高槻市の歴史館に重要文化財はじめ甲冑の名品がズラリ
戦国・桃山から江戸時代に使用された品約70点を展示
戦乱が続いた戦国・桃山時代において甲冑は、防具としての実用性が重視されるとともに、戦場で存在感を誇示するために金箔を使用するなど、実用性と華やかさの双方を追求した作りとなっていました。また、泰平の時代となった江戸時代では、大名家にとって甲冑は、格式を象徴する存在となり、江戸時代中期以降には、金工・染織・皮革・漆芸などの工芸技術の粋を集めた大名具足が作られるようになるなど、甲冑は時代によって役割や趣が異なります。
今回開催される特別展では、日本の甲冑に求められた実用性と象徴性について、戦国・桃山時代という実用の時代の甲冑が持つ機能美と、江戸時代に美術工芸技術の頂点の一つとなった大名具足の華麗さを対比して紹介。個人の所蔵品のため公開されることが少ない一般社団法人日本甲冑武具研究保存会近畿支部会員の所蔵品や大阪城天守閣・京都国立博物館が収蔵する重要文化財、当館が収蔵する大名家伝来品など、甲冑の名品約70点を一堂に展示します。
中でも注目の展示品は、重要文化財の紅糸中白威腹巻(太山寺蔵、大阪城天守閣寄託)。神戸市の古刹・太山寺に伝来した伝統的な様式で、腹巻を構成する小さな短冊状の板「小札(こざね)」が2319枚使われ、重さは10.6キログラムもある重厚な造りになっています。保存状態がよく、細部まで精緻に仕上げられており、中でも金具はいたるところに武家の名門で使用されることの多い「四ツ目結紋」があしらわれている点などから、研究者のあいだでは現存する室町時代の腹巻の最高級品とされています。
また、柳川藩(福岡県)で使用された、黄金を多用した豪華な工芸作品に象徴される桃山文化ならではの兜「金箔押桃形兜(きんぱくおしももなりかぶと)」、薩摩藩(鹿児島県)藩主島津家に伝わる源平合戦や太平記に登場する武士が使った甲冑の再現を目指した大名具足「白萌黄糸威鎧(しろもえぎいとおどしよろい)」など、それぞれの時代背景を色濃く反映した甲冑が勢ぞろいしています。
実用性一辺倒の武骨なものから華麗な装飾品まで、多種多様な甲冑が会場に所狭しと並んでいます。この機会に、日本の甲冑が持つ様々な魅力を楽しんでください。
【特別展の概要】
会期:令和6年12月8日(日曜日)まで。開館時間は10時から17時まで(入館は16時30分まで)
休館日:毎週月曜日(11月4日は開館)、11月5日(火曜日)
場所:しろあと歴史館(高槻市城内町1番7号)
アクセス:阪急高槻市駅から徒歩約10分、JR高槻駅から徒歩約15分
※公共交通機関でご来館ください。
観覧料:一般200円、高校・大学生100円、中学生以下無料
※関西文化の日(11月16日(土曜日)、17日(日曜日))は無料。
【関連ホームページ】
しろあと歴史館 特別展「戦国・桃山甲冑と大名具足-甲冑名品展-」【10月12日から12月8日まで】(高槻市ホームページ)
https://www.city.takatsuki.osaka.jp/site/history/131018.html
本件に関するお問い合わせ先
高槻市立しろあと歴史館
電話:072-673-3987
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