TBM、カーボンリサイクル素材のプラント建設、製造に向けて、石炭火力発電事業会社のVAPCO、ベトナム大手建設会社のViet Haiと協力して、炭素回収・利用プロジェクトの実現に向けた基本合意を締結

~CO₂を再資源化した「CR 炭酸カルシウム」および「CR LIMEX」の高付加価値な用途での普及を目指す〜

TBM

LIMEXの開発を通じて炭酸カルシウムの粒径・形態制御技術の知見を有する株式会社TBM(本社:東京都千代田区、代表取締役:山﨑 敦義、以下TBM)、ベトナム・ハティン省において石炭火力発電所を運営するVung Ang II Thermal Power LLC(所在地:ベトナム・ハティン省、社長:福島 豪、以下VAPCO)、および同省の大手建設会社であるViet Hai Trading and Transportation Co., Ltd.(所在地:ベトナム・ハティン省、代表取締役:Tran Van Viet、以下Viet Hai)は、VAPCOの火力発電所から排出されるCO₂とViet Haiが供給する鉄鋼スラグを化学合成して生成される、CO₂を再資源化した「CR 炭酸カルシウム」を生産するプラント建設および「CR 炭酸カルシウム」、「CR 炭酸カルシウム」と樹脂を混練したカーボンリサイクル素材「CR LIMEX」の製造、高付加価値用途開発を目的とした基本合意(Memorandum of Understanding、以下 MOU)を締結しました。

■ 背景

ベトナムは、2024年にGDP成長率7.09%を記録するなど堅調な経済発展を遂げる一方で*1、それに伴う温室効果ガスの排出量が社会課題となっています*2。同国政府はCOP26において2050年のネットゼロ達成を宣言しましたが*3、国内の電力構成における石炭火力発電の割合は約55%(2024年1月)と依然として高い水準にあります*4。こうした状況下で、経済成長に不可欠な電力の安定供給を損なうことなく脱炭素化を進めるため、既存の発電所を重要な社会インフラとして活かし続けながら、技術革新によってCO₂排出量を削減するソリューションが求められています。こうした背景のもと、ベトナム中部の産業集積地であるハティン省ブンアン経済区において、石炭火力発電所を運営するVAPCOと、同地域で建設、コンクリート製造、ハイテク非焼成レンガ、タイルなど多角的な建設事業を展開するViet Hai、そしてカーボンソリューション企業として、カーボンリサイクル技術を活用した素材開発、同素材を使用した製品の実用化の実績を有する、GX分野のディープテックのTBMは、それぞれの経営資源を統合し、炭素回収・利用プロジェクトによるグリーン転換を図る、3社間での基本合意を締結しました。

■ 協力内容

2024年のダボス会議でカーボンリサイクル素材「CR LIMEX」を発表したTBMのカーボンリサイクル技術下において、CO₂と鉄鋼スラグとの化学合成により、CO₂を再資源化した「CR 炭酸カルシウム」を製造する技術が存在しています。CO₂を回収して再利用するカーボンリサイクルは、日本政府が進めるGX 戦略の投資分野のひとつとして位置づけられており、TBMは政府が掲げるカーボンリサイクルロードマップを約15年早めて、石油由来のプラスチックの代替用途となる「CR LIMEX」を2024年末に上市しました。本プロジェクトでは、VAPCOの火力発電所から排出されるCO₂とViet Haiが供給する鉄鋼スラグを用いて、「CR 炭酸カルシウム」を製造するCCU プラントの建設を目指します。同プラントで製造される「CR 炭酸カルシウム」は、Viet Haiのネットワークを活用して、ベトナム国内外の建設資材として活用する計画です。さらに、「CR 炭酸カルシウム」と樹脂を混錬したカーボンリサイクル素材「CR LIMEX」の製造により、一般的な炭酸カルシウムの用途とは異なる、プラスチックの代替用途や建築内装材や土木資材など高付加価値な用途での普及を目指します。

大気中に排出されていたCO₂を長期的に製品に固定化しながら、CO₂排出量を削減することで、カーボンクレジットの創出を図ります。また、本プロジェクトでは、鉄鉱石を溶かしたり、鉄スクラップを精錬する際の副産物である産業廃棄物の鉄鋼スラグの資源循環と炭素循環を同時に達成し、地域内でのサーキュラーエコノミー、カーボンニュートラルの加速に貢献します。

・CCU プラントの建設と「CR 炭酸カルシウム」の製造

本プロジェクトでは、VAPCOの火力発電所から排出される、年間約16万トンのCO₂を回収・再利用したCCU プラントの建設を検討します。同プラントでは、TBMのカーボンリサイクル技術を活用して、Viet Haiの製鉄所から排出される、年間約40万トンの鉄鋼スラグをCO₂との化学合成により、年間約21万トンの「CR 炭酸カルシウム」の生産を目標にします。なお、TBMはベトナム現地においてVAPCOのCO₂及びViet Haiの鉄鋼スラグを用いた「CR 炭酸カルシウム」生産のための最適手法及びそのインフラ構築を検討します。

・「CR 炭酸カルシウム」の高付加価値用途開発

Viet Haiは、TBMが提供する「CR 炭酸カルシウム」の技術的・商業的情報に基づき、またTBMの用途開発の支援により、「CR 炭酸カルシウム」の高付加価値用途を開発します。

■ Vung Ang II Thermal Power LLCについて

Vung Ang II Thermal Power LLC(VAPCO)は、ベトナム中部ハティン省のVung Ang経済区において、「Vung Ang II石炭火力発電所」の建設および運営を行う発電会社です。本事業は、ベトナム政府との建設・運営・譲渡(BOT)契約に基づいて行われています。総出力1,330MW(665MW×2基)の発電設備には超々臨界圧(USC)技術が採用されており、完工後は同国の電力需給を支える基幹電源として稼働する予定です。

■ Viet Hai Trading and Transportation Co., Ltd.

Viet Hai Trading and Transportation Co., Ltd.は、ベトナム中部ハティン省に本社を置く、同地域最大級の民間建設・建材製造企業です。創業以来30年以上にわたり、インフラ建設、運送・物流サービス、建設資材製造の多角的な事業ポートフォリオを構築してきました。特に建材分野では、商業用コンクリートやプレキャストコンクリート部材、非焼成レンガ、タイルなどの製造において高い技術と生産能力を有しており、ベトナム中部の主要なインフラプロジェクトに多数参画しています。地域産業界との強固なネットワークを活かし、未利用資源の調達から高付加価値製品の製造・供給までを一貫して担うサプライチェーンの中核企業です。

■ TBMのカーボンリサイクル事業とは

世界の各地域で大量に排出されるCO₂を価値ある「資源」へと転換し、その資源を環境配慮型の原料や素材として供給、CO₂排出源の隣接地にCCU(Carbon Capture and Utilization)プラントを展開し、CO₂資源化の「地産地生」モデルの構築しながら、地球規模の環境・社会課題解決を図ります。具体的には、CO₂排出量の多い事業者(火力発電所、製鉄所など)と連携して、排出事業者から排出されるCO₂をCCU技術を活用して回収し、廃棄物由来のカルシウムと化学反応させ、「CR 炭酸カルシウム」を生成します。CO₂を再資源化したこの炭酸カルシウムは、内装材やエクステリア等、建築資材の原料として活用されます。さらに、再生プラスチック等と混練すれば石油由来プラスチックの代替素材「CR LIMEX」となり、様々な用途で供給も可能です。さらに、事業サイクルが生み出すCO₂削減・固定化などの「環境価値」をカーボンクレジットとして創出していきます。これにより、排出量の多い事業者はCO₂排出量を削減し、素材を使用する企業はサプライチェーンにおける環境負荷低減と安定的な低炭素素材の調達を実現します。このスキームを通じて、私たちは社会全体のカーボンニュートラル達成に貢献します。

*1 JETRO : 2024年GDP成長率は7.09%、第4四半期は7.55%に加速 

*2 Reuters : Vietnam coal-fired power emissions hit new highs in early 2024 

*3 MINISTRY OF AGRICULTURE AND ENVIRONMENT of Vietnam : Fulfilling climate commitments at COP26 

*4 Reuters : Vietnam coal-fired power emissions hit new highs in early 2024 

■ 株式会社TBM

代表者 :山﨑 敦義

所在地 :東京都千代田区有楽町1-2-2 15F

設立 :2011年8月

資本金 :1億円(資本準備金含み、120億3546万円 / 2024年12月時点)

事業内容 :環境配慮型の素材開発及び製品の製造、販売、資源循環を促進する事業等

URL   : https://tb-m.com/

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会社概要

株式会社TBM

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URL
http://www.tb-m.com/
業種
製造業
本社所在地
東京都千代田区有楽町1-2-2 東宝日比谷ビル15F
電話番号
03-6268-8915
代表者名
山﨑敦義
上場
未上場
資本金
1億円
設立
2011年08月