)

「かわるかたち」会場風景 撮影:ただ(ゆかい)「かわるかたち」会場風景 撮影:ただ(ゆかい)

都内3か所を巡回する本展では、「かたち」をキーワードに、国内外で活躍の場を広げる10名の作家による絵画や立体作品など、いろいろな素材でつくられる、さまざまな表現を紹介します。「かたち」という言葉は、姿や形状、図柄などのほか、ものごとの様子や状態を表す時にも使われ、多様な意味合いを持っています。この「かたち」という言葉のように、身近な素材でつくられる多様な表現との出会いを通して、創造の根源的な魅力に迫ります。

明日より開幕する第1会場(東京都渋谷公園通りギャラリー)では、巡回する3会場のうち最大規模となる約70点の作品を展示します。
※会場毎に展示する作品の点数が異なります。
※第1会場では、作品保全のため、一部展示替えを行います(前期:7月16日~8月21日、後期:8月23日~9月25日)。
  • 見どころ① いろいろな素材
出展作品には、色鉛筆やボールペン、カラーペンや水彩絵の具など、私たちが子どもの頃から親しんできた文房具や画材のほか、布や糸、ペンキやチラシといった生活の中の品々が素材として使われています。
  • 見どころ② さまざまな表現
独自の視点でモチーフを切り取る青木尊。一筆書きの円を重ねて画面の中に独特の空間を創り出す稲田萌子。短い線を重ねて描く丸や四角で、画面を埋め尽くす佐々木早苗。モチーフの世界観を心象風景のように描き出す五十嵐朋之、濱中徹、渡邉あや。オリジナルのキャラクターを無限に創造する萩尾俊雄。線と面とを塗り重ねる手法で色々な物、場面にあわせて描く本田雅啓。人をテーマに描き続ける井上優と吉川秀昭——ひとつひとつの作品に見られるこだわりのかたちと、それぞれの作家によるさまざまな表現を展観します。
  • 見どころ③ かわるかたち
本展のプレイベントとして今年の春に開催した、公開制作&ワークショップ「本田まさはるさんと、街ぶらライブペインティング」の完成作品や、制作過程を記録したドキュメントムービー「シブヤノマチナミ」(クリエイティブディレクター・撮影:池田晶紀)の公開など、創造を間近に感じる展示を通して、多様な表現のかたちをご覧ください。
  • 展覧会概要
展覧会名:アール・ブリュット2022巡回展「かわるかたち」
会場と会期:
〈第1会場〉東京都渋谷公園通りギャラリー 展示室1、2
      7月16日(土)から9月25日(日)まで 11:00~19:00
     [休館日]月曜日(ただし7月18日、9月19日は開館)、7月19日、9月20日
〈第2会場〉練馬区立美術館 区民ギャラリー
      10月27日(木)から11月2日(水)まで 10:00~18:00
      [休館日]10月31日
〈第3会場〉府中市美術館 市民ギャラリー
      11月25日(金)から12月4日(日)まで 10:00~17:00
     [休館日]11月28日
〈出張イベント〉八丈町多目的ホールおじゃれ
        8月2日(火)13:30~14:30
観覧料:無料
出展作家:青木 尊、五十嵐朋之、稲田萌子、井上 優、佐々木早苗、 萩尾俊雄、濱中 徹、本田雅啓、吉川秀昭、渡邉あや (五十音順)
音声ガイド:小関裕太(俳優)※第1会場のみ
主催:東京都、(公財)東京都歴史文化財団 東京都現代美術館 東京都渋谷公園通りギャラリー
協賛・協力:(協賛)練馬区、(協力)府中市、八丈町
展覧会ウェブサイト:https://inclusion-art.jp/archive/satellite/2022/20220716-146.html

※新型コロナウイルス感染症拡大の影響等により、開催内容を変更する場合があります。
※各会場では、新型コロナウイルス感染拡大防止のための対策を講じています。

 

  • 出展作家プロフィール

青木 尊(AOKI Takeru) 1968- 福島県生まれ

富士山が連なるかのような不思議な山、強調された目の部分。青木の作品は、独自の視点で切り取られた迫力のある構図が、見ている者を惹き込む力をもっている。一方で、画面は、ペンや色鉛筆などをつかい筆触を重ねて丁寧に描き込まれており、勢いで描いたものではないことも感じさせる。描くモチーフは、子どもの頃に親しんだ昭和のスターやヒーロー(ダーク・ヒーロー)/ヒロインなど、青木が強く惹かれる人やイメージが多い。

青木 尊《レパス》1997-2004年頃 画像提供:はじまりの美術館青木 尊《レパス》1997-2004年頃 画像提供:はじまりの美術館


五十嵐朋之(IGARASHI Tomoyuki) 1977- 東京都生まれ
刺繍やペン画、染め、折り布といった手法を駆使して、昆虫や魚貝、植物、建物、人物などのモチーフを描く。下描きなしの刺繍では、ペン画さながらの緻密さと即興性の伴う有機的な形を生み出す。描かれる図像のそばにはモチーフの名称や不思議な組み合わせの言葉が添えられ、五十嵐のユーモアあふれる世界観を静かに際立たせている。1996年よりクラフト工房La Manoに所属し、2014年よりアトリエメンバーとして活動を開始。

五十嵐朋之《魚貝表》2014-2020年頃 撮影:ただ(ゆかい)五十嵐朋之《魚貝表》2014-2020年頃 撮影:ただ(ゆかい)


稲田萌子(INADA Moeko) 1985- 京都府生まれ
ゆったりとした独自のリズムで円を描く動作を繰り返し、光をつかまえたような柔らかな線の束を紡ぎ出す。主には色鉛筆を用いて、複数の色を混ぜ合わせて描かれる円環は、重なり合う色と色とがお互いを引き立て合い、描かれず空洞となる部分には、まばゆい光を帯びている。均一で伸び伸びとしたストロークからは、描く動作そのものに内在する喜びが籠っているようだ。2003年よりクラフト工房La Manoに所属。アトリエが始動した2006年からのメンバー。

稲田萌子《無題》2019年(2019. 3. 14) 画像提供:クラフト工房La Mano ※参考画像稲田萌子《無題》2019年(2019. 3. 14) 画像提供:クラフト工房La Mano ※参考画像


井上 優(INOUE Masaru) 1943- 滋賀県生まれ
大きな画面に、明確な線で描かれる人の形。さまざまなシーンで描かれる群像は、どの顔もどこか穏やかな印象で、作家自身の持つ雰囲気とよく似ている。鉛色に光るほど塗り込められた色面は、鉛筆の短い筆触を重ねて描かれている。1999年から「やまなみ工房」に所属する井上は、濃い(柔らかい)鉛筆と大きな紙という素材との出会いをきっかけに、70歳を超えてから本格的な創作活動をはじめたという。

井上 優《ダンス》2013年 やまなみ工房蔵 画像提供:やまなみ工房井上 優《ダンス》2013年 やまなみ工房蔵 画像提供:やまなみ工房


佐々木早苗(SASAKI Sanae) 1963- 岩手県生まれ
浮遊感のある独特の間合いで並ぶ、丸や四角の色面は、ボールペンやカラーペンのほか、刺繍による線の集積で描かれている。繰り返す筆致により紙や布が波打ち、画面に微妙なニュアンスを生じさせる。佐々木の表現は、誰かに見られることを意図したものではない。30代まで農作業に携わっていた佐々木は、1996年頃に習得したさをり織りをきっかけに、創意に満ちた表現者であることを周囲に発露した。るんびにい美術館の創作グループ「こころと色の工房 まゆ~ら」にて活動。

佐々木早苗《無題》2008-2012年頃 作家蔵 画像提供:るんびにい美術館佐々木早苗《無題》2008-2012年頃 作家蔵 画像提供:るんびにい美術館


萩尾俊雄(HAGIO Toshio) 1987- 福岡県生まれ
鋭く尖った角や牙、鎧のように覆う突起。萩尾の立体は、厚手のチラシとセロハンテープを主な素材につくられる。特撮テレビ番組に登場する怪獣などに興味があり、好きなキャラクターから着想したオリジナルの立体をつくり、戦わせて遊ぶ。幼児の頃、食卓の濡れた布巾をかたちづくることではじまった創作は、小学校低学年の頃には、紙へと素材を変え、つくり手の成長と共に細かく鋭い造形となり30年近く続いてきた。

萩尾俊雄《無題》2021年 作家蔵 撮影:ただ(ゆかい)萩尾俊雄《無題》2021年 作家蔵 撮影:ただ(ゆかい)


濱中 徹(HAMANAKA Toru) 1948- 兵庫県生まれ
高校卒業以降から制作を続け、2017年の「京都とっておきの芸術祭」への出展をきっかけに作品が注目される。主な題材に昆虫や蝸牛、カエルや草花など身近な生物を描く。機械仕掛けや幾何学模様にも強い関心があり、昆虫や蝸牛をモチーフに空想上の機械や物語を創造し、紙上に落とし込む。作品は、いくつもの工程を踏んで制作される。スケールやコンパスを用いて、1本1本の線を丁寧に浮かび上がらせていくことで、生き物や機械たちが生き生きと動き出すような濱中の世界観が生まれる。

濱中 徹《道端のちいさなもの》2001年 作家蔵 画像提供:アートと障害のアーカイブ・京都濱中 徹《道端のちいさなもの》2001年 作家蔵 画像提供:アートと障害のアーカイブ・京都


本田雅啓(HONDA Masaharu) 1983- 福岡県生まれ
幼少期より好んで絵を描いていた本田は、家族の勧めで高校生の頃から絵画教室に通い、卒業後は、アートを仕事にする施設を活動の場として創作を続けてきた。野菜や昆虫、風景や物語のキャラクターなど様々なモチーフを、単純化した輪郭線と幾何学模様や色面を複雑に構成して描く。正確な筆致で、ライブペインティングを得意とし、建物の壁やシャッター、重機などにも描く。2018年からは、障害福祉サービス事業所PICFAにて活動。

本田雅啓《モモタロウ》2020年 PICFA蔵、画像提供:PICFA本田雅啓《モモタロウ》2020年 PICFA蔵、画像提供:PICFA


吉川秀昭(YOSHIKAWA Hideaki) 1970- 滋賀県生まれ
模様のように見えるのは、顔のパーツの集合体だ。吉川の描くモチーフは一貫して、目、目、鼻、口。これを、独自のリズムで、平面や立体へ繰り返し描くスタイルで、30年以上もつくり続けている。鋭く削ぎ落とされた粘土の表面には、無数の目、目、鼻、口が、上部から下へ連なるように刻まれている。作品によっては髭が描かれる。1988年より「やまなみ工房」に所属。

吉川秀昭《目・目・鼻・口 》2017-2018年 やまなみ工房蔵 画像提供:やまなみ工房吉川秀昭《目・目・鼻・口 》2017-2018年 やまなみ工房蔵 画像提供:やまなみ工房


渡邉あや(WATANABE Aya) 1987- 新潟県生まれ
修学旅行で沖縄へ行った経験から、後に飛行機を題材にした作品を描きはじめる。水性顔料ボールペンで枠線を描いた後、色鉛筆でパッチワークのように細かく分けて彩色する。2017年からは、アメリカやスペインなどの国を題材にした作品を制作。動物や建物、実在する航空会社のパロディなど、作品に散りばめられた遊び心が、見ている者を世界旅行へ誘う。2006年より、工房集に所属。

渡邉あや《飛行機》2013年、画像提供:工房集渡邉あや《飛行機》2013年、画像提供:工房集

  • 音声ガイド
第1会場(東京都渋谷公園通りギャラリー)において、俳優・小関裕太さんによる音声ガイドを無料でお聞きいただけます。

小関裕太(俳優)
東京都出身。近年は、ドラマ、映画、舞台の他「王様のブランチ」(TBS)にレギュラー出演するなど、幅広く活躍。
主な出演作に映画:DIVOC-12「ユメミの半生」、ドラマ:「恋です!〜ヤンキー君と白杖ガール〜」(NTV)など。

 

 

  • 関連イベント ※詳細は当ギャラリーウェブサイトをご覧下さい
出張イベント「アール・ブリュットってなんだろう&オンライン・ツアー」
出張イベントを八丈町で開催します。
イベントの前半は、展覧会の担当学芸員がアール・ブリュットについてご紹介します。後半は、実際に展覧会を行っている渋谷の会場とオンラインでつなぎ、会場の様子や作品を見たり、渋谷にいる学芸員から作品の話を聞いたりします。
会場では、出展作家のひとり、吉川秀昭さんの作品(手のひらサイズ)をご覧いただけます。※展覧会の展示作品とは異なります。

日時:8月2日(火)13:30~14:30(13:00会場)※荒天の場合、8月9日(火)に延期
会場:八丈町多目的ホールおじゃれ
定員:当日先着順 30名程度(見学自由)

学芸員によるギャラリートーク
当ギャラリーの学芸員が会場にて作品解説を行います。(手話通訳付き)

日時:[1]7月22日(金)18:00~18:30
   [2]9月3日 (土)14:00~14:30
   [3]9月17日(土)14:00~14:30
定員:当日先着順 10名程度

鑑賞会「みると話(わ)」
展示室で作品を囲み、会話を楽しみながらグループで鑑賞します。いろいろな人のさまざまな見方で、ひとつの作品をじっくり観てみると、ひとりでは気がつかなかった新しい発見に出会えるかもしれません。
作品を前に、自分がどのように感じているのか、心の内を探る2時間です。
 
ナビゲーター:白鳥建二(全盲の美術鑑賞者/写真家)、展覧会担当学芸員
日時:[1]7月29日(金)18:30~20:30
   [2]8月8日(月)14:00~16:00
   [3]8月26日(金)18:30~20:30  ※8月26日のみ手話通訳付き
事前申込制:当ギャラリーウェブサイトの申込フォームより(7月16日より)
定員:5名(申込先着順)
対象:どなたでも

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会社概要

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業種
財団法人・社団法人・宗教法人
本社所在地
東京都千代田区九段北4-1-28  九段ファーストプレイス8階
電話番号
03-6256-9967
代表者名
日枝 久
上場
未上場
資本金
-
設立
1982年12月