ルイ・ヴィトンより、アーティストが描いたイラストを通じて旅を楽しむ「トラベルブック」シリーズに、世界最大の内海「トラベルブック 地中海」が登場

2022年春、ルイ･ヴィトンが出版する、世界各国のアーティストが描いたイラストを通して旅を楽しむ「トラベルブック」シリーズに、新たに1タイトルが加わります。今年は、フランス人アーティストでイラストレーターのオロール･ドゥ･ラ･モリヌリが、ほぼ抽象画に近い一群のドローイングを通じて、底知れぬ深淵部から海面にいたるまで、世界最大の内海とその生態系に読者を没入させます。

ルイ･ヴィトンの「トラベルブック」シリーズは、臨場感溢れるバーチャルな旅へと誘います。それは知的刺激と感動的な瞬間に満ちた旅です。本書のイラストは、著名なアーティストや新進気鋭のアーティストが自ら訪れた都市や国について語る物語です。その地のさまざまな建物や特異な光が描かれ、過ぎて行く日々と人々の暮らしが捉えられています。ルイ･ヴィトンは約20年にわたり、イラストレーターや水彩画家によって都市の冒険が描かれた「カルネ･ドゥ･ヴォワイヤージュ」シリーズを展開。「トラベルブック」はそれに続くものとして、遥か彼方の未開の地や眠ることのない都市の旅を現代的で新たな視点で捉えています。それぞれのアーティストは過去に訪れたことのない国を旅します。知らない場所に立った彼らの視線は、未知のものに対する驚きによって研ぎ澄まされ、あるいは再発見の喜びによって刺激されます。罫線も引かれていない白紙のページとしてその場所を見ることから鋭いコメントが生まれ、叙述的で情緒的、風刺的あるいは絵画的印象を与えます。絵による旅の日記という趣旨を超えて、アートとしての高い水準に達している「トラベルブック」シリーズ──そこに示されている創造の世界は非常に多様です。世界各地からやって来たアーティストたちは、旅の中で表現方法を自由に選択し、訪れた場所をデッサン、彩色画、コラージュ、コンテンポラリー･アート、カートゥーン、あるいは漫画によって伝えます。写実的なものもあれば、抽象的なものもありますが、ルイ･ヴィトンはこうした旅から生まれた作品の原画をいくつか入手しました。これらは、ルイ･ヴィトンのコンテンポラリー･アート･コレクションに加えられ、コレクションの多様性と視点をより豊かにすることでしょう。

オロール･ドゥ･ラ･モリヌリ「地中海」
自然は、オロール･ドゥ･ラ･モリヌリの作品を貫く共通したテーマです。「ドローイングと自然は、どちらも、沈思黙考のための場であり、私は子供の頃からそこに逃げ場を見出してきました」と語る、アーティストでイラストレーターのドゥ･ラ･モリヌリは、1962年にフランスのサン=ローで生まれました。彼女はモノクロ写真を撮るのも好きであり、写真は彼女のドローイング制作にとって、予備的な指針として欠かせないものとなっています。
ドゥ･ラ･モリヌリは、パリのエコール･スーペリユール･デ･ザール･アプリケ･デュプレでファッション･スタイリングを学ぶ一方、近東やアジアの文学作品の中でも、とりわけ中国の山水画の画僧、石濤(1642年-1707年)の著作「苦瓜和尚画語録」に情熱を掻き立てられ、中国の書画への興味を追求しました。こうした形成期には、石濤の美学･哲学のマニュアルが彼女のビジョン、アイディア、筆さばきのヒントとなり、そのすべてが彼女の作品の中で一体化しました。以来、墨と筆が彼女の発見の道具となっています。中国、インド、日本、および地中海周辺での数多くの旅を通じて、技法にさらに磨きをかけてきました。

ドゥ･ラ･モリヌリは、目に見える世界を、自らの手を通して本質的なものにまで削ぎ落としてシンプルにすることを目指します。ドローイングは、制作のスピードが命です。素早い筆さばきで描かれているとしても、それは長い熟考プロセスの結果であり、紙に筆を下ろす前からすでに手が筆さばきを想い描けるようになっているかのようです。彼女が描く題材はすべてこのアプローチの賜物です。彼女が描く動物(無数の鳥、猫、犬、ライオン、象など)から風景画や静物画にいたるまで、シルエットをほのめかすだけで、あらゆる動きが表現されます。彼女が描く線は、軽やかでありながら力強く、鋭く、そして官能的、簡潔かつ解放的で、相反するものを反目させることなく同居させます。彼女はページの白さに真正面から向き合い、それが真価を発揮する手助けをします。1990年代以降、ドゥ･ラ･モリヌリは多くのラグジュアリーブランドや著名デザイナーと共に仕事をしてきました。 アズディン･アライアは、自作の一連のモノタイプ(単刷り版画)の制作を彼女に依頼。彼女はまた「T：The New York Times Style Magazine」、「Harper’s Bazaar」、「AD Magazine」といった世界の一流ファッション雑誌の常連寄稿者を務めてきました。2018年までミュンヘンのギャラリー バルチュ & シャリオが正規代理ギャラリーとなっていたドゥ･ラ･モリヌリの作品は、ロンドンのデザイン･ミュージアム(2010年)、ハンブルクの美術工芸博物館(2015年)、マドリードのABC美術館(2019年)でのグループ展で取上げられてきました。パリでは、ガリエラ美術館が2013年-2015年に2つの連作の制作を彼女に依頼し、その一部は、同美術館の版画･ドローイング部門の永久コレクションに収められています。東京のAKIO NAGASAWA GALLERY(2018年-2019年)と、ミュンヘンのギャラリー シュテファン フォクト(2019年)では個展を開催しました。

彼女の作品全体と同様、ドゥ･ラ･モリヌリは放浪の精神とエレガントな外見を持ち合わせています。彼女が話す時に周りの空間が彼女の色に染まるのは、その堂々たる物腰、あるいは避けがたく墨が染みついた優美な手のなせる業でしょうか?彼女は他の何よりも、新たな場所を探索することを楽しみます。どこへ出掛けるときも、スケッチブックとカメラを手放しません。旅に出るたびに、新たな発見、心の糧が約束されます。尽きることのない海の深みを探る彼女の旅は、その好例です。

 2022年5月より、ルイ･ヴィトン 公式サイトlouisvuitton.comおよび公式YouTubeチャンネルにおいてアーティストのインタビューが公開されます。

スタンダード･エディション
横長フォーマット：28 x 19 cm
全160ページはオフセット用紙
 (Arena Natural Rough 120 g) に印刷
ISBN: 978-2-36983-291-1
発売日：2022年5月15日
価格：5,610円

ラージ･フォーマット･エディション
横長フォーマット：38.4 x 26.3 cm
限定1,000部
全160ページ。オフセット用紙(Freelife Velum 170 g)に印刷
ISBN: 978-2-36983-296-6
発売日：2022年5月15日
価格：18,700円

リミテッド･エディション30部、サインとシリアルナンバー入り
「トラベルブック 地中海」は、一部のルイ･ヴィトン ストアのみで販売いたします。各30部限定で1から30までシリアルナンバーが付されています。サイズは、縦26.3cm、横38.4cmの横長フォーマット。レザーで装丁され、ブックケースに収められています。「トラベルブック 地中海」限定版は、オロール･ドゥ･ラ･モリヌリによるエッチング加工およびサインとシリアルナンバー付きです(2022年3月に印刷)。
ブックケースと装丁は、昔からの伝統術により、イタリア･パドヴァにあるオープン･マヌ･ファクトゥム工房で手づくりされます。1冊ごとにオロール･ドゥ･ラ･モリヌリによるサインが入っています。

ルイ･ヴィトン パブリッシングについて
ルイ･ヴィトンは、20年以上にわたり、独自の出版ビジネスを展開しています。「旅」を揺るぎないテーマにした3つのシリーズ――「シティ･ガイド」(旅行ガイド)、「トラベルブック」(アーティスティックな旅のスクラップブック)、「ファッション･アイ」(フォトブック)――を含め、現在の書籍タイトル数は100を超えます。また、メゾンのクリエーションやアクティビティに関連したテーマを軸に、高い水準を誇るアートブックの出版も毎年手掛け、それらの書籍は世界的な出版社から発行･販売されています。こうした書店に並ぶ書籍に加えて、アーティストのサインやシリアルナンバー入りの貴重な限定版をルイ･ヴィトン ストアでのみ販売しています。
ルイ･ヴィトンの歴史の中で、書籍は常に特別な存在でした。創業者ルイ･ヴィトンの孫ガストン-ルイ･ヴィトン(1883-1970年)は、文学からアートまで幅広い分野に深い興味を示した愛書家であり、熱心な蒐集家でもありました。また、3つのビブリオフィル(愛書家)協会を設立し、当時の出版人やイラストレーター、作家とは頻繁に書簡を交わす間柄でした。

【お問合せ先】
ルイ・ヴィトン クライアントサービス
0120-00-1854

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