マスクをしていてもツヤと色の仕上がりが続く口紅を開発 唇上で分離するカラー層とツヤ高いフィルムコート層により実現
株式会社コーセー(本社:東京都中央区、代表取締役社長:小林 一俊)は、マスクをしていてもツヤと色の仕上がりが長時間持続する口紅技術を開発しました(図1)。これは唇に塗布することで、口紅が色味のあるカラー層とそれを覆うツヤのあるフィルムコート層に分離し、それぞれの機能を発揮する技術です。この研究成果は、2023年5月16日発売のスティック口紅「ヴィセ ネンマクフェイク ルージュ(※)」に応用されます。
(※)2023年3月10日発行ニュースリリース https://corp.kose.co.jp/ja/news/7921/
これまでのラスティング効果をかなえる技術は、粉体を高配合して付着性を上げたり、皮膜形成剤により塗布膜全体に強靭さを与えるものが多かったため、不透明でマットな膜になりやすく、ツヤを出すのが難しいという課題がありました。そこで今回、口紅製剤が唇上で色味のある「カラー層」とそれを覆うツヤのある「フィルムコート層」に分離し、ツヤと色の両方を持続させる口紅製造技術を開発しました。このフィルムコート層は透明でツヤ高い設計が可能であり、カラー層を厚く覆うように存在するため、マスクなどにはフィルムコート層の一部のみが付着することになり、ツヤと色の仕上がりを持続させることができます (図2)。
また、外部機関の専門色判定者によるラスティング効果の検証と試験参加者33名へのアンケートを実施しました。その結果、専門評価者による評価ではラスティング効果が認められ、アンケートでは約90%の参加者が8時間後の色持ち効果ありと回答しました。
(※)2023年3月10日発行ニュースリリース https://corp.kose.co.jp/ja/news/7921/
図1 開発した口紅のマスク着用下でのツヤと色のラスティング効果
- 研究の背景
- ツヤと色の仕上がりを持続させるフィルムコート層分離技術の開発
図2 開発品のラスティング効果のメカニズム
これまでのラスティング効果をかなえる技術は、粉体を高配合して付着性を上げたり、皮膜形成剤により塗布膜全体に強靭さを与えるものが多かったため、不透明でマットな膜になりやすく、ツヤを出すのが難しいという課題がありました。そこで今回、口紅製剤が唇上で色味のある「カラー層」とそれを覆うツヤのある「フィルムコート層」に分離し、ツヤと色の両方を持続させる口紅製造技術を開発しました。このフィルムコート層は透明でツヤ高い設計が可能であり、カラー層を厚く覆うように存在するため、マスクなどにはフィルムコート層の一部のみが付着することになり、ツヤと色の仕上がりを持続させることができます (図2)。
この技術のポイントは、2つの層をきれいに分離させることにあります(図3)。これにより、フィルムコート層の透明度やツヤ高さを最大限発揮させ、それを維持することができるようになります。これらの実現には、分離を促す成分の配合や、それぞれの層が混ざらないような処方設計、フィルムコート層の厚みを維持するための粘度の設計など、製剤技術の検討を重ねました。その結果、きれいに2層に分離する口紅製剤を設計することができました。
- ツヤと色のラスティング効果の検証
また、外部機関の専門色判定者によるラスティング効果の検証と試験参加者33名へのアンケートを実施しました。その結果、専門評価者による評価ではラスティング効果が認められ、アンケートでは約90%の参加者が8時間後の色持ち効果ありと回答しました。
- 今後の展望
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