パーソル高度バイオDX産業人材育成協働研究所 バイオ医薬品のGMP製造領域における技術・知能・行動特性の可視化、バイオDX人材の育成に貢献
パーソルテンプスタッフ株式会社(本社: 東京都渋谷区、代表取締役社長: 木村 和成、以下パーソルテンプスタッフ)は、大阪大学大学院工学研究科と共同で設立した「パーソル高度バイオDX産業人材育成協働研究所」において高度バイオ人材の能力の可視化と評価・育成に取り組んでおり、ここまでの成果を報告します。
パーソルテンプスタッフでは、特にバイオ医薬品(抗体医薬、遺伝子治療用医薬、ワクチンなど)の開発・製造工程を支える「次世代バイオ技術者の育成」を目指し、引き続き第二期の研究を進めてまいります。

■パーソル高度バイオDX産業人材育成協働研究所の概要
当研究所は、大阪大学大学院工学研究科とパーソルテンプスタッフが理系人材の評価・育成を目的として2021年9月に設立した大阪大学初の文理融合型の協働研究所です。経済産業省によると、バイオ医薬品は2019年から2026年にかけて年平均成長率9.6%(従来型医薬品は5.5%)と見込まれる成長領域となっています*1。一方で、バイオ人材の不足やAI活用の増加により、生物学とIT/AIの高度な知見を併せ持つバイオDX人材の育成が急務となっています。これらを踏まえて、本研究所ではバイオ医薬品の開発・製造領域における人材の職能分析とキャリアの可視化による評価法を構築し、バイオテクノロジー分野にかかわる高度人材の育成を目指しています。
第一期(2021年9月~2024年8月)の活動では、バイオ医薬品のプロセス開発領域におけるスキルを知識・技能・行動特性の3つに分類し、それぞれを可視化していくことに取り組みました。
「技能・知識」では、バイオ医薬品製造の最適条件の開発を担当するプロセス開発領域の工程に着目し、大阪大学大学院工学研究科 生物工学専攻 生物工学コース 大政研究室*2の研究活動に参画。ラボスケールで必要となる技能・知識指標を開発、企業での指標活用や人材育成に役立てることができるか現場作業者によるユーザビリティの検証を実施しました。
「行動特性」では、「優れた成果を出す人に特徴的な行動それらが具体化した仕事の進め方」と定義した上で、それらを測るために具体的な行動の特性を洗い出し、自己分析および他己分析の両方において個人の能力を可視化できるかの検証を実施しました。
【第一期】取り組みのご紹介
・バイオ医薬品の開発・製造領域の人材育成に寄与する 学習動画コンテンツを無料公開(2023年5月)https://www.tempstaff.co.jp/corporate/release/2023/20230530-4762.html
・第54回 日本労務学会 全国大会にて「バイオ研究領域のラボオートメーションと仕事の高度化」研究結果を発表(2024年6月) https://touch.persol-group.co.jp/20240806_17895/
第二期(2024年9月~2027年8月)の活動では、「1. バイオ人材の能力可視化」「2. バイオDX人材の育成」の2つをテーマに研究を進めており、2025年12月までの取り組み状況についてご報告します。
*1 経済産業省 第11回 産業構造審議会 商務流通情報分科会 バイオ小委員会 資料9 事務局資料(バイオCMO/CDMOの強化について)https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/shomu_ryutsu/bio/pdf/011_09_00.pdf
*2 大阪大学大学院工学研究科 生物工学専攻 生物工学コース 大政研究室 https://biochemicalengineering.jp/
■第二期 前期(2024年9月~2025年12月)の研究成果
1. バイオ人材の能力可視化
(1) バイオ人材スキルアセスメントの公開
2025年10月、バイオ医薬品のプロセス開発領域の従事者の能力を可視化するコンテンツ「人材スキルアセスメント」を公開。ホームページで利用希望者を募集し、多数の企業にご利用いただいています。
関連サイト:バイオ人材スキルアセスメント バイオ医薬品の研究・開発分野向け教材
https://persol-biodx-arl.eng.osaka-u.ac.jp/project/bioengineers-skill-assessment/
(2) バイオ医薬品のGMP製造領域における技術・知能・行動特性の指標可視化
産業界における課題の優先順位が高く、大きな市場があることを根拠に、ターゲットモダリティ*3を抗体医薬品に設定しました。その上で、指標の対象となる製造工程において、人物像(就業半年後に自立業務が可能な知識を有する)を設定し、人物像に必要なGMP*4の知識や技能のレベルを検討します。
「技能・知識」では「GMPの基礎知識」に加え、「製造業務を行う上でのGMP知識」から必要な項目を精査し、内容を固めている段階です。「行動特性」ではGMP製造現場でのあるべき姿をもとに「GMP製造現場で発揮される行動要素」を洗い出し、項目化を進めています。今後は、GMP製造関係者へインタビューを行い項目に関する検証を実施する予定です。
*3 モダリティ(modality)とは、低分子薬、抗体医薬、核酸医薬、細胞治療、遺伝子細胞治療、遺伝子治療といった治療手段の種別のこと。https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/report/16/011900001/17/03/23/00095/
*4 GMP(Good Manufacturing Practice)とは、医薬品の製造管理及び品質管理に関する基準で、品質の良い優れた医薬品を製造するための要件をまとめた国際的な指針。1980年に厚生労働省より「GMP省令(正式名称:医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令)https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=81aa6647&dataType=0&pageNo=1」が公布されている。
(3) 研究者の行動特性の研究について
「日本における“研究者”の定義を定める」と「アカデミアと企業の研究者の特徴的な行動を特定し、両者の違いを明らかにする」という2つを研究テーマに、2026年8月の日本労務学会において成果発表を予定しています。
この研究では、研究者の育成や産学連携の促進による産業人材の育成を目指しています。また、研究そのものを進めるために必要な「研究の実行」と、組織管理や自己管理などの「マネジメント」の2要素に分け、階層別(例:研究責任者として組織をまとめる立場など)に求められる行動の可視化に取り組んでいます。
2. バイオDX人材の育成
(1) バイオDX産業人材育成講座
2024年7月に経済産業省の高等教育機関における共同講座創造支援事業として採択された「バイオDX産業人材育成講座」は2024年11月~2025年1月に講義・実習、2025年2月に公開講座を実施しました。本講座はバイオロジーの素養があるパーソルテンプスタッフの社員および大阪大学の学生を対象に、データ駆動型研究開発人材の育成として、国内外の権威ある学者や専門家を迎え、バイオDX概論・機械学習概論他の講義、事前学習および業務への反映を前提とした機械学習の実習を行いました。公開講座は「AI時代の人材課題とリスキリング ~様々な視点から事例で学ぶ~」を開催しました。
なお本講座は、LMS(ラーニング・マネージメント・システム)の導入により、講義のオンライン開催、実習の動画視聴・コマンド実習・ハンズオン質問会での学習で、場所や時間を問わず自習可能な環境を整備、受講後のフォローアップ面談にも取り組みました。

関連プレスリリース:バイオDXの人材育成へ向けた経済産業省、令和5年度「高等教育機関における共同講座創造支援事業」に採択 https://www.tempstaff.co.jp/corporate/release/2024/20240807-6988.html
(2) バイオデータビジネスデザイン論
2025年春~夏学期にかけて、大阪大学大学院工学研究科 ビジネスエンジニアリング専攻の60名の学生を対象に15コマ×90分の講義を実施。講義は、DX概論、統計学基本、機械学習をはじめ、ゲストスピーカーによるAIやビッグデータなどの専門的なテーマで行いました。
(3) 「Industry on Campus型リカレント教育エコシステム構想」への参画
2025年6月に文部科学省の2024年度補正予算「リカレント教育エコシステム構築支援事業」に採択された「Industry on Campus型リカレント教育エコシステム構想」に参画しています。
本構想では、企業成長に直結する人材育成を目的に、大阪大学が推進する「Industry on Campus」モデルを基盤に、創薬・再生医療・遺伝子治療・ヘルスケア・バイオ由来製品などに資するバイオDX分野と、企画力・思考力を育むビジネスデザイン分野において、社会人向けの教育プログラムを展開しています。

関連プレスリリース:「大阪大学大学院工学研究科が提案 Industry on Campus型リカレント教育エコシステム構想に参画」https://www.tempstaff.co.jp/corporate/release/2025/20250715-11902.html
■第二期 後期(2025年12月~2027年8月)の展開
2025年12月の日本の成長戦略において、合成生物学・バイオ分野は戦略分野として新設され、官民連携での危機管理投資・成長投資が促進されると見込まれています*5。これを踏まえ、前述のバイオデータビジネスデザイン論の講義では受講対象者を工学研究科の方々だけではなく、副プログラム化を実現することにより、医学系などの他学部の方々が受講できる体制づくりに取り組みます。またバイオ医薬品業界の大きな課題となっているGMP領域の能力可視化の研究を加速してまいります。
*5 内閣官房 日本成長戦略本部事務局 2025年12月「成長戦略の検討体制」資料1-2 2頁 6頁「新設 4.合成生物学・バイオ:合成生物学・バイオWG」https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/nipponseichosenryaku/kaigi/dai2/shiryou1-2.pdf

パーソル高度バイオDX産業人材育成協働研究所
所長 大政 健史 氏(大阪大学大学院 工学研究科 教授)
第二期におきましては、日本でも初の試みとして始められた第一期での取り組みをより発展/展開しております。資源の少ない我が国は、高度人材の育成が成長の重要なポイントです。当研究所は、我が国ならではのより高度な産業人材育成を目指して、これからもさまざまな活動を皆さんと一緒に行っていきます。当研究所の活動に関心のある方の積極的なご参加、お待ちしております。
パーソルテンプスタッフは、今後も産学官連携により人材の育成や提供を通じて、企業の研究開発をサポートすると同時に、研究開発分野における学びの機会を創出し、就業を希望する方々のキャリアアップを支援してまいります。さらに、国内の高度バイオDX産業人材の育成とバイオものづくり産業の振興に貢献してまいります。
<本件に関するお問い合わせ先>
パーソルテンプスタッフ株式会社 研究開発キャリア推進部 R&Dスタッフ企画室 土肥 武
メール: takeshido@tempstaff.co.jp
■パーソルテンプスタッフ株式会社について< https://www.tempstaff.co.jp/ >
パーソルテンプスタッフ株式会社は、人材派遣、紹介予定派遣、アウトソーシングなどの人材サービスを提供しています。2017年7月より、テンプスタッフ株式会社からパーソルテンプスタッフ株式会社へ社名変更。パーソルグループは、「はたらいて、笑おう。」をグループビジョンに、グループの総力をあげて、労働・雇用の課題解決を通じ、持続可能な社会の実現に貢献していきます。
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