経済や政治に関して公平性を好む遺伝子タイプが多い都道府県ランキングを発表 1位 宮城県、2位 滋賀県、3位 大分県
日本人は欧米人に比べて「不公平だ」と思う遺伝子タイプの割合が少ないという結果に
※ 出生地に関するアンケートから都道府県を出しています
ユーグレナ・マイヘルスとジーンクエストの遺伝子解析サービスは、個人の健康リスク・体質・祖先について300項目以上の遺伝子型を解析し、どのような病気にかかりやすいか、どのような体質の遺伝的傾向があるかについて結果を提供するサービスです。
これまで、ユーグレナ・マイヘルスとジーンクエストの遺伝子解析サービスの利用者の中から20,000人以上のゲノムデータを用いて、さまざまな遺伝子タイプに関する都道府県ランキングを発表しています。今回は、統一地方選挙の時期であることと、2月に次ぐ今年2番目の値上げラッシュとなった「値上げの春」と言われる現状を受け、経済や政治に対し公平性を好む程度についての項目「経済・政治の関心(SNP:rs10204325)」に注目し、解析しました。
■経済や政治に対する公平性とは?
経済や政治に関する社会科学的な研究では、各個人がどのような経緯を持って経済的、社会的行動をとったかを分析して行動メカニズムを明らかにするような研究が行われています。このような経済的、社会的行動を決定する1つの要素として、その人の好みを定量化、つまり数値で表したものが用いられることがあります。
今回解析した項目では、公平性を好む程度を定量化したスコアについての結果を表示しています。「経済や政治に関して公平性を好む」の一例を挙げると、「雨が降っている日だけ傘の値段を普段の価格の2倍にするお店についてどう思うか」という質問に対し、公平性を好む度合いが高い人ほど傘の値段が上がることに関して「不公平だ」と思う傾向が高いというものです。
遺伝子解析項目「経済・政治の関心(SNP:rs10204325)」には3つの遺伝子型があり、経済や政治に関して「より公平性を好むタイプ(遺伝子型:TT)」、「公平性を好むタイプ(遺伝子型:CT)」、「公平性を好む程度が一般的なタイプ(遺伝子型:CC)」に分けられます。
■調査結果
今回の調査では、「より公平性を好むタイプ(遺伝子型:TT)」に該当する人と「公平性を好むタイプ(遺伝子型:CT)」に該当する人の割合を足して、都道府県(出生地)別に算出し、数値化しました。
上記の解析結果より、公平性を好む遺伝子タイプの人の割合が相対的に高い都道府県は、1位 宮城県、2位 滋賀県、3位 大分県、4位 香川県、5位 石川県、6位 山形県、7位 富山県、8位 京都府、9位 熊本県、10位 福井県となりました。
■日本人は欧米人に比べて「不公平だ」と思う人の割合が少ない?
遺伝子解析項目「経済・政治の関心(SNP:rs10204325)」に関して、「より公平性を好むタイプ(遺伝子型:TT)」に該当する人と「公平性を好むタイプ(遺伝子型:CT)」に該当する人の割合を足した結果を人種別にみてみました。すると、割合が多い順に、南アジア集団(62.9%)、ヨーロッパ集団(56.8%)、ラテンアメリカ集団(55.0%)、アフリカ集団(45.5%)、アジア集団(38.5%)などという結果となりました。
なお、当社の今回の調査で、日本人における「より公平性を好むタイプ(遺伝子型:TT)」に該当する人と「公平性を好むタイプ(遺伝子型:CT)」に該当する人の割合を足した数値は38.1%でした。
■調査概要
調査方法:ゲノムデータの解析をもとに調査
調査対象:「ユーグレナ・マイヘルス 遺伝子解析サービス」、「ジーンクエストALL」の利用者
対象者数:ゲノムデータ:21,371人
調査時期:2023年3月
調査項目:ゲノムデータ「経済・政治の関心(SNP:rs10204325)」の項目について、「より公平性を好むタイプ(遺伝子型:TT)」に該当する人と「公平性を好むタイプ(遺伝子型:CT)」に該当する人の割合を足して、都道府県ごとに算出
■遺伝子解析項目「経済・政治の関心(SNP:rs10204325)」について
コーネル大学を含む研究グループによって、約10,000人のスウェーデン人集団から取得した経済や政治に関するアンケート調査結果と遺伝子情報を用いて、それらの関連を調査する研究が行われました。経済や政治に関するアンケートの中から、経済的なリスクの許容度や公平性、経済政策や環境政策など10個の指標について、それぞれ関連する遺伝子型を調査した結果、 SNP:rs10204325という遺伝子型で「T」を持っているほどより公平性を好む傾向になることが分かりました。
【根拠とする文献】
Benjamin DJ et al. (2012) "The genetic architecture of economic and political preferences." Proc Natl Acad Sci U S A 109(21):8026-31.
■「ユーグレナ・マイヘルス 遺伝子解析サービス」について
個人の健康リスク・体質の遺伝的傾向・祖先のルーツについて300項目以上の遺伝子型を解析するサービスです。太りやすさなどの体質や、がん・糖尿病などの病気発症リスクに関する遺伝子情報、病気の予防のためにあなたができることをチェックできます。また、体質や病気の発症は遺伝要因だけでなく、食生活や生活環境など環境要因も大きく影響を受けるため、自分の遺伝子情報を理解したうえで生活習慣を見直す際のヒントとなります。
https://myhealth.euglena.jp/products/gene_analysis/
<ユーグレナ・マイヘルスについて>
『ユーグレナ・マイヘルス』は、「科学(Science)」「信頼(Credible)」「パーソナル(Personal)」の3つを軸に展開するユーグレナ社の検査サービスブランドです。学術研究などに基づいた多様な検査サービスを通じて、お客様の健康リスクや体質、健康状態を把握していただいたうえで、一人ひとりに対応したヘルスケアソリューションの提供を目指しています。今後、複数のサービスを『ユーグレナ・マイヘルス』にて展開することで、ヘルスケアに関するビッグデータを1か所に集積し、中長期的には、そのビッグデータを活用した科学研究の推進を通じて、生命科学の発展とより付加価値の高いヘルスケアソリューションの提供を目指します。https://myhealth.euglena.jp/
<株式会社ユーグレナについて>
2005年に世界で初めて微細藻類ユーグレナ(和名:ミドリムシ)の食用屋外大量培養技術の確立に成功。微細藻類ユーグレナ、クロレラなどを活用した食品、化粧品等の開発・販売のほか、バイオ燃料の製造開発、遺伝子解析サービスの提供を行っています。また、2014年よりバングラデシュの子どもたちに豊富な栄養素を持つユーグレナクッキーを届ける「ユーグレナGENKIプログラム」を継続的に実施。「Sustainability First(サステナビリティ・ファースト)」をユーグレナ・フィロソフィーと定義し、事業を展開。https://euglena.jp
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