豪華な宴の背後に潜む、世界の脆さと問い。谷原菜摘子が描き下ろし新作群で挑む個展「晩餐」がGallery 舞台裏(麻布台ヒルズ)にて9月4日から開催
9月13日(日)限定、作品世界を五感で味わう特別企画「谷原菜摘子の晩餐会」を開催

株式会社The Chain Museum(本社:東京都渋谷区、代表取締役:遠山正道、以下「The Chain Museum」)は、当社が運営する「Gallery 舞台裏」(麻布台ヒルズ内)にて、谷原菜摘子 個展「晩餐」を2026年9月4日(金)〜10月11日(日)に開催いたします。
本展では、ベルベット地に鮮やかな色彩で描かれた「晩餐」をテーマとする描き下ろし新作群を発表するほか、会期中には作品世界を食で体感する一夜限りの「晩餐会」イベントも実施いたします。
※2026年9月4日(金) 18:00より、予約制のレセプションを開催予定です。(参加無料、要予約、チケット制)
主催者コメント
「Gallery 舞台裏」では、谷原菜摘子による個展「晩餐」を開催いたします。
谷原は、2021年に京都市立芸術大学美術研究科博士課程を修了し、現在は関西を拠点に活動しています。その作品は「自身の負の記憶と人間の闇を混淆した美」を描き出すものであり、赤や黒のベルベットを支持体に、スパンコールやグリッター、金属粉などを用いて幻想的な物語を描き出す表現で知られています。近年では京都市京セラ美術館、国立国際美術館、兵庫県立美術館、大原美術館、大阪中之島美術館、徳島県立近代美術館など複数の美術館に作品が収蔵されるなど、活躍の幅を広げています。
谷原は、「晩餐」の場面を舞台に、本展のため新作群を描き下ろしました。展示空間には、鮮やかな色彩に彩られた豪勢な食卓の場面が広がっています。溢れんばかりの美食と美酒、生の享楽を謳歌する人々。しかし、この宴は、決してすべての人にもたらされる永遠の祝福ではありません。煌びやかな世界の背後にある現実の世界は不均衡に支配され、濁流が私たちのすぐ足元に迫っています。たとえ戦禍の現実がすぐ側に迫っていても、同じ食卓につく誰かが闇へと沈んでいっても、無関心な宴の参加者たちは惨状に気がつくことはありません。谷原が作品を通じて問いかけるのは、今この瞬間を生きる一瞬の悦楽と、眼前の惨状を受け入れることのできない冷徹な人間の倫理なのです。
観客であるあなたも、無関係の傍観者ではいられません。世界が闇に沈んでしまう前に、この甘美な晩餐会をお楽しみください。
アーティストコメント
晩餐へのご招待
谷原菜摘子
自分に崩壊が迫っていても、濁流に飲み込まれそうになっていても、人はその危機に気が付かないのではないだろうか。あるいは気が付いていたとしても、目を背け、「まだ大丈夫」と思い込んでしまうのではないだろうか。
遠くの国で戦争が起こり、多くの命が失われていても、それは私たちの日常からは遠い出来事のように感じられる。しかし、その影響は物価の高騰や社会の変化となって静かに生活へ入り込み、気付かぬうちに私たち自身を侵食していく。それでも、人は崩壊が目前に迫るまで、それを自分自身の問題として受け止めることができない。
世界は、一つの食卓のようだ。
そこには色とりどりの料理が並び、人々は語らい、笑い、酒を酌み交わす。しかし、席の位置や力関係、他者への遠慮や見栄によって、誰もが等しくその恵みを享受できるわけではない。目の前に料理があっても、全ての招待客に等しくカトラリーが与えられるわけではない。私たちは目の前の皿だけでなく、周囲の視線や空気にも支配される。正しいと思いながら手を差し出せないこともあれば、皆が向かう方向へと自ら歩んでしまうこともある。
そして、食卓の一番端に座る誰かが闇へ沈んでも、遠く離れた席の者は会話を続け、料理を味わい続ける。自分には関係ないと信じているからだ。しかし闇は静かに食卓を覆い、一人、また一人と飲み込んでいく。ようやく自分の足元が崩れ始めたときには、もはや逃れる術はない。
だから、この作品も一つの「最後の晩餐」なのだ。
彼も、彼女も、豪華な料理も、燭台も、カトラリーさえも、やがて闇へと落ち、二度と同じ晩餐は訪れない。
だからこそ、その日が来るまで、人は食べ、語らい、愛し、美しいものを求め、祝宴を開くのだろう。
落ちてすべてが失われる前に、この晩餐に並ぶ特別な馳走と美酒を、あなたにも味わっていただければ幸いである。

©Natsuko Tanihara, courtesy MEM
谷原菜摘子の晩餐会
谷原菜摘子個展「晩餐」が麻布台ヒルズ内「Gallery 舞台裏」にて開催。2026年9月13日(日) 18:00より、谷原菜摘子による晩餐会を開催いたします。
14年間都内のブーランジェリーに勤務し、本場フランスでの経験を積んだシェフ・小川呂美が手がける、本展のためだけの特別なメニューをお楽しみいただけます。
※当日はアーティストも同席いたします。
おしながき(メニューは仕入れによって変動します)
お料理(一例):
アミューズ
・シャンパンと少しのキャビア「贅沢と祝福、宴の始まり」
アントレ
・イチジクと花のサラダ「花は美しく咲くと同時に枯れる」
メイン
・アッシュパルマンティエ「肉と土、生と死の境界」
プレデセール
・フロマージュブラン「浄化、静寂」
フロマージュブランにライチシャーベットとオリーブオイル、フルールドセルをぱらり「祝祭の熱が静かに鎮まる」
デセール
・「祝祭の終わりとともに現れる虚無と終焉」
ドリンク(一例):
各種ワイン、ビール
ソフトドリンク
日時:下記いずれかの日時をご選択ください。
2026年9月13日(日)18時
2026年10月4日(日)18時
価格:¥10,000(税込)/ 1名
定員:各回7名
場所:Gallery 舞台裏
体験時間:約120分
※ドリンク代は別途、当日会場にてお支払いいただきます。
※アレルギー食材がある場合は、予約画面の最後に表示されるアンケート欄にてご記入ください。
※料理やお飲み物のご希望などございましたらご相談ください。
アーティストプロフィール

谷原菜摘子/ TANIHARA Natsuko
1989年埼玉県生まれ。2021年京都市立芸術大学美術研究科博士課程修了。2015年第7回絹谷幸二賞、2016年VOCA奨励賞、2021年第39回京都府文化賞奨励賞、咲くやこの花賞、2025年度兵庫県芸術奨励賞、亀高文子記念―赤艸社賞を受賞。黒や赤のベルベットを支持体に、油彩やアクリルのほかにグリッターやスパンコール、金属粉なども駆使し、「自身の負の記憶と人間の闇を混淆した美」を描く。2017年五島記念文化賞新人賞を受賞後、パリへ1年間の研修滞在。2021年国文学研究資料館のアーティスト・イン・レジデンス「ないじぇる芸術創生ラボ」に参加し、古典籍から着想を得た作品を制作。2022年江戸糸操り人形劇団「結城座」に人形美術と宣伝作画を担当し、その後も文楽や能などの伝統芸能とのコラボレーションも行っている。近年は、パブリックコレクションとして、京都市京セラ美術館、国立国際美術館、兵庫県立美術館、大原美術館、大阪中之島美術館、徳島県立近代美術館など。
Instagram(@natsuko_tanihara)
Information
谷原菜摘子個展「晩餐」
会期
2026年9月4日(金) 〜 10月11日(日)
※レセプション:9月4日(金) 18:00より開催予定(参加無料、要予約、チケット制)
※谷原菜摘子の晩餐会:9月13日(日) 18:00より(有料、要予約)
アーティスト
谷原菜摘子
営業時間
11:00〜18:00
定休日
月曜日 ※月が祝日の場合は翌日が定休日となります。
観覧料
無料
会場
Gallery 舞台裏
住所
〒105-0001 東京都港区虎ノ門5-8-1
麻布台ヒルズ ガーデンプラザA B1F
アクセス
・東京メトロ日比谷線神谷町駅5番出口より、駅直結 徒歩1分
・エレベーターあり、バリアフリー
・車椅子、ベビーカーの入場可能
主催
ArtSticker(運営:The Chain Museum)
協力
MEM
展覧会詳細
https://artsticker.app/events/133520
会場:Gallery 舞台裏

「Gallery 舞台裏」は、ArtStickerを運営する(株)The Chain Museumがプロデュースするアートギャラリーです。舞台の余韻が残る中で演者と観客が舞台裏で親密に語り合うように、作品鑑賞だけではなく、人々の交流を内包する空間として設計されました。グローバルに美術史を織りなすベテランから、熱い視線を集める新進気鋭の若手アーティストまで、ときには食体験やパフォーマンスの要素も取り入れて企画します。
この空間を構成するのは、スチールパイプで組まれたフレームとそこに掛けられた仮設的な展示壁のみです。26坪という決して広くはないスペースですが、床の高低差、照明の明るさや色温度、仕上げの違いを使い分けることで、2つの異なる雰囲気を与えています。ユニークな空間づくりによって、オモテとウラをシームレスに味わえる場を目指しました。あらゆる隙間から視線や気配が入り混じる相互干渉を、新しい鑑賞体験として提案しています。
▽Instagramアカウント
https://www.instagram.com/butaiura_artsticker/
ArtSticker(アートスティッカー)について

株式会社The Chain Museumが運営する、アートに出会う機会と、対話を楽しむ場所を提供し、アート鑑賞の「一連の体験をつなぐ」プラットフォーム。著名アーティストから注目の若手アーティストの作品まで、幅広く収録。作品のジャンルも、インスタレーション、絵画、パフォーミングアーツなど、多岐にわたっています。
また、ArtStickerはデジタル上だけでなく、リアルでユニークな場所と出会うことで、アートやアーティストが世界と直接つながることを希求しています。
▽ArtSticker Webサイト
▽ArtSticker ダウンロードURL
App Store:https://apps.apple.com/app/artsticker/id1446438049
株式会社The Chain Museum概要
社名 :株式会社 The Chain Museum(読み:ザ・チェーンミュージアム)
所在地 :東京都渋谷区猿楽町17-10 代官山アートビレッジ3階 代官山TOKO
代表者 :代表取締役 遠山 正道
▽株式会社 The Chain Museum 公式Webサイト
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