北海道における低炭素エネルギー地産地消の取り組み開始
~廃食油を活用したバイオ混合燃料による船舶の試験運航を実施~
出光興産株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:木藤 俊一、以下「当社」)は、国内におけるバイオ混合燃料の普及と低炭素エネルギーの地産地消の促進に向けた取り組みとして、道内で回収された廃食油由来のFAME※とA重油を混合した「バイオ混合燃料」を使用した船舶の試験運航を厳冬期である2023年2月中旬から3月初旬にかけて実施しました。
※脂肪酸メチルエステル(Fatty Acids Methyl Ester)。廃食油をメタノールと反応させて軽油と同等の性状にしたもので、バイオ燃料のメイン基材となる。
※脂肪酸メチルエステル(Fatty Acids Methyl Ester)。廃食油をメタノールと反応させて軽油と同等の性状にしたもので、バイオ燃料のメイン基材となる。
バイオ混合燃料による試験運航のサプライチェーンイメージ
試験運航にあたり、当社は株式会社セコマのグループ会社である株式会社白老油脂より、道内のコンビニエンスストアなどから回収した使用済み食用油を用いて製造されたFAMEを調達しました。調達したFAMEはナラサキ石油株式会社が苫小牧港内で運航する配給船へ供給し、バイオ混合燃料による試験運航を実施しました。なお、この試験運航は配給船のエンジンメーカーである株式会社IHI原動機の立会いのもと行われました。
今回使用したバイオ混合燃料は、FAMEを20%以上の割合で混合したものであり、既存の船舶用内燃機関で使用可能であるとともに、従来の船舶用燃料と比較して15~18%程度のCO2排出削減効果を期待することができます。
当社は2022年11月に発表した「中期経営計画(2023~2025年度)」において、下記3つの事業領域の社会実装を通じ、事業ポートフォリオ転換を推進することを表明しました。
本取り組みは上記3つの事業領域のうち「一歩先のエネルギー」の開発と社会実装に向けた取り組みと位置付けています。
当社は今後、分析評価を実施し、今回の試験運航で得たバイオ混合燃料に関する知見をもとに、より大型の船舶での利用や寒冷地における常時利用を含めた実用化検討を進め、バイオ混合燃料の普及を図るとともに、「エネルギーの地産地消」の実現に貢献します。
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