ヘラルボニー、「誰もが異彩を放つ社会」の実現へ。盛岡・カワトク百貨店に誕生した実験場Cafe&Dining&Bar「無題」

“ふつう”のないカフェで、多様性を活かした働き方へ向けた新しい取り組み

ヘラルボニー

株式会社ヘラルボニー(本社:岩手県盛岡市/代表取締役Co-CEO:松田 崇弥・松田 文登/以下、ヘラルボニー)は、「誰もが異彩を放つ社会」の実現を目指し、盛岡市中心部にある百貨店パルクアベニュー・カワトク(以下:カワトク)1階に旗艦店『HERALBONY ISAI PARK』を3月にオープンしました。ギャラリー、ストア、そしてCafe&Dining&Bar『無題』(以下、カフェ「無題」)を併設したこの空間は、障害の有無にかかわらず、ありのままを受け入れる公園のような場所を目指しています。

カフェ『無題』では、岩手県滝沢市の福祉事業所「いわてひだまり農園」と連携し、現在5名の利用者が施設外就労という形でともに運営を担うキャストとして、日々働いています。従来の就労支援の枠を越え、誰もが輝く社会の在り方を食や接客を通じて来場者が体感できる場です。この取り組みを通じて、ヘラルボニーは盛岡のまちに根ざしながら、多様な人々が交差し、共に過ごす”ふつう”のない社会をISAI PARKから育てていきます。

取り組みが生まれた背景

障害のある方の「働く」機会は、これまで保護や就労訓練という枠組みの中で語られることが多く、社会との接続や共創という視点では十分に語られてきませんでした。日本では「就労移行支援」「就労継続支援A型・B型」などの制度が整備されている一方で、一般就労とのあいだには依然として高いハードルが存在します。※1

2024年時点で障害者の民間企業雇用数は約67.7万人、実雇用率は過去最高の2.41%に達したものの、法定雇用率(2.5%)を達成する企業は46.0%にとどまっており、「ともに働く」という実感にまで至っていないのが現状です。※2

ヘラルボニーは「表現や存在そのものが価値となる社会」を体現する場として、2025年3月29日に『HERALBONY ISAI PARK』を立ち上げました。中でもカフェ「無題」は、支援や就労訓練などの形ではなく、施設外就労としてともに働き、ともに場をつくることを大切にした実験的な場です。

岩手県滝沢市の福祉事業所「いわてひだまり農園」と連携し、現在5名のキャストの方々が日々接客やホール業務を担っています。お客様からは「穏やかな時間だった」「接客そのものに気持ちがこもっていた」といった声も届いており、誰かの働きが、誰かの記憶に残るという循環が生まれはじめています。

障害のある方が百貨店で働くという風景が、特別ではなく日常になっていくように。ヘラルボニーはこれからも、盛岡というまちに根ざしながら、多様な人が交差する“ふつう”のない社会のモデルとなることを目指していきます。

※1 厚生労働省|障害者就労の現状

※2 厚生労働省|障害者雇用状況の集計結果

カフェ「無題」の取り組みと、キャストたちの存在

現在、カフェ「無題」では、岩手県滝沢市の福祉事業所「いわてひだまり農園」より5名のキャストが勤務し、ホールでの接客や片付けなど、カフェ運営に欠かせない業務の数々を担っています。お客様を「いらっしゃいませ」と迎え注文をうかがい、「ごゆっくりどうぞ」とお料理やドリンクを提供し、「ありがとうございました」と感謝を込めてお見送りする。日々のカフェの中である一つひとつの行動がキャストの皆さんの存在によって、やわらかく、丁寧な時間へと変わっています。実際にご来店いただいたお客様からは、以下のような声が寄せられています。

ご来店いただいたお客様からの声(一部抜粋)

・「丁寧に対応してくださり、温かい気持ちで飲食を楽しめました。思わず笑みがこぼれるような、豊かで穏やかな時間で、カフェで過ごしたいと思える心地よい接客でした」

・「障害の有無に関係なく、自然と笑みがあふれる時間を過ごせました」

ご来店時のエピソード

・10名以上の団体が来店された際も、慌てることなく、スタッフのケイスケさんがアートコースターを手際よく配布。まるでトランプを配るように一人ひとりにコースターを届ける姿に主体性と柔軟さが感じられ、お客様もそのコースターに釘付けになっていました。

・「今日サラさんはいらっしゃいますか?」というお客様が再来店。「前回、素敵なお皿ですねと話しかけたら、“ありがとうございます、私の名前もサラなんです”と返してくださって。真面目なようで冗談のようなやりとりが楽しくて、ファンになりました」とのエピソードも寄せられています。

言葉やエピソードの一つひとつが、カフェ「無題」が目指す誰もが心地よく働き、誰かの居場所になるという在り方を、確かな手応えとして示してくれています。

鈴木学 一般社団法人ひだまり農園 代表理事/株式会社スタディア 代表取締役からのメッセージ

『共創から生まれる新たな共生のかたち』

今回の挑戦に先立ち、私は店長の大田様に1つの質問をしました『スタッフとしてどのような人材を想定していますか』。大田様からいただいたのは、『このISAI PARKという場に新しい価値を提供してくださる方です』という心強いお言葉です。失敗が日常でも構わない、お客様をも巻き込みながら誰もがありのままでいられる場をこの岩手から発信したい、という熱意を確かに感じました。同時に、障害者支援に携わる我々が成し遂げるべき確かな使命がここにあると直感しました。異彩が交差するISAI PARKで、ここに集う全ての皆様と共に、支援する側・される側という枠を超えた新しい関係性を築き上げる、そしてここからまた未来へ伝え届けることを我々の使命として歩んでいきたいと思います。

カフェで働くキャストのご紹介

左から:コウキさん、カイさん、ケイスケさん、ユカさん。サラさんは「恥ずかしい」とのことで撮影は4名で。
  • コウキさん:状況把握が得意で仕事も丁寧。スポーツは特に野球が好きで、その知識は群を抜いています。

  • カイさん:正確で落ち着いた対応が魅力。注文確認や配膳を丁寧に行っています。

  • ケイスケさん:いつも元気な挨拶が印象的。場を明るくするムードメーカーです。

  • ユカさん:気配り上手で、テーブルの状況をよく見ながら臨機応変に動いてくださいます。

  • サラさん:やわらかな物腰と笑顔で、どんな場面でも周囲をほっとさせてくれる存在。

カフェという日常的な空間で、人と人との関係性が自然に交わり「共に働く」という感覚がじんわりと広がっていく。それこそがカフェ「無題」で大切にしている空気感です。

“ふつう”のないカフェ

カフェ「無題」は”ふつう”の定義を揺るがす場所として、「就労」や「職場」といった既存の価値観をやさしく問い直し、人が人としてそこにいること、それぞれがその人らしく働くことの豊かさを映し出していきたいと思っています。

ここで生まれる小さなやりとりや、ささやかな感動は、地域社会や来場者への視点のアップデートとしてヘラルボニーは今後も、障害のある方々がありのままに輝く環境を、カフェに限らず、アートの枠をも超えて、あらゆる場所に広げていきます。どんな環境であっても、一人ひとりがその人らしく働けること。選択肢があり、機会が開かれていること。その実現を、待つのではなく、自分たちからつくっていきます。 ISAI PARKを起点に、働き方や共生のあり方を問い続け、誰もが居場所を感じられる社会を目指し続けます。

店舗情報・アクセス

HERALBONY ISAI PARK

Cafe&Dining&Bar「無題」

〒250-0631 岩手県盛岡市菜園1‐10‐1パルクアベニュー・カワトク1階

・カフェ:10:00〜19:00

・キャストの勤務時間:平日11:00〜15:00

※上記時間帯は、ひだまり農園のキャストがホール業務などを担当しています。ぜひ温かな接客とともに、ゆったりとした時間をお楽しみください。

・ストア&ギャラリー:10:00〜19:00

休業日:パルクアベニュー・カワトクの休館日に準ずる

公式サイト:ISAI PARK|HERALBONY

新たなフード&ドリンクメニューが登場

6月14日(土)より、カフェ「無題」にて、新たなメニューが登場します。心とからだにやさしい味わいで、ISAI PARKのゆったりとした空間にぴったりのラインナップとなっております。

【ダルカレープレート】¥1,200(税込)※小麦含む

レンズ豆をじっくり煮込んだ、南インド風のやさしいダルカレー。香ばしい特製スパイスオイル(マスタードシード・クミンシード・ケシの実・ヒング入り)がアクセント。ご飯にはひだまり農園さんのお米を使用。豆の自然な甘みと、ザクザク香るスパイスの食感、そしてふっくら炊き上げたお米のやさしい味わいが一体となり、心温まる一皿に仕上がりました。

【椿茶(ICE)】¥600(税込)

三陸の海風と寒さが育てた自生の椿の葉を、手摘み・手揉み・焙煎で丁寧に仕上げた自然茶。ノンカフェイン・ノンカロリーで、ほんのりとした甘さが広がります。暑い季節にもぴったりの、からだにやさしい一杯です。

このほか、ホットサンドメニューも登場予定。ぜひISAI PARKの新しい味を店頭でお楽しみください。

『ISAI MARCHE PARK』も開催中

ISAI PARKでは、2025年5月より「異彩(イサイ)」に併せた毎月第1・第3土曜日に、岩手県盛岡市にある旗艦店『HERALBONY ISAI PARK』にてマルシェイベント『ISAI MARCHE PARK』を開催しています。 ※現在は第1土曜日のみ開催中

地域食材を使用したこだわりの食文化を楽しめる他、夜にはDJイベントも開催。ヘラルボニーが目指す未来を可視化した公園=ISAI PARKで誰もがそこに集い、混ざり合う。心がほどける文化の交差点にぜひお立ち寄りください。

過去の開催の様子や最新情報は公式Instagramからご覧いただけます。


【株式会社ヘラルボニー概要】

「異彩を、 放て。」をミッションに、障害のイメージ変容と福祉を起点に新たな文化の創出を目指すクリエイティブカンパニー。障害のある作家が描く2,000点以上のアート作品をIPライセンスとして管理し、正当なロイヤリティを支払うことで持続可能なビジネスモデルを構築。自社ブランド「HERALBONY」の運営をはじめ、企業との共創やクリエイティブを通じた企画・プロデュース、社員研修プログラムを提供するほか、国際アートアワード「HERALBONY Art Prize」の主催など、アートを軸に多角的な事業を展開しています。2024年9月より海外初の子会社としてフランス・パリに「HERALBONY EUROPE」を設立。

会社名:株式会社ヘラルボニー / HERALBONY Co.,Ltd.

所在地:岩手県盛岡市開運橋通2-38(本社)、〒104-0061 東京都中央区銀座2丁目5−16 銀冨ビル3F受付(東京拠点)

代表者:松田 崇弥、松田 文登

コーポレートサイト:https://www.heralbony.jp

オンラインストア:https://store.heralbony.jp/

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会社概要

株式会社ヘラルボニー

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URL
http://www.heralbony.jp/
業種
商業(卸売業、小売業)
本社所在地
岩手県盛岡市開運橋通2-38 HOMEDELUXビル4F HERALBONY
電話番号
-
代表者名
松田 崇弥、松田文登
上場
未上場
資本金
3000万円
設立
2018年07月