FRONTEO、リスク発見や予測に活用する新AIソリューション「WordSonar」を提供開始
医療領域で実績のある自社開発AIを用いて、建設・製造現場で数日前に危険を予測する 「WordSonar for AccidentView」 を発表
株式会社FRONTEO(本社:東京都港区、代表取締役社長:守本 正宏、以下 FRONTEO)は医療領域で活用実績のある自社開発AIエンジン「Concept Encoder(商標:conceptencoder、読み:コンセプトエンコーダー)」をビジネスインテリジェンス領域で活用する新AIソリューション「WordSonar(商標出願中、読み:ワードソナー)」を発表いたします。その第一弾として、建設・製造現場の安全対策に関するリスク発見や予測を行うAIシステム「WordSonar for AccidentView(商標出願中、読み:ワードソナーフォーアクシデントビュー)」の提供を開始しました。
WordSonar for AccidentView は、建設・製造企業の保有する日報や作業報告書、事故報告書などの膨大なテキストデータを Concept Encoderを使って一元的に集約・解析し、把握・活用しやすい形式で提示するAIシステムです。従来のテキストマイニングや画像解析では適切なタイミングでの特定が困難だった作業現場の危険要因を察知し、事故を発生の数日前に予測します。大量のデータをAIが分析することで、現場管理者や作業者のリスクアセスメントや日報の確認・集計作業の負担の軽減に加え、個人の主観や知識の影響を受けない客観的かつ網羅的なリスク判断が可能となります。また、日々の日報に加え、気象データや季節性データを含む最新のデータも取り込みながら解析を行うこともできるため、現場の状況の変化に対応したリスクレベルの評価、作業者に対する適切な注意喚起、予測精度の継続的な向上を実現します。
Concept Encoderは、FRONTEOの第2のAIエンジンとして2018年に開発され、現在、ライフサイエンス領域において、診断支援や入院患者の転倒転落予測、創薬支援などに広く用いられています。同エンジン搭載ソリューションの1つである転倒転落予測AIシステム「Coroban」は、電子カルテに記載された看護記録を解析し、転倒転落の可能性のある患者をその発現の7日前に予測するもので、リスク評価精度の高さと転倒転落予防の実効性が評価され、現在、病院を中心に導入が進んでいます。FRONTEOは、同製品などを通して培った、AIによるテキスト解析によるリスク評価の技術とノウハウを応用し、多様な領域におけるリスク発見・予測や事故予防のニーズに対応するソリューションの展開を図ります。
企業において、報告書等をはじめとする自然言語で記述されたテキストデータは、業務改善のための膨大かつ貴重な情報源です。しかし、解析のために均質なデータとして取り扱うのが難しいことから、その活用は限定的な範囲に留まっているのが現状です。Concept Encoderはテキストの意味をベクトル化して解析するため、こうしたデータの網羅的な解析が可能です。また、単なるキーワード検索では検出が不可能な類似キーワードをグループ化・可視化し、提示します。例えば、建設・製造現場における降雪時の作業の労働災害リスクを調べたい場合、WordSonar for AccidentViewで「雪」 と入力すると、「凍結」「氷結」といった関連性の高い語を含む過去の事例も併せて検出され、キーワード検索では見落とす可能性のあった事例も確認することができます。
建設・製造業界では、労働人口が減る一方で、死傷災害の発生件数は年々増加傾向にあります。厚生労働省の「労働災害発生速報」令和3年速報値(令和4年1月現在)によれば、2021年の死傷災害人数は13万5,358人に上り、4年間で約25%(約2万7,000人)も増えています1)。また、総務省統計局の「日本の統計2021」によると、全業種の中で労働災害死傷者数が最も多いのは製造業、次いで商業、運輸交通業、建設業であり、主な原因は「はさまれ、巻き込まれ」「転倒」「墜落、転落」などです2)。こうした労働災害は、適切な注意喚起があれば回避できたかもしれない小さなミスや情報伝達不足が原因となることも多く、まずはヒヤリハット(危ないことが起こったが、災害には至らなかった事象)事例をできるだけ発生させない予測・予防のための仕組みの構築が重要です。各企業は労働安全衛生の取り組みにおいて、国の定める様式による報告やKYK(危険予知活動)等の安全活動を通じて、事故や災害の発生、ヒヤリハットの状況など数多くの記録を蓄積しています。しかし、それらの記録が保管されるだけで十分活用されていない、担当部門や現場責任者・作業者の属人的なノウハウとなっている、現場の慣れが生じて対策が形骸化するといった状況も発生しており、実効性のある労働災害防止や安全対策の実施が急務となっています。
WordSonar for AccidentViewは、企業の作業現場においてタイムリーに活用できていないデータから、災害予測や予防、業務改善につながる情報を探知し、有効活用することで、企業の労働災害リスクの予測や職場の安全対策向上を支援します。また、FRONTEOは、今回の建設・製造業界向けソリューションを皮切りに、今後もWordSonarシリーズの多様な業界への展開を図り、ビジネスの効率性を高め、コスト削減やお客様満足度の向上を実現するソリューションを提供してまいります。
1) 厚生労働省:「労働災害発生状況(速報)」令和3年
2) 総務省統計局 「日本の統計 2021」 第29章 災害・事故
■FRONTEOについて URL: https://www.fronteo.com/
FRONTEOは、自然言語処理に特化した自社開発AIエンジン「KIBIT」と「Concept Encoder」、「Looca Cross」を用いて膨大な量のテキストデータの中から意味のある重要な情報を抽出し、企業のビジネスを支援する、データ解析企業です。2003年8月の創業以来、企業の国際訴訟を支援する「eディスカバリ(電子証拠開示)」や「デジタルフォレンジック調査」などのリーガルテック事業をメインに、日本、米国、韓国、台湾とグローバルに事業を展開してきました。同事業で培ったAI技術をもとに、2014年よりライフサイエンス分野、ビジネスインテリジェンス分野、経済安全保障へと事業のフィールドを拡大し、AIを用いて「テキストデータを知見に変える」ことで、創薬支援、認知症診断支援、金融・人事・営業支援など、様々な企業の課題解決に貢献しています。2007年6月26日東証マザーズ上場。2021年1月第一種医療機器製造販売業許可を取得(許可番号:13B1X10350)、同9月管理医療機器販売業を届出(届出番号:3港み生機器第120号)。資本金2,973,975千円(2021年3月31日現在)。
※FRONTEO、KIBIT、conceptencoder、CorobanはFRONTEOの日本における登録商標です。
プレスリリース全文はこちらから確認できます。
https://prtimes.jp/a/?f=d6776-20220218-4c8b6b1b89b36ff80b96783862ae5493.pdf
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