アドビ、「PDFファイルのアクセシビリティに関する調査」の結果を発表
~ Webサイト運営者の約6割がPDFのアクセシビリティ機能を利用、約8割がAIなどの活用でアクセシビリティのさらなる向上に期待 ~
アドビ株式会社(本社:東京都品川区、社長:クレア ダーレイ、以下 アドビ)は本日、webサイトの運営に直接携わる会社員300名(従業員数300名以下の企業から150名、従業員数301名以上の企業から150名)を対象にした、「PDFファイルのアクセシビリティに関する調査」の結果を発表しました。
本調査は、web上で提供されている情報やサービスへのアクセシビリティが求められているなか、12月3日から実施される「障がい者週間」にあわせ、webサイトなどで公開される企業のPDFファイルのアクセシビリティ対応について実態を明らかにするために行ったものです。
今回の調査で明らかになった主な結果は以下の通りです。
Webサイト運営者の約6割(59.7%)がPDFのアクセシビリティ機能を利用
PDFへのアクセシビリティガイドライン適用率は約6割(58.4%)、従業員300名以下の企業では半数以下(46.5%)という結果に
PDFコンテンツのアクセシビリティ向上のために行っている設定の上位は、「代替テキスト」「しおり」「カラーコントラスト」の順で適用されている結果に
AIなどの活用で企業のアクセシビリティは向上すると約8割(77.7%)が期待
Webサイト運営者の約6割(59.7%)がPDFのアクセシビリティ機能を利用
PDFツールには、アクセシブルなPDFであるかを判定するためのチェック機能や、読み上げ順序の設定や文書構造のタグ付けによって、PDF内の情報を整理およびデータ化してアクセシビリティを強化する様々な機能が備わっています。PDFを業務で利用していると回答したwebサイトの運営に直接携わる担当者に、PDFの作成・管理ツールに含まれる「アクセシビリティ機能」を業務で使ったことがあるか聞いたところ、「頻繁に利用している」が24.2%、「ときどき利用している」が35.5%と、合わせて約6割(59.7%)が利用しているという回答結果となりました。
また、「頻繁に利用している」と回答した層に絞ってみると、従業員300名以下の企業では12.3%、301名以上の企業では36.1%と約3倍の違いがあり、大企業であるほどPDFのアクセシビリティ機能の利用が進んでいることが明らかになりました。
PDFへのアクセシビリティガイドライン適用率は約6割(58.4%)、従業員300名以下の企業では半数以下(46.5%)という結果に
PDFを業務で利用していると回答した担当者に、作成・提供しているPDFコンテンツにおいて、WCAG(Web Content Accessibility Guidelines)などの合理的な配慮を担保するためのアクセシビリティのガイドラインが適用されているか聞いたところ、「全てのPDFに適用されている」が28.7%、「一部のPDFにのみ適用されている」が29.7%と、合わせて約6割(58.4%)の企業がアクセシビリティガイドラインを適用している結果となりました。
また、従業員数別での適用率を調べたところ、従業員300名以下の企業では半数以下の46.5%、従業員301名以上の企業では70.1%と大きな差があり、大企業に比べて中小企業ではガイドラインの適用率が低い傾向にあることが分かりました。
PDFコンテンツのアクセシビリティ向上のために行っている設定の上位は、「代替テキスト」「しおり」「カラーコントラスト」の順で 適用されている結果に
企業が提供するPDFコンテンツの中で、アクセシビリティに配慮して行っていることについて聞いたところ、「代替テキストや説明文の付与(36.9%)」、「しおり/ブックマークの付与(34.8%)」、「カラーコントラストの調整(33.8%)」、「文書内に検索可能なテキストを作成(32.4%)」の順に多い結果となり、情報をアクセシブルにするための有効な手段として様々な機能が適用されていることが分かりました。
「代替テキストや説明文の付与」は、画像やグラフなどの非テキストコンテンツによって伝達される情報を、スクリーンリーダーを使用して音声読み上げをする際などに必要になります。「しおり/ブックマークの付与」は、特に情報量の多い資料において、利用者の検索性を高め、正しい順序で読み上げられるように文書構造を整理する際に重要になります。また、「カラーコントラストの調整」により、色覚多様性に配慮した視認性の高いカラーコンテンツを作成することができます。
AIなどの活用で企業のアクセシビリティは向上すると約8割(77.7%)が期待
PDFのアクセシビリティを確保するためには、検索可能なテキストの作成や、画像に対する代替テキストの付与、見出しや段落などを適切に構造化して文書内の情報が正しく読み取れる状態にするなど、細かな設定が求められます。そのため、専門的な知識が無く、複雑な文書を手作業で処理する場合には、業務上ある程度の負荷がかかることが予想されます。
そこで、企業のウェブアクセシビリティはAIを活用することで向上すると思うかを聞いたところ、「とても思う」が32.0%、「どちらかというと思う」が45.7%と、約8割(77.7%)の担当者が、AIによる生産性向上に期待していることが分かりました。
今回の調査結果を受け、アドビ株式会社マーケティング本部デジタルメディア ビジネスマーケティング執行役員の竹嶋拓也は、次のように述べています。
「今回の調査結果では、『自社のPDFコンテンツがアクセシビリティのガイドラインを適用している』とする回答者が、中小規模の企業では半数以下にとどまるなど、PDFツールの利用やコンテンツ拡充に課題があることが明らかになりました。Adobe Acrobatは、PDFのアクセシビリティチェックやアクセシブルなPDF文書を作成するため豊富な機能を有しています。また、文書構造へのタグ付けといった工数がかかるプロセスをAIによって自動化する『Adobe PDF Accessibility Auto-Tag API( https://www.adobe.com/jp/news-room/news/202305/20230518_new-accesibility-api.html )』といった機能も提供しており、企業の規模に関係なく今後求められるPDFファイルのアクセシビリティの改善に役立てることができます。アドビは様々なドキュメントソリューションを通して業務の効率化を実現するとともに、誰もがデジタル文書により簡単にアクセスでき、必要な情報を取得できるよう支援して参ります。」
「PDFファイルのアクセシビリティに関する調査」 概要
調査方法:インターネット調査
実施対象:300人(企画・マーケティング、販売促進、総務、デザイン・クリエイター、情報システムなどの部署に所属しており、自社のwebサイトの作成や更新等の業務に直接関わっていると回答した方。従業員数300名以下と301名以上で150名ずつ均等割付>)
調査期間:2023年11月6日~2023年11月7日
■「アドビ」について
アドビは、「世界を動かすデジタル体験を」をミッションとして、 3つのクラウドソリューションで、優れた顧客体験を提供できるよう企業・個人のお客様を支援しています。 Creative Cloud( https://www.adobe.com/jp/creativecloud.html )は、写真、デザイン、ビデオ、 web、 UXなどのための20以上の デスクトップアプリやモバイルアプリ、サービスを提供しています。 Document Cloud( https://www.adobe.com/jp/documentcloud.html )では、デジタル文書の作成、編集、共有、スキャン、署名が簡単にでき、デバイスに関わらず文書のやり取りと共同作業が安全に行えます。 Experience Cloud( https://business.adobe.com/jp/products/adobe-experience-cloud-products.html )は、コンテンツ管理、パーソナライゼーション、データ分析、コマースに対し、顧客ロイヤルティおよび企業の長期的な成功を推進する優れた顧客体験の提供を支援しています。これら製品、サービスの多くで、アドビの人工知能(AI)と機械学習のプラットフォームであるAdobe Sensei( https://www.adobe.com/jp/sensei.html )を活用しています。
アドビ株式会社は米Adobe Inc.の日本法人です。日本市場においては、人々の創造性を解放するデジタルトランスフォーメーションを推進するため、「心、おどる、デジタル」というビジョンのもと、心にひびく、社会がつながる、幸せなデジタル社会の実現を目指します。
アドビに関する詳細な情報は、Webサイト(https://www.adobe.com/jp/about-adobe.html)をご覧ください。
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https://www.adobe.com/jp/news-room/news/202312/20231204_dc-pdf-accessibility-survey.html
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