シヤチハタ、AnchorZとDigital Platformerの3社体制で「本人証明サービス」を2026年9月に提供開始
〜証明の貸し借りや紛失によるなりすましを防ぎ、次世代の入退室管理を実現〜
ユーザーファーストを追求し次の100年も「しるしの価値」を提供し続けるシヤチハタ株式会社※(代表取締役社長 舟橋 正剛 本社:愛知県名古屋市)は、株式会社AnchorZ(本社:東京都台東区、以下「AnchorZ」)、Digital Platformer株式会社(本社:東京都千代田区、以下「Digital Platformer」)と協業し、2026年9月より次世代の「本人証明サービス」を提供開始します。
※社名表記は「シャチハタ」ではなく「シヤチハタ」です。
「本人証明サービス」は、本人であることや保有する資格・権限などを示すデジタル証明を、本人自身がスマートフォンに保持し、必要な場所で提示・検証できるサービスです。提供開始時は、企業・事業所におけるデジタル社員証を用いた入退室管理と、商業施設・百貨店などの入館および権限確認を対象とします。他人の証明を使って通ろうとしても、入口で本人確認が成立しないようにすることで、確実な入退室管理を実現します。
シヤチハタは1925年の創業以来、印章、電子決裁、クラウドサービスを通じて、本人の意思と信頼を社会に伝えるしるしを、時代に合わせた形で提供してきました。本サービスでは、2社の技術を一つの仕組みとして現場に届け、導入と運用、証跡の責任を担います。
本サービスの提供に合わせ、本日8月31日(月)より、実際の業務現場での実証にご協力いただける企業・団体の募集を開始します。
■開発の背景
企業や施設における本人確認では、ICカードの貸し借りや紛失、退職者カードの失効漏れ、ログイン後の第三者利用など、「認証した後」の本人性をどのように維持するかが課題となっています。これらの問題はすべて、「認証媒体(カードや鍵など)の所持者が、必ずしも正当な持ち主本人とは限らない」という構造上の根本的な弱点が原因となっています。さらに、物理カードの発行や配布、回収、現場ごとに繰り返される確認作業など、運用面の負担も企業の重い課題となっています。
また、データの扱いも課題の1つとして挙げられます。従来型の顔認証では、顔の特徴量を事業者または委託先が管理するデータベースに登録して照合する構成が一般的でした。施設は、その保管を委託する場合でも、委託先の監督責任(個人情報保護法第25条)を含む保管と安全管理の責任を負います。身体的特徴そのものは、パスワードのように取り替えることができません。個人情報の漏えいへの関心が高まるなか、本人確認を厳格にするほど、施設が背負うデータ管理の責任や負担が増えてしまうというジレンマがありました。
このような背景から、近年は、デジタル証明の分野でDID/VC(分散型識別子/検証可能な資格情報)を用いた国際標準の整備が進み、証明を本人自身が保持し、必要な属性だけを選んで提示できる仕組みが実用段階に入りつつあります。しかし、この標準規格においても「提示している人物が、その証明の持ち主本人であるか」を確かめる方法までは定められていません。
本サービスは、この技術的な空白を埋め、「証明書の真正性」と「所持者の本人性」を同時に担保する次世代のインフラを提供すべく開発されました。
■「本人証明サービス」の仕組みと特長
本サービスは、次の4つの機能を一体として提供します。
【仕組み】

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機能 |
内容 |
|---|---|
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発行 |
企業や団体が、本人に在籍・資格・権限などのデジタル証明を発行 |
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保持 |
本人が自分のスマートフォン上で証明を保有し、必要な属性だけを選んで提示 |
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検証 |
施設やサービスが、その場で本人性と証明の有効性を確認 |
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証跡 |
誰が、いつ、何を検証したかを監査可能な形で記録 |
証明そのものはDID/VC 基盤の上で発行・保持されます。その上で、検証の場面では、AnchorZ の「バックグラウンド認証®」を活用し、証明を提示している人物とスマートフォンの持ち主との整合性を確かめます。バックグラウンド認証®は、顔情報だけでなく行動特性や端末情報など複数の要素を組み合わせ、端末を利用している人が間違いなく本人であるかを確認する技術です。
【特長】
顔データを施設側に持たない「安心設計」
顔の特徴量は施設側のサーバーに集約せず、利用者本人の端末内に留めます。これにより、導入施設は生体情報を保管する負担と漏えいリスクを抱えることなく、厳格な本人確認を実現できます。
■最初の適用領域:デジタル社員証による入退室管理
提供開始時の中心となる用途は、ICカードの社員証を、スマートフォン上のデジタル社員証に置き換えることです。オフィス、工場、商業施設などの入口で、入退室のたびに次の2点を同時に確認します。
1. 証明が有効か:在籍や立入権限を示す証明が、発行元によって失効させられていないか
2. 提示しているのが本人か:そのスマートフォンを、いま持ち主本人が使っているか
従来のICカードは、貸借によって他人が通過できてしまうほか、紛失時には第三者に不正利用されるリスクがありました。一方デジタル社員証では、端末の利用者が本人であることを前提とするため、万が一他人の端末を持っていても提示そのものが成立しません。「持っている人=本人」という前提に依存しない点が、従来の入退室管理との決定的な違いです。

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ICカード社員証 |
デジタル社員証(本サービス) |
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|---|---|---|
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発行・配布 |
物理カードの発行、郵送・受け渡し |
発行元がその場でデジタル証明を発行 |
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貸し借り・紛失 |
(暗証番号などを併用しない運用では)持っていれば誰でも通れる |
持ち主本人でなければ、提示そのものが成立しない |
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記録 |
カードIDに紐づく通行ログ |
どの証明を・どの検証者が確認したかまで、署名付きの証跡として記録 |
商業施設・百貨店などの入館でも、仕組みは同じです。テナント従業員や来訪者に入館証などの証明を発行し、入口で同様に検証します。受付や入退室ゲートに設置する検証端末は、シヤチハタが企画・開発します。既存のフラッパーゲートや電気錠などの扉制御との連携についても、対応を進めています。導入にあたっては、現地設備の仕様を確認したうえで方式を設計します。(対応機種は個別にご相談ください)
また、利用者はカードを持ち歩く必要がなくなります。スマートフォンを取り出さずにその場で、顔認証による手ぶら通行(顔認証)の運用にも対応するほか、顔での確認が難しい環境に備え、スマートフォン画面の提示による通行も可能です。
※ 入退室時の確認は、通行するその時点での判定となります。入館後の館内を継続的に監視するものではありません。
■提供形態
「証明の発行」「本人の保持」「現場での検証」「記録の保存」という、各段階に必要なシステムを一式で提供します。

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立場 |
提供するもの |
|---|---|
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証明を発行する企業・団体 |
発行管理画面から、デジタル社員証や入館証を発行し、更新と失効まで管理 |
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証明を持つ本人 |
シヤチハタが提供するスマートフォンアプリ「本人証明アプリ」に証明を保持 |
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証明を確かめる現場 |
受付・入退室ゲートに設置する検証端末(レシーバー) |
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記録 |
誰がいつ何を検証したかを、署名付きの証跡として保存 |
これらは SDK(ソフトウェア開発キット)としても提供いたします。お客様の既存アプリに本人証明の機能を、既存端末・システムに検証機能を組み込んでご利用いただけます。提供開始時点での対応環境(OS・端末)、および組み込みに際して必要となる表示・通知等は、個別にご案内します。 シヤチハタは、これらを一つのサービスとして提供し、導入設計から運用、サポートまでを担います。
■3社の役割
シヤチハタ:
証明と本人性確認を結び付ける統合基盤および検証端末の企画・開発、顧客開拓、営業、業務システムとの連携、導入支援、一次サポート、法務・監査、証跡・課金およびブランド展開
AnchorZ:
バックグラウンド認証エンジンの研究開発・高度化、継続的な本人性確認に関する技術統合
Digital Platformer:
W3C Verifiable Credentials等の国際標準を踏まえたDID/VC基盤の提供と相互運用性の確保
■今後の展開領域
実証実験を通じて技術と運用、セキュリティを確認しながら、以下の領域へ段階的に適用範囲を広げてまいります。
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工場・研究施設・データセンターなど、区画ごとに立入権限が分かれる拠点の入退室管理と、その記録の活用
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派遣・イベントスタッフの本人確認と現場到着確認
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建設現場での本人確認と、資格や入場権限の確認
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イベント入場、年齢確認、契約時の意思確認(※)
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企業、教育、金融、行政などにおけるデジタル証明の活用(※※)
※ 電子署名法第3条に定める真正な成立の推定その他の法的効果を主張するものではありません。
※※ 犯罪収益移転防止法など法令上の本人確認(取引時確認)義務を代替するものではなく、これを補完する位置付けです。
いずれの領域でも、認証エンジンを入れ替えず、証明の形式も独自仕様に閉じないまま、検証できる場所を増やしていきます。
シヤチハタ株式会社 代表取締役社長 舟橋 正剛
「当社が創業以来担ってきたのは、本人の意思と信頼を社会に伝えるしるしです。その形は、紙の印章から電子決裁、クラウドへと変わってきました。本人証明サービスでは、AnchorZ様とDigital Platformer様の技術を当社が一つの仕組みにまとめ、現場に届けます。カードを配って回収する運用や、行く先々で繰り返される本人確認の負担を、利用者にも管理する側にもかけずに済む状態を、実証を重ねながらつくってまいります。」
株式会社AnchorZ 代表取締役CEO 徳山 真旭
「AnchorZが長年磨き続けてきたのは、認証の瞬間だけではなく、サービスや端末を利用している間も“本人である状態”を確認し続ける技術です。しかし、優れた技術だけでは社会のインフラにはなれません。100年にわたり“本人のしるし”を社会に届けてこられたシヤチハタ様の信頼と現場実装力、そして Digital Platformer 様の証明基盤と結び付くことで、本人性を安全に持ち運べる新しい市場を共に創出できると考えています。
単なる技術提供にとどまらず、社会実装の成果を共に分かち合う、継続的な事業パートナー関係を築いていきたいと考えています。」
Digital Platformer株式会社 代表取締役CEO 松田 一敬
「私たちはこれまで、DID/VCを用いて、本人が自ら証明を保持し、必要な相手に必要な情報だけを提示できる仕組みの社会実装に取り組んできました。
デジタル証明において重要なのは、証明書が真正であることだけではありません。実際にその証明を利用している人が、正当な保有者本人であることまで含めて確認できて初めて、入退室や資格確認といった現実の業務に安心して活用できると考えています。
今回、シヤチハタ様が培ってこられた『しるし』と信頼の知見、AnchorZ様の本人性確認技術、そして当社のDID/VC基盤を組み合わせることで、デジタル証明を実際の現場で安全に使える新しい仕組みを形にしていきます。
まずは実証を通じて技術と運用の両面を検証し、将来的には業界やサービスを越えて相互運用可能な本人証明の基盤へ発展させていきたいと考えています。」
会社概要
シヤチハタ株式会社
所在地:愛知県名古屋市西区天塚町4丁目69
代表者:代表取締役社長 舟橋 正剛
創業:1925年1月
事業内容:文具印章関連事業、IT関連事業、新規関連事業
Web:https://www.shachihata.co.jp/
株式会社AnchorZ
所在地:東京都台東区浅草橋3-22-9 第一野村ビル2階
代表者:代表取締役CEO 徳山 真旭
設立:2009年4月1日
事業内容:認証技術およびソフトウェア製品の研究・開発・提供
Web:https://www.anchorz.co.jp/
Digital Platformer株式会社
所在地:東京都千代田区麹町5-3-23 日テレ四谷ビル5F
代表者:代表取締役CEO 松田 一敬
設立:2020年4月24日
事業内容:ブロックチェーン技術を活用した分散型ID(DID/VC)サービス、トークン化預金発行インフラの開発・提供
Web:https://digitalplatformer.co.jp/
商標について
「バックグラウンド認証」は株式会社AnchorZの登録商標です。
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