OKI、光アクセスネットワークPONのネットワークスライシング実証実験に成功

5G RANのフレキシブルな構築、低価格なサービス提供を可能に

OKI
OKIは、総務省の委託研究「IoT機器増大に対応した有無線最適制御型電波有効利用基盤技術の研究開発(JPJ000254)」の取り組みの一環として、国立大学法人東京大学大学院工学系研究科中尾研究室(教授:中尾 彰宏、東京都文京区、以下東大)および三菱電機株式会社(執行役社長:杉山 武史、東京都千代田区、以下三菱電機)と共同で「PON(Passive Optical Network、以下PON)リソース管理・割当制御技術」を開発しています。このたび、自動運転や動画配信、さらにはIoTセンサーを利用した通信サービスなどに合わせて通信リソースを最適化するネットワークスライシング技術(以下PONスライシング)(注1)を開発し、実証実験に成功しました。5Gで求められる大容量、低遅延、多数接続などの機能を論理ネットワークとして切り出すことにより、多数の小型基地局を組み合わせて構築する5G無線アクセスネットワーク(Radio Access Network、以下RAN)の光配線をフレキシブルかつ簡素に実施できるほか、無駄な小型基地局やPON資源を節約し、運用コストの削減を可能にします。

OKIは本成果を、無線通信技術に関する国内最大級の専門イベント「ワイヤレス・テクノロジー・パーク2021(https://www.wt-park.com/2021/index.html)」(2021年6月2日~4日、東京ビッグサイトにて開催)に出展します。

図1:PONスライシングの概要図1:PONスライシングの概要


PONは、家庭用ブロードバンド回線として最も普及している光アクセスネットワークで、多様なIoTサービスの提供が可能となる5G RANへの適用が期待されています。一方で、5Gの機能を最大限に活用するためには、大容量、低遅延、多数接続かつ高信頼な通信サービスが要求されますが、これは大量の通信リソースを消費するだけでなく、多数のアンテナや基地局設備をつなぐ膨大かつ複雑な光回線の接続が必要となり、ネットワーク設備や運用コストの増大が課題となっています。

OKIが開発したPONスライシングは、スライスごとに動的な帯域を割当てるDBA(注2)機能(マルチDBA)と、物理的なPONの装置から必要な資源を割り当てる資源制御機能の両方を搭載することで、通信サービスに合わせた柔軟かつダイナミックな通信リソースの管理・提供を可能にしました。実証実験では、テストベットとして構築したPONシステムから、同時に駆動する複数の論理ネットワーク(動画サービス用、低遅延サービス用)上で、実運用を想定した大容量の動画(道路模型で小型の車を走らせるなどの映像)の撮影・配信を行い、映像が乱れることなく、安定した通信環境での動画配信サービス提供が可能であることを確認しました。また、ネットワークスライシングなしでは動画配信に約3msの遅延が発生するのに対し、200µs以下の低遅延で通信できることが実証されました。

図2:PONスライシング実証実験のテストベット図2:PONスライシング実証実験のテストベット


OKIは本成果を、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業/先導研究(委託)」(注3)に適用するとともに、オープンなRAN環境における光配線の資源最適化技術実現に向けて、光アクセスネットワークの仮想化技術の応用研究開発および商品化開発に活用していきます。

用語解説
注1:スライシング/スライス
各種装置のハードウエアから論理機能を切り出して論理ネットワークを構成する技術。スライシングされた論理ネットワークは、ハードウエア装置に依存せず他の論理ネットワークには影響しない。

注2:DBA(Dynamic Bandwidth Allocation)
動的に帯域を割当てる機能であり、PONにおける集線装置(Optical Line Terminal:OLT)がユーザー側装置(Optical Network Unit:ONU)の通信帯域を割り当てる。

注3:2020年11月19日プレスリリース
「光アクセスネットワークの仮想化技術の研究開発」が経済産業省、NEDOの「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業/先導研究(委託)」に採択(https://www.oki.com/jp/press/2020/11/z20085.html
 
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