イエメン:アデンで激しい戦闘 数時間で51人の死傷者がMSF病院に運ばれる
イエメン南部の主要都市アデンで2019年8月28日(現地時間)、ハディ大統領を支持する軍事勢力と、これに対抗する南部独立派の間で激しい戦闘が起きた。 国境なき医師団(MSF)の病院 は、戦闘から数時間で51人の死傷者を受け入れたが、うち10人は到着時すでに死亡していた。
いつまた戦闘が起きてもおかしくない
イエメンでMSFのオペレーション・マネジャーを務めるキャロリーヌ・セガンは、「現場は完全な混乱状態に陥っています。市内では戦闘が1日中続いていました。朝になって事態はやや落ち着いたものの、いつまた戦闘が起きてもおかしくない状況です」と話す。
現在、MSFの病院には80人が入院している。病院の近隣は、ハディ大統領を支持する国際有志連合軍による空爆の標的になった。
セガンは続ける。「負傷者が一度に大勢運び込まれるのは、ここ3週間で3度目です。現時点では、どの勢力がアデン市内のどの地域を支配しているのか、確かなことはわかりません。空港とその周辺は閉鎖され、戦闘に巻き込まれる恐れもあります。MSFは、さらに多くの死傷者が運ばれてくる事態に備え待機しています。また病院への攻撃を避けるため、各武装勢力と有志連合軍に対し、MSFの存在と病院の位置情報を改めて伝えました」
この戦争が2015年3月に始まって以来、MSFの医療施設は6回攻撃を受け、うち5回は有志連合軍による空爆であった。
アデンは戦地に
アデンでの戦闘は、主にハディ大統領支持の軍事勢力と、南部独立を目指す南部暫定評議会(STC)の間で起きている。一方で、反政府組織「アンサール・アッラー」とその対抗勢力がここ数週間、南部の複数県の支配権を争っている。8月9日から12日の間にアデンは戦地と化し、MSF病院では、大勢の負傷者が途切れることなく受け入れている。
武力衝突はアビヤンとシャブワ県でも起き、MSFは、医薬品・消耗品・機器を現地医療機関に寄贈して支援している。
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