弥生が参加する「社会的システム・デジタル化研究会」が、「デジタル化による個人所得申告の新しいあり方に向けた提言」および関連する海外調査報告書を発表

弥生株式会社

 弥生株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員 兼 CEO:武藤健一郎、以下「弥生」)は、当社を含むソフトウェア事業者などが参加する一般社団法人ソフトウェア協会(SAJ)政策・法務知財委員会「社会的システム・デジタル化研究会」(通称:Born Digital研究会)が、このたび「デジタル化による個人所得申告の新しいあり方に向けた提言」および「調査報告書 イギリスにおける税務のデジタル化」を発表したことをお知らせします。

 本提言は、確定申告や年末調整など、日本における個人所得申告に関する社会的システムの多くがいまだ紙を前提とした年次処理の構造を残しているとの課題意識から策定されました。電子申告や行政手続APIの普及により「電子化」は進んでいる一方、デジタルを前提として業務プロセス全体を組み替え最適化する「デジタル化」には至っていません。研究会の試算では、特に年末調整業務において、社会全体で年間約1,000億円から3,000億円規模のコストが発生しているとされています。

 本提言では、社会全体としてのコスト最小化と利便性向上を図るため、年末調整・確定申告・給与支払報告・住民税・社会保険・給付等を「電子化」によって個別最適で見直すのではなく、デジタルを前提として、所得情報を起点とする一連の社会的システムとして再設計する「デジタル化」を提言しています。

<公開資料>

「デジタル化による個人所得申告の新しいあり方に向けた提言」

URL:https://www.saj.or.jp/uploads/ckfinder/Commitee/bd/20260930_BornDigital_Personal_Income_v1_0.pdf

「調査報告書:イギリスにおける税務のデジタル化
~Real Time Information、Making Tax Digital、デジタルインボイス」

URL:https://www.saj.or.jp/uploads/ckfinder/Commitee/bd/20260930_UK_Tax_Digitalisation_Report_v1_0.pdf

提言の主な要点

個人所得申告の簡易化:年末調整の簡易化と給与支払報告のリアルタイム化

本提言では、年末調整を確定申告の「簡易版」として再定義し、対象者や控除の絞り込み等による徹底的な簡易化を図ることを提案しています。あわせて、現在は年1回の給与支払報告を月1回のデジタル報告へとリアルタイム化し、所得税・住民税・社会保険・労働保険・公的統計にまたがる事業者報告のワンスオンリー化(一度の報告で完結する仕組み)を目指すべきであるとしています。また、リアルタイムに近い所得情報を活用し、住民税の現年課税化に向けた継続的な検討を行うことも提案しています。

個人所得情報基盤の整備:将来的な「ワンクリック確定申告」の実現と税・給付への活用

本提言では、給与所得、事業所得や控除等の情報を、本人が確認できる形で集約・蓄積する個人所得情報基盤の整備を提案しています。これにより、個人が随時自らの所得・控除情報を確認でき、将来的には申告を必要とする個人がワンクリックで確定申告を完了できる状態を目指すべきであるとしています。さらに、適切な法的根拠および本人に対する透明性、アクセス制御や監査可能性を確保したうえで、この基盤を所得に応じた給付、税額控除、緊急時支援等にも活用し得るものとして位置付けています。

プラットフォーム連携による個人事業主の所得申告の簡易化

本提言では、デジタル・プラットフォーム事業者を通じた取引データの集約や、会計・申告ソフトウェアとのAPI連携、申告・納税プロセスの自動化等により、多様化・増加する個人事業主や副業層の申告・納税の負担を軽減することを提案しています。プラットフォーム上で発生した取引データを、可能な限り発生源に近い段階でデジタル化し、記帳漏れや申告漏れを防ぐことで、本人・行政・民間サービス事業者のいずれにとっても効率的な仕組みを目指すべきであるとしています。

イギリスの現地調査報告書も同時公開

 提言の策定にあたり、給与支払報告のリアルタイム化(Real Time Information:RTI)や記帳・申告プロセスのデジタル化(Making Tax Digital:MTD)などを先行して進めてきたイギリスにおいて、HMRC(イギリス歳入関税庁)、ソフトウェアベンダー、会計・税務専門家への現地ヒアリングを実施しました。この結果を「調査報告書:イギリスにおける税務のデジタル化」として同時に公開します。
調査報告書では、RTIが単なる給与支払報告の頻度変更ではなく、Universal Creditやコロナ禍の雇用維持給付(CJRS)にも活用された所得情報基盤であったこと、MTD for VATとMTD for Income Taxでは業務プロセス変更の大きさと追加費用の違いが改革の受容性を左右したこと、今後義務化が予定されているデジタルインボイスは取引発生源データを標準化する次の段階の改革であることを整理しています。

 イギリスでの経験からは、デジタル化を伴う改革の難易度は「既存の業務プロセスをどの程度変えるか」と「対象者にどの程度の追加費用が発生するか」に大きく依存すること、また、明確なロードマップに加え、政府・ソフトウェアベンダー・会計・税務専門家等のステークホルダーによる継続的な「共創(Co-creation)」が不可欠であることが確認されました。

 これらの知見は、日本においても、給与支払報告のリアルタイム化、個人所得情報基盤の整備、プラットフォーム連携などを個別の制度改正としてではなく、社会的システム全体の制度設計として捉える必要があることを示しています。

社会的システム・デジタル化研究会について

 社会的システム・デジタル化研究会は、一般社団法人ソフトウェア協会 政策・法務知財委員会の下に設置された研究会です。民間ソフトウェアベンダー等が参加し、税・社会保障・行政手続等を、紙を前提とした既存プロセスの延長ではなく、デジタルを前提として再設計することによって社会全体としての効率を抜本的に向上させ、社会的コストの最小化を図ることを目指し、調査・提言活動を行っています。

【一般社団法人ソフトウェア協会について】

Software Everywhere ~すべてはソフトウェアで動く、これからのデジタル社会へ~

SAJは、すべてのソフトウェアを対象とし、デジタル社会を推進するために、「ソフトウェア(国)の未来を創る」をビジョンに見据え、ソフトウェアに関わるすべての組織(チーム)・人をサポートすることをミッションとし、活動しています。

URL:https://www.saj.or.jp/

【弥生株式会社について】

弥生は「中小企業を元気にすることで、日本の好循環をつくる。」というミッションを掲げ、バックオフィス業務を支援するソフトウエア「弥生シリーズ」を開発・販売・サポートする企業です。「弥生シリーズ」は登録ユーザー数 400万を超え、多くのお客さまにご利用いただいています。

弥生の強みであるお客さまとのネットワーク、蓄積された膨大なデータ、業界最大規模のカスタマーサービスセンター、パートナーとのリレーションシップを、AIをはじめとしたテクノロジーと掛け合わせることで、中小企業の皆さまがありたい姿へ進むことを支援してまいります。 

  

代表者:代表取締役 社長執行役員 兼 最高経営責任者(CEO) 武藤 健一郎

創業:1978年

従業員数:792名(2026年9月現在※役員を除く)

事業内容:業務ソフトウエアおよび関連サービスの開発・販売・サポート 

本社所在地:東京都千代田区外神田4-14-1 秋葉原UDX21F

URL: https://www.yayoi-kk.co.jp

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会社概要

弥生株式会社

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https://www.yayoi-kk.co.jp/
業種
情報通信
本社所在地
東京都千代田区外神田4-14-1 秋葉原UDX 21F
電話番号
-
代表者名
武藤 健一郎
上場
未上場
資本金
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設立
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