石油燃焼機器の試験方法のJIS改正
~消防庁告示に整合した製品開発と、使用者の住空間の有効活用等に貢献~
一般財団法人日本規格協会(本部:東京都港区、理事長:朝日弘)は、2025年5月20日に石油燃焼機器の試験方法に関する日本産業規格(以下、JISという。)を発行いたしました。
今回の改正のポイントについて解説します。

石油燃焼機器の試験方法通則
General rules for test methods of oil burning appliances
税込価格:5,720円 A4判 106頁
※規格類は価格が変更される場合がございます。ご了承ください。
この規格は、主に灯油を熱源とした暖房、給湯などに用いる家庭用燃焼機器(例:石油ストーブ、石油給湯器など)の性能を測定するための試験方法を定めています。
近年、高効率かつ安全性の高い設備の開発や建築材料の多様化、より精緻な火災リスク評価手法の導入といった技術の進歩を背景に、令和5年に「対象火気設備等及び対象火気器具等の離隔距離に関する基準」(令和5年消防庁告示第8号※)が改正されました。
今回のJIS S 3031の改正は、この消防庁告示における石油燃焼機器に関する離隔距離の規定との整合性を図ることを目的としています。具体的には、燃焼機器と壁面などの可燃物との間の試験方法について、より短い距離で試験することを可能としました。
従来、燃焼機器を壁面に設置する場合は、機器後面と壁面との間に十分なスペースを確保することが求められていましたが、今回の消防庁告示の改正によって離隔距離の基準が緩和されました。これを反映した形でJISを改正することにより、メーカーにおいてこのJISに準拠した試験を行い、製品開発ができるようになります。
使用者にとっては、これまでスペースの制約から設置が困難であった場所への設置が可能になり、設置場所の選択肢が広がることで、住空間の有効活用や生活動線の改善など、利便性向上が期待できます。
※対象火気設備等及び対象火気器具等の離隔距離に関する基準の一部を改正する件(令和5年消防庁告示第8号)
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01shoubo01_02000707.html



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