転職サービス「doda」、ビジネスパーソンと企業の「生成AI」活用調査 企業の生成AI活用は6割、未活用企業も5割が今後導入検討 個人の活用は2割に留まるも、転職後の活用ニーズは5割超
~ 9割の企業が、個人の転職活動での活用にポジティブ。しかし活用の仕方に条件も~
パーソルキャリア株式会社が運営する転職サービス「doda(デューダ)」(編集長:桜井 貴史)は、20~60代の転職を検討しているビジネスパーソン500名と企業の中途採用担当者500名を対象に「生成AI」をテーマに調査をおこないましたので、その結果をお知らせいたします。
【主な調査結果サマリー】
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企業の「生成AI」活用割合は約6割。業種別のTOP2は「IT・通信(73.0%)」「金融(70.7%)」
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約5割の「生成AI」未活用企業が、今後の活用を検討している
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個人の業務で「生成AI」を活用している割合は約2割。一方で、転職活動での活用は3.5割にのぼる
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個人の5割超が、転職後企業で「生成AI」を活用したいと考えている
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約9割の企業が、個人の転職活動における「生成AI」の活用をポジティブに受け止めている
<調査背景>
「生成AI」は、2023年の対話型AI「ChatGPT」の登場を皮切りに、ビジネスシーンで高い関心を集め、2024年も関連ニュース等が連日のように報道されるなど、引き続き注目を集めています。
そこで今回、最新の「生成AI」活用*1の概況と転職市場における実態を明らかにするため、転職を検討しているビジネスパーソン(以下、「個人」)と、企業中途採用担当者(以下、「企業」)へ調査を実施。これらの結果を、dodaキャリアアドバイザー*2とdoda編集長の考察・アドバイスを通じて解説します。
*1 生成AI活用:すでにあるデータを学習し、人間が用意した指示に従って新しいものを作り出すAI(人工知能)技術のこと。本プレスリリース内の調査は、画像、テキスト、動画、音声、デザイン、ソースコードなどの作成を生成AI活用と定義している。
*2 dodaキャリアアドバイザー:業界、職種、エリア別の動向などに精通し、キャリアカウンセリングを経て求人の紹介から転職先決定までトータルにサポートする専任担当
<調査結果>
【最新データで見る企業の「生成AI」活用実態と、今後の検討状況】
企業の生成AIツール活用割合は、約6割。業種別では「IT・通信」「金融」が上位に並ぶ
企業に対して、生成AIツールの活用の現状を確認したところ、全体の59.6%が活用していることが明らかになりました。業種別では、上位から「IT・通信(73.0%)」、「金融(70.7%)」、「メーカー(68.8%)」と並びました(図1 参照*3)。
*3 全業種分類:IT・通信、メディア、金融、メディカル、メーカー、商社、小売、運輸・物流、レジャー・外食、エネルギー、建設、不動産、コンサルティング、人材サービス、その他
未活用企業の約半数が、今後の活用を検討している
現在生成AIツールを未活用の企業に対して、今後の活用予定を聞いたところ、47.5%と半数近くの企業で活用を検討していることが分かりました(図2 参照)。
業種別でみると、特に1年以内の早急な活用開始を想定している業種は、「商社(25.0%)」、次いで「運輸・物流(23.5%)」と並びました(図3 参照*4)。
「運輸・物流」は、残業規制の観点から業務効率化が急がれ、また、「商社」はデータを活用する業務が多く煩雑なトランザクションの効率化ニーズから活用を早急に進めたい背景が見受けられます。
*4 サンプル数の観点より参考データ
また、「doda」で扱っている生成AI関連求人*5 の数は、2023年4月から2024年6月の間で約24倍に伸長していることから、企業での生成AIに関わる人材のニーズが増えていることが確認できます(図4 参照)。
*5 生成AI関連求人:求人票内に「生成AI」「ChatGPT」のいずれかの文言が入っている求人
【個人の「生成AI」活用実態、転職シーンへの影響】
現在生成AIを活用している割合は約2割ながら、転職後の企業で活用したいと考える割合は5割超
個人に対して、現在業務で生成AIを活用しているかを尋ねたところ、活用している割合は約2割(19.8%)*6に留まることが分かりました(図5 参照)。一方で、業務を離れた転職活動での生成AI活用状況では約3.5割(34.8%)*7にのぼり、業務上での活用状況を超える結果に。活用内容としては、上位から「自己分析(19.4%)」「自己PRの作成(17.8%)」、「職務経歴書の作成(15.6%)」と続きました(図6 参照)。
さらに、転職後の企業で生成AIツールを「活用してみたい」と考えている個人は、計54.0%と5割を超えることが明らかになりました(図7 参照)。
*6 全体から「生成AIツールは活用していない(80.2%)」を除いた数値
*7 全体から「転職活動に生成AIを活用していない(65.2%)」を除いた数値
転職先として、生成AIを“活用している”企業の方が良い割合は、”活用していない”企業の2倍
続いて個人に対し、転職先を検討する際に、生成AIツールを活用している企業としていない企業どちらの方が良いと思うかを尋ねたところ、生成AIツールを「活用している企業の方が良い・やや良い」の回答は計30.0%と、「活用していない企業の方が良い・やや良い」の回答の計15.0%と比べ2倍の差があることが分かりました(図8 参照)。
また、転職先として生成AIツールを活用している企業のイメージを尋ねたところ※8、「技術革新に取り組んでいそう(32.0%)」という印象が最も高く、次いで「考え方に柔軟性がありそう(31.6%)」、「働き方改革が行われていそう(29.2%)」と続き、従業員のはたらき方に対処しているという好印象を与えている結果が分かりました。
様々な業界で人材難が叫ばれている現在、生成AIツールの活用は業務の効率改善が行えるだけでなく、個人により良い企業イメージを与える等ポジティブな影響を及ぼすことがうかがえます。
*8 全回答:「技術革新に取り組んでいそう(32.0%)」「考え方に柔軟性がありそう(31.6%)」「働き方改革が行われていそう(29.2%)」「ビジネス環境の変化に順応できていそう(28.0%)」「効率的な業務プロセスを構築していそう(25.4%)」「技術力・商品力が高そう(21.8%)」「人間の判断や専門知識の重要性を軽視しそう(16.0%)」「従業員の業務が奪われそう(10.6%)」「セキュリティリスクを軽視していそう(9.6%)」「その他(1.6%)」。N=500、複数回答。
企業の約9割が、転職活動での活用に対して好意的な印象を持っている
企業へ、個人が転職活動で生成AIツールを活用して自己PRや職務経歴書を作成することをどう思うかを尋ねたところ、「どのような活用方法であっても良い(36.0%)」、「活用した上で自身に合わせた調整を行うのであれば良い(52.4%)」と計約9割の企業がポジティブな印象を持っていることが確認されました(図9 参照)。
<dodaキャリアアドバイザー解説>
「生成AI」の使い方と注意点
生成AIは、図2のとおり、企業での活用は今後さらに広がっていくことがうかがえます。一方で、個人活用は2割に留まる様子も見て取れました。生成AIが様々な業務効率を上げながら何らかの補助を担ってくれる秘書のようなツールだとすれば、個人も実際の業務に加え、自身のキャリアを考える機会にも活用を広げてもよいのではないでしょうか。企業も、9割が転職シーンでの活用に対して好意的に受け止めています(図9 参照)。
キャリアデザインの一つのシーンである転職活動においては、様々な生成AI活用例がみられます。上述した調査結果からは、自己分析や書類作成で活用される例が多いことがうかがえます。特に職務経歴書の作成は転職活動を進めるうえでハードルになっていることが多く、「doda」でも職務経歴書を生成AIを使って作成、dodaキャリアアドバイザーが添削する機能※9を公開、活用いただいています。
さらに、キャリアカウンセリングなどで転職希望者とコミュニケーションをとる中で見知った例を挙げると、自身のスキルから適職診断をおこなったり、面接対策として対象企業の想定問答集を用意してもらい、さらに質疑応答のラリーを生成AIを通じておこなったりしている方もいました。
ただ、ここで一つ注意したいのは、図9の結果からも企業の半数は「自身に合わせた調整を行う」ことを前提に良いとしている点です。生成AIは必ず正しい情報を、またベストな内容を生成するわけではありません。あくまで参考として捉え、事実との相違がないか、自分自身を正しく表す内容・表現になっているかを丁寧に確認することが重要です。
*9 生成AIによる職務内容の自動生成機能 詳細はこちら
doda編集長 総括
今回は「生成AI」をテーマに調査を実施しました。
調査のとおり、生成AIに関連する求人は増加傾向をたどり(図4参照)、個人としての今後の活用意向の高まりや、企業イメージなどの調査結果からも、広くビジネスパーソンにとって重要なテーマということが改めて分かりました。
見方によっては仕事を奪う存在と捉えられることもありますが、調査結果からは求人数の増加や活用業務の拡大が見られ、生成AIが新たな活躍の場を広げるきっかけにもなることが示唆されています。
生成AIは、膨大なデータを学習し、データから新しいコンテンツや価値を生み出す仕組みです。過去事例を学習できる点からも課題解決とは親和性が高いでしょう。だからこそ、これからのビジネスシーンでは、課題を解決する力だけではなく、課題を発見する力がより重要になると考えられます。あるべき姿/ありたい姿を描き、その目標地との隔たりは何かを考え抜く力、ともいえるかもしれません。その上で、AI等のテクノロジーを活用して、ありたい姿の実現に向けてより生産性高く課題解決をしていくというスタンスが、個人にとってより重要になると思われます。
また、個人のキャリア形成においても、自分自身の「ありたい姿」を把握し、その目標に向けて行動するというスタンスは同様に重要だと考えます。
もし「ありたい姿」の把握を始めるにあたって、その壁打ち相手が必要な際やキャリアを考える難しさ、その他キャリアに関する悩みをお持ちの際は、dodaキャリアアドバイザーにご相談ください。
解説者プロフィール doda編集長:桜井 貴史(さくらい たかふみ)
新卒で大手人材会社に入社し、一貫して国内外の学生のキャリア教育や就職・転職、幅広い企業の採用支援事業に携わる。2016年11月、パーソルキャリア株式会社に中途入社。同年、株式会社ベネッセホールディングスとの合弁会社、株式会社ベネッセi-キャリアに出向、新卒オファーサービス「dodaキャンパス」の立ち上げを牽引し、初代dodaキャンパス編集長に。その後、同社 商品サービス本部 本部長として、キャリア講座やアセスメントをはじめとした、大学生向けサービスの責任者を務める。2023年4月、doda副編集長 兼 クライアントP&M本部 プロダクト統括部 エグゼクティブマネジャーに就任し、法人向け採用支援プロダクト全体を管掌。2024年4月、doda編集長に就任。サービスを通じてこれまで60万人以上の若者のキャリア支援に携わり、Z世代の就職・転職動向やキャリア形成、企業の採用・育成手法に精通している。
調査概要:「生成AI」活用調査
個人対象者:転職を検討している20~60代男女、会社員(正社員・契約社員)
集計対象数:500名(性年代均等割付)
企業対象者:全国の20~60代の中途採用の責任者及び選考に関わる方
集計対象数:500名
調査手法:インターネット調査
調査期間:2024年7月29日~2024年8月1日
※集計時に小数点2位以下を四捨五入しているため、総計が100.0%とならない場合があります。
転職サービス「doda」について< https://doda.jp >
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