離れた会場の熱気を伝える低遅延通信技術を活用したリアルタイム・リモート演奏を実施
~「第179回 NTT東日本 N響コンサート」にて、東京オペラシティ コンサートホール-ドルトン東京学園間の両会場での演奏と観客の手拍子を双方向で伝送~
東日本電信電話株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:澁谷 直樹、以下「NTT東日本」)と株式会社NTT ArtTechnology(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:国枝 学、以下「NTT ArtTechnology」)、は、「第179 回 NTT東日本 N響コンサート」で低遅延通信技術を活用し、新しい音楽共創・鑑賞を体感していただくリアルタイム・リモート演奏を実施しました。
1. 背景と目的
新型コロナウイルス拡大に伴う社会情勢の変化によって、音楽業界において海外の演奏者を招聘しての音楽イベントや演奏指導を開催できない事が課題となっています。
一方で、遠隔コミュニケーションへの心理的ハードルが下がり、音楽コンサートのオンライン配信やリモートレッスンの市場が形成され始めています。しかし、従来のリモートコンサートでは、通信や音声・映像の処理により遅延が発生し、ひとつの音楽として成立しづらいという課題があります。
これらの課題に対して、NTTグループはIOWN構想(*1)の柱であるオールフォトニクス・ネットワークの要素技術に関わる映像、音声等を高速・低遅延に伝送する技術に、低遅延に映像処理する技術を組み込むことによる解決をめざします。
同時に、NTT東日本とNTT ArtTechnologyがめざす、文化芸術分野での新しい共創・鑑賞モデルの実現に向けて、複数地点間で演奏する音声・映像を低遅延で伝送することで同じ場所で演奏しているような音楽体験ができる多地点間協奏サービスの可能性を検討してまいります。
2. 実証の概要
「第179 回 NTT東日本 N響コンサート」は、NTT東日本が1985年4月より37年にわたり「音楽はコミュニケーション」をコンセプトにNHK交響楽団の協力を得て開催してきました。今回は、本コンサート初の試みとして、東京オペラシティ(新宿区)とドルトン東京学園(調布市)(*2) をNTTグループが開発している低遅延通信技術でつなぎ、奏者の演奏と観客の手拍子を低遅延かつ双方向で配信しました。
アンコール曲である「ラデツキー行進曲」を、東京オペラシティにいる管弦楽奏者とドルトン東京学園にいるスネアドラム奏者の演奏を相互に伝送し、約10kmの距離を超えて1つの音楽として成立させることに成功しました。さらに、「ラデツキー行進曲」に合わせ、両会場合わせて約1,600名の観客による手拍子を低遅延かつ双方向で配信することで、約10km離れた会場が一つになったような新しい音楽共創・鑑賞を実現しました。
<実証イメージ>
3. 特長
NTTグループが提唱するIOWN構想の柱であるオールフォトニクス・ネットワーク(以下、「APN」)に関わる2つの技術を活用し通信の遅延を短縮する事で、プロの演奏家でもリモート演奏の違和を感じずに演奏が可能であることを2022年3月の実証実験コンサートで確認しました。(*3)
●低遅延伝送技術
電気処理を主体とする通信装置(ルータ、レイヤ2スイッチなど)を使用せず、非IP方式のレイヤ1通信パスをエンド-エンドに設定することで物理的極限に迫る低遅延化を実現しています。このような特徴を持つAPN端末装置をユーザ拠点に設置することで、ユーザの手元への100 Gbps超の通信回線提供を可能にしています。
●低遅延映像処理技術
各拠点からの映像を縮小し、1つのモニタの画面を分割して表示させる処理について、伝送される映像を入力された順に画面配置を制御しながら表示することで、処理装置への映像入力から出力までの処理遅延を10ミリ秒程度以下で実現しました。
今回の実証では、これら2つの技術を用いて演者の演奏および手拍子を低遅延かつ双方向で配信するとともに、低遅延で音を伝送することで、離れていても同じ場所にいるような双方向性を実現し、ハウリング対策も容易になりました。さらに事前検証等を通じて演奏者が感じるリアリティに大きく影響するスピーカの設置位置等を工夫することで、演奏者が自然に演奏できる音響環境の構築を実現しました。
4. 今後の展開
今回の取り組みを通じて得られるデータ、知見を活かし、文化芸術分野における新しい共創・鑑賞モデルの一つとして、音楽公演やイベント会場、教育現場などにおける多地点間協奏サービスの事業化を検討します。
また、文化芸術分野以外にも、2022年度中にAPNを活用した施策を計画中であり、他分野でも新しい体験をお楽しみいただけるよう、順次実施してまいります。
(*1)IOWN(Innovative Optical and Wireless Network)構想とは、あらゆる情報を基に個と全体との最適化
を図り、光を中心とした革新的技術を活用し、高速大容量通信ならびに膨大な計算リソースなどを提供可能な、
端末を含むネットワーク・情報処理基盤の構想です。
(*2)東日本電信電話株式会社とドルトン東京学園中等部・高等部における連携協定締結
~新たな探究学習モデルの協創・地域の価値創造を実現~
https://www.ntt-east.co.jp/release/detail/20221020_01.html
(*3)国内初!文化芸術分野における新しい共創・鑑賞モデルの実現可能性を検証する低遅延通信技術を活用し
たコンサートを開催
~Bunkamuraオーチャードホール-NTTインターコミュニケーション・センター[ICC]間でのリアルタイム・リ
モート演奏~
https://www.ntt-east.co.jp/release/detail/20220324_02.html
■「第179 回 NTT東日本 N響コンサート」概要
開催日時 2022年11月7日(月)19:00開演(18:30開場)
会場 東京オペラシティ コンサートホール
※中継会場(完全招待制):ドルトン東京学園
主催 NTT東日本
協力 NTT ArtTechnology
出演 指揮/広上 淳一(ひろかみ じゅんいち)
ピアノ/小林 愛実(こばやし あいみ)
管弦楽/NHK交響楽団
曲目 ~オール・ベートーヴェン・プログラム~
序曲「コリオラン」
ピアノ協奏曲第1番 ハ長調 作品15
交響曲第5番 ハ短調 作品67 「運命」
詳細 「NTT東日本N響コンサート」https://www.ntt-east.co.jp/pr/n-kyo.html
新型コロナウイルス拡大に伴う社会情勢の変化によって、音楽業界において海外の演奏者を招聘しての音楽イベントや演奏指導を開催できない事が課題となっています。
一方で、遠隔コミュニケーションへの心理的ハードルが下がり、音楽コンサートのオンライン配信やリモートレッスンの市場が形成され始めています。しかし、従来のリモートコンサートでは、通信や音声・映像の処理により遅延が発生し、ひとつの音楽として成立しづらいという課題があります。
これらの課題に対して、NTTグループはIOWN構想(*1)の柱であるオールフォトニクス・ネットワークの要素技術に関わる映像、音声等を高速・低遅延に伝送する技術に、低遅延に映像処理する技術を組み込むことによる解決をめざします。
同時に、NTT東日本とNTT ArtTechnologyがめざす、文化芸術分野での新しい共創・鑑賞モデルの実現に向けて、複数地点間で演奏する音声・映像を低遅延で伝送することで同じ場所で演奏しているような音楽体験ができる多地点間協奏サービスの可能性を検討してまいります。
2. 実証の概要
「第179 回 NTT東日本 N響コンサート」は、NTT東日本が1985年4月より37年にわたり「音楽はコミュニケーション」をコンセプトにNHK交響楽団の協力を得て開催してきました。今回は、本コンサート初の試みとして、東京オペラシティ(新宿区)とドルトン東京学園(調布市)(*2) をNTTグループが開発している低遅延通信技術でつなぎ、奏者の演奏と観客の手拍子を低遅延かつ双方向で配信しました。
アンコール曲である「ラデツキー行進曲」を、東京オペラシティにいる管弦楽奏者とドルトン東京学園にいるスネアドラム奏者の演奏を相互に伝送し、約10kmの距離を超えて1つの音楽として成立させることに成功しました。さらに、「ラデツキー行進曲」に合わせ、両会場合わせて約1,600名の観客による手拍子を低遅延かつ双方向で配信することで、約10km離れた会場が一つになったような新しい音楽共創・鑑賞を実現しました。
<実証イメージ>
3. 特長
NTTグループが提唱するIOWN構想の柱であるオールフォトニクス・ネットワーク(以下、「APN」)に関わる2つの技術を活用し通信の遅延を短縮する事で、プロの演奏家でもリモート演奏の違和を感じずに演奏が可能であることを2022年3月の実証実験コンサートで確認しました。(*3)
●低遅延伝送技術
電気処理を主体とする通信装置(ルータ、レイヤ2スイッチなど)を使用せず、非IP方式のレイヤ1通信パスをエンド-エンドに設定することで物理的極限に迫る低遅延化を実現しています。このような特徴を持つAPN端末装置をユーザ拠点に設置することで、ユーザの手元への100 Gbps超の通信回線提供を可能にしています。
●低遅延映像処理技術
各拠点からの映像を縮小し、1つのモニタの画面を分割して表示させる処理について、伝送される映像を入力された順に画面配置を制御しながら表示することで、処理装置への映像入力から出力までの処理遅延を10ミリ秒程度以下で実現しました。
今回の実証では、これら2つの技術を用いて演者の演奏および手拍子を低遅延かつ双方向で配信するとともに、低遅延で音を伝送することで、離れていても同じ場所にいるような双方向性を実現し、ハウリング対策も容易になりました。さらに事前検証等を通じて演奏者が感じるリアリティに大きく影響するスピーカの設置位置等を工夫することで、演奏者が自然に演奏できる音響環境の構築を実現しました。
4. 今後の展開
今回の取り組みを通じて得られるデータ、知見を活かし、文化芸術分野における新しい共創・鑑賞モデルの一つとして、音楽公演やイベント会場、教育現場などにおける多地点間協奏サービスの事業化を検討します。
また、文化芸術分野以外にも、2022年度中にAPNを活用した施策を計画中であり、他分野でも新しい体験をお楽しみいただけるよう、順次実施してまいります。
(*1)IOWN(Innovative Optical and Wireless Network)構想とは、あらゆる情報を基に個と全体との最適化
を図り、光を中心とした革新的技術を活用し、高速大容量通信ならびに膨大な計算リソースなどを提供可能な、
端末を含むネットワーク・情報処理基盤の構想です。
(*2)東日本電信電話株式会社とドルトン東京学園中等部・高等部における連携協定締結
~新たな探究学習モデルの協創・地域の価値創造を実現~
https://www.ntt-east.co.jp/release/detail/20221020_01.html
(*3)国内初!文化芸術分野における新しい共創・鑑賞モデルの実現可能性を検証する低遅延通信技術を活用し
たコンサートを開催
~Bunkamuraオーチャードホール-NTTインターコミュニケーション・センター[ICC]間でのリアルタイム・リ
モート演奏~
https://www.ntt-east.co.jp/release/detail/20220324_02.html
■「第179 回 NTT東日本 N響コンサート」概要
開催日時 2022年11月7日(月)19:00開演(18:30開場)
会場 東京オペラシティ コンサートホール
※中継会場(完全招待制):ドルトン東京学園
主催 NTT東日本
協力 NTT ArtTechnology
出演 指揮/広上 淳一(ひろかみ じゅんいち)
ピアノ/小林 愛実(こばやし あいみ)
管弦楽/NHK交響楽団
曲目 ~オール・ベートーヴェン・プログラム~
序曲「コリオラン」
ピアノ協奏曲第1番 ハ長調 作品15
交響曲第5番 ハ短調 作品67 「運命」
詳細 「NTT東日本N響コンサート」https://www.ntt-east.co.jp/pr/n-kyo.html
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