【武蔵野大学】工学研究科建築デザイン専攻の学生がつくば市の「金田台歴史緑空間」を対象とした設計・提案を実施 学生が考える、「人と森との新たな関係が生まれる場所」
武蔵野大学大学院工学研究科建築デザイン専攻(東京都西東京市)の2026年度「建築デザインスタジオ」を履修した大学院生6名(担当教員:太田 裕通准教授)が、茨城県つくば市の「金田台歴史緑空間」を対象とした設計・提案を行い、神田のコミュニティセンター「watage」にて学外講評会を開催しました。
「HAND / LAND|森に手をいれる」をテーマに、森を有効活用するため、学生たちがフィールドワークや調査を行いながら設計提案に取り組みました。

【本件のポイント】
●大学院生が現地でのフィールドワークや調査を行いながら、「森と人」をつなぐ建築を設計・提案
●森にある素材を活かし、居場所や現地で自らつくり、更新していける仕組みを提案
●「使われる森」へ、学生の提案も取り入れ、竹を活用したワークショップの実施を予定
【「金田台歴史緑空間」を対象とした設計・提案の背景】

本件は、大学院の授業の設計課題の対象地として金田台歴史緑空間を取り上げたことからスタートしました。
つくば市は平地部にも大小さまざまな森林が点在している、自然の豊かさを感じられる街ですが、近年は後継者不足などから維持管理が難しくなっています。つくば市の中でも「金田台歴史緑空間」は、国指定史跡「金田官衙遺跡」や城址、湧き水、豊かな森林など、歴史と自然が共存する緑地空間です。この金田台歴史緑空間を対象に、学生たちは「人と森との新たな関係が生まれる場所」と捉え、提案を行いました。
はじめに、学生たちはつくば市鳥獣対策・森林保全室及びつくば市が取り組む「森林バンク制度」の一つである『みんなで創る森プロジェクト(モデル森林づくり)』に取り組んでいる「Dear Tree Project」(主宰:石川 由佳子氏)らと連携し、フィールドワークを実施しました。14週間にわたり現場視察や意見交換を重ねながら、学生一人ひとりが森との新たな関わり方を考え、空間を提案しました。
【学外講評会】
8月25日には、神田のコミュニティ センター「watage」にて学外講評会を開催しました。同じ場所を対象としながらも、学生それぞれの「森」の読み解き方、着目する素材は全く異なります。各自がどのような意図・目的で発案したか、設計のどの点に工夫を凝らしたかなどをポスターにまとめ、提案をもとにした模型を用意し、説明を行いました。
また、つくば市の皆さまにもオンラインでご参加いただき、学生の提案をもとに、森への関わり方や今後の実践の可能性について議論しました。

【6名の提案テーマ】
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氏名 |
テーマ |
概要 |
|---|---|---|
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伊藤 尚輝さん |
Open Stock -森林管理と都市利用をつなぐ建築- |
森林管理で生まれた間伐材(丸太)を、市場に出回るまで保管、管理するとともにユニットを作り建築として活用する。 |
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佐藤 優月さん |
Bamboo Hack |
竹を伐り、砕き、削り、利用するという循環を建築化することで、放置竹林の課題を解決し、人の営みが継続する里山の美しい日常を可視化する。 |
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清水 優太さん |
イコウ |
都市と森林の境界に、宿泊・食堂・工房・資材庫などを備えた「森への入口」を計画。敷地に残る城壁を「過去」、食堂を「現在」、森林を「未来」と捉え、それらをつなぐ建築を提案。 |
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高野 泰地さん |
森を受け取る器 |
つくばの森・金田城跡を舞台に、森の光や風、音、匂いといった五感の変化を受け取り、人が自然の時間を感じられる「森を受け取る器」を提案。 |
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野澤 沙帆さん |
森とあそぶ、森で過ごす ―親子と自然をつなぐ小さな居場所― |
滞在や体験へつながる仕掛けが少ない点に着目し、親子が気軽に立ち寄り、自然の中で過ごすきっかけとなる場所を提案。簡単に組み立てや交換ができるつくりとすることで、森への負担を抑える。 |
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LI YINUO さん |
森の響 ―風と竹のぶつかりから生まれるサウンドスケープ― |
森林の中で聞こえる葉の擦れ合う音や風の音に着目し、自然のサウンドスケープをより豊かにすることを目的とした空間装置。敷地内の竹材を活用し、互いに支え合う「相持ち構造」によって骨組みを形成。 |
【今後のスケジュール(予定)】
金田台歴史緑空間では、つくば市のモデル森林として活用が進められるとともに、NPO による継続的な手入れを通じて、「使われる森」への変化が進んでいます。今回、学生が提案した居場所が実際に設置される可能性もあり、今後は、竹を活用したワークショップや現地での制作・設置など、つくば市や地域の方々と連携しながら、提案の実現に向けた取り組みを進めていく予定です。
【コメント】
■工学部建築デザイン学科 太田 裕通准教授

「HAND/LAND 森に手をいれる」をテーマに、茨城県つくば市の金田台歴史緑空間を対象として、大学院生6名が14週間にわたり設計に取り組みました。 森は、人が手を入れ、木を育て、使う営みの積み重ねによって維持されてきた環境です。本スタジオでは、建築を「完成するもの」ではなく、人と森との関係をつなぎ直すための道具として捉え、森の観察やフィールドワークを重ねながら、伐採木や竹など、森にある素材を活かした居場所や、現地で自らつくり、更新していける仕組みを提案しました。 学生たちにとって、実際の地域を対象に、地域の方々や行政、専門家と対話しながら設計を考える貴重な機会となりました。ご協力いただいたつくば市をはじめ、地域の皆様、関係者の皆様に心より感謝申し上げます。 今後は、つくば市や地域の方々と連携し、竹を活用したワークショップや、現地での制作・設置など、学生たちの提案を実際の森の中で実現していく取り組みへとつなげていきたいと考えています。
【武蔵野大学について】

1924年に仏教精神を根幹とした人格教育を理想に掲げ、武蔵野女子学院を設立。武蔵野女子大学を前身とし、2003年に武蔵野大学に名称変更。2004年の男女共学化以降、大学改革を推進し13学部21学科、14大学院研究科、通信教育部など学生数14,000人超の総合大学に発展。2019年に国内私立大学初のデータサイエンス学部を開設。2021年に国内初のアントレプレナーシップ学部を開設し、「AI活用」「SDGs」を必修科目とした全学共通基礎課程「武蔵野INITIAL」をスタートさせる。2023年には国内初のサステナビリティ学科を開設。2024年に創立100周年を迎え、世界初のウェルビーイング学部を開設。2026年には通信教育の新たな学びの形を提案する通信教育部国際データサイエンス学部を開設した。2050年の未来に向けてクリエイティブな人材を育成するため、大学改革を進めている。
武蔵野大学HP:https://www.musashino-u.ac.jp/
【関連リンク】
■工学部 建築デザイン学科:
https://www.musashino-u.ac.jp/academics/faculty/engineering/architecture/
■武蔵野大学太田研究室HP:https://otalab.info/
■つくば市鳥獣対策・森林保全室:
https://www.city.tsukuba.lg.jp/soshikikarasagasu/somubusomuka/gyomuannai/8/2/4/1009643.html
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