「第57回(令和6年度)市村賞 市村産業賞」の「貢献賞」を受賞
当社は、公益財団法人市村清新技術財団(注1)が主催する「第57回(令和6年度)市村賞 市村産業賞」において「通信ネットワークの電力効率向上に資する大容量光伝送システム」の開発業績が「貢献賞」を受賞しました。
当社が開発したテラビット光伝送システム技術、水冷技術、および光ネットワークモニタ技術により、光1波あたりの伝送容量を世界最大の1.2テラビット(Tbps)まで引きあげる光伝送システムを実用化し、5G時代以降のICTを支える光バックボーンネットワークの大容量化と低消費電力化の実現に大きく貢献したことが評価されました。
なお、これらの技術には、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業」(JPNP20017)における成果の一部と、総務省委託研究「新たな社会インフラを担う革新的光ネットワーク技術の研究開発 課題Ⅰ 5Tbps級高速大容量・低消費電力光伝送技術の研究開発(JPMI00316) 」、および国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT:エヌアイシーティー)の委託研究「高スループット・高稼働な通信を提供する順応型光ネットワーク技術の研究開発(採択番号20501)」における成果の一部が含まれます。
受賞者および受賞技術
市村産業賞 貢献賞
「開発業績(通信ネットワークの電力効率向上に資する大容量光伝送システム)」
受賞者(注2):
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小牧 浩輔 (富士通株式会社 フォトニクスシステム事業本部 光技術開発室 室長)
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倉光 浩一 (富士通株式会社 フォトニクスシステム事業本部 プロダクト開発センター 実装構造開発部 シニアプロフェッショナルエンジニア)
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小田 祥一朗(富士通株式会社 フォトニクスシステム事業本部 先行技術開発室 マネージャー)
受賞業績:
新たに開発した以下の3つの独自技術をもとに、光1波あたりの伝送容量を世界最大の1.2Tbpsまで引き上げるデジタルコヒーレント光伝送システムを実現しました。
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テラビット光伝送システム技術
世界初の140ギガボー(Gbaud、注3)の高速信号を伝送可能とするデジタル信号処理LSIと狭線幅波長可変レーザを適用し、さらに送受信デバイスや光伝送路にて発生する波形歪を高精度に補償する技術を組み合わせることにより、世界最高となる1波あたり1.2Tbps(注4)の大容量伝送を実現しました。
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光伝送装置に適用可能な世界初の水冷技術
スーパーコンピュータ「富岳」の開発および製造で培った知見を活かし、世界で初めて光伝送装置に水冷技術を適用し、伝送容量(Gbps)あたりの消費電力が世界最小の120mWとなる低消費電力化を実現しました。
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機械学習を用いた光ネットワークモニタ技術
ディープニューラルネットワークを応用したネットワークの特性、状態を精度よくモニタする技術を開発し、これをネットワーク設計、構築に活かすことでネットワーク全体の電力利用効率を向上する技術を確立しました。
産業上の応用:
当社の光伝送システム「1FINITY Ultra Optical System」を構成する「1FINITY T900シリーズ」にこれらの技術が組み込まれており、通信事業者やデータセンター事業者などに採用されています。今後、さらに国内外に拡販し、AIをはじめとするビッグデータ処理の普及で急増するデータトラフィックに対応できる、レジリエントで環境負荷の低いネットワークインフラの構築に貢献しています。
商標について
記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。
注釈
注1
公益財団法人市村清新技術財団:
所在地 東京都大田区、総裁 彬子女王殿下
注2
受賞者:
受賞者の所属は、本表彰の申請当時のもの。
注3
ギガボー(Gbaud):
変調の速度を表す単位であり、1ギガボーは1秒間に10億回の符号を送信することに相当。
注4
光1波あたり1.2Tbps:
光の波長一つあたりで、1秒間にブルーレイディスク(25GB)6枚分の情報の通信が可能。
関連リンク
当社のSDGsへの貢献について

2015年に国連で採択された持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals:SDGs)は、世界全体が2030年までに達成すべき共通の目標です。富士通のパーパス(存在意義)である「イノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をより持続可能にしていくこと」は、SDGsへの貢献を約束するものです。
本件に関するお問い合わせ
富士通株式会社
富士通コンタクトライン(総合窓口)
電話 0120-933-200 受付時間: 9:00~12:00および13:00~17:30(土・日・祝日・当社指定の休業日を除く)
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