凸版印刷、秘匿性の高い株主優待券がJR東日本で採用

凸版印刷の「カラースクラッチ技術」と光を遮る特殊用紙を使用した券面により、秘匿性を保ったままPINコードの付与が可能。株主優待券の利便性向上と不正転売防止に貢献

　凸版印刷株式会社（本社：東京都千代田区、代表取締役社長：麿 秀晴、以下 凸版印刷）は、これまで商品券や証券類など、さまざまな重要印刷物に使用される偽造防止技術を開発・提供してきました。

　このたび、スクラッチ上に任意の色合いや文言を印刷できる「カラースクラッチ技術」と強い光源に晒しても券面の秘匿部分が透けない特殊用紙を採用した株主優待券（以下 本製品）が2020年6月1日より東日本旅客鉄道株式会社（本社：東京都渋谷区、以下 JR東日本）で採用されました。

　本製品は凸版印刷の「カラースクラッチ技術」を施しており、PINコード付与部分を覆っているスクラッチ上に任意の色合いや文言を印刷することができます。これにより、券面の限られたスペースに、より多くの情報を付与でき、券面のスクラッチ部分を確認するだけで未使用か使用済みかを一目で判別することが可能です。加えて、自社開発の光を遮る特殊用紙を採用しており、券面を強い光源に晒しても券面の秘匿部分が透けないため偽造と不正転売防止に貢献します。
　また2021年夏ごろから、本製品のカラースクラッチが施された部分を削ると出現する株主優待券の番号とパスワードをJR東日本のインターネット予約サイト「えきねっと」で入力することでオンライン上から株主優待割引適用の乗車券類を予約できます。これにより、スマートフォンなどに表示されたQRコードを利用して指定席券売機からの発券ができるため、株主優待券の利便性向上に貢献します。

　　　　　　　　　「カラースクラッチ技術」と光を遮る特殊用紙を使用した株主優待割引券

 

 

 ■ 開発の背景
　近年、コードを用いた券面では、コード部分がむき出しになっているものが多く、未使用か使用済みかの判別を付けることが難しいという問題がありました。また、券面を強い光源に晒した際、秘匿部分が透けてしまい、使用済み券面の不正転売が発生していることが喫緊の課題となっていました。
　このような課題に対し、凸版印刷は「カラースクラッチ技術」と光を遮る構造の特殊用紙を採用したQRコード付き株主優待券をJR東日本に提供。コード部分に任意の色合いや文字情報を付与でき、未使用か使用済みか一目で判別ができます。また、光を遮る特殊用紙を採用しているため、券面の秘匿性を保つことができ、偽造と不正転売防止に貢献します。

■ 「本製品」の特長
・スクラッチ部分に任意の色合いや文言を印刷することができ、券面スペースの有効活用が可能
　削り取るスクラッチ部分は通常銀色ですが「カラースクラッチ技術」を施した券面ではスクラッチ部分を任意の色合いや文言を印刷することが可能。これにより、スクラッチ部分にも情報を付与し限られたスペースの券面に、より多くの情報を載せることで券面を有効活用することができます。また、スクラッチ部分の状態を確認するだけで未使用か使用済みかの判別を一目で行うことができます。

・自社開発の特殊用紙を採用することで、券面の偽造と不正転売の防止に貢献
　光の通過を防ぐ特殊な構造になっている自社開発の特殊用紙を使用することにより、券面に強力な光を当てた際に秘匿部分が透けて見えることを防ぐことができます。これにより券面の偽造と不正転売の防止に貢献します。

・オンライン予約と連動させ窓口業務の負荷軽減と利便性向上に貢献
　券面に付与したPINコードをインターネット上で入力することで事前予約などをさせる事もできます。これにより購入データに紐づくQRコードをスマートフォンなどに表示し、券売機にかざすことで発券や受け取りが可能。窓口業務の負荷軽減と利便性向上に貢献します。

■ 今後の目標
　凸版印刷は、株主優待券をはじめさまざまな金券のIoT化を進めます。また、金券にQRコードやPIN番号を付与して利便性を向上させ、コード部分を秘匿状態とすることでセキュリティ性を高め、さまざまな金券のインターネット上での利用を可能にすることを目指します。


＊ QRコードは株式会社デンソーウェーブの登録商標です。
＊ 本ニュースリリースに記載された商品・サービス名は各社の商標または登録商標です。
＊ 本ニュースリリースに記載された内容は発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。


以　　上