プリプレスワークフローにIn-RIPインテリジェンスをもたらすAdobe PDF Print Engine 7を発表
RIP内にプリプレス機能を組み込むことで生産性と自動化を加速

※当資料は、2025年5月6日にドイツ ベルリンで発表されたメディアアラートの抄訳版です。
【2025年6月18日】
アドビ(Nasdaq:ADBE)(本社:米国カリフォルニア州サンノゼ、以下アドビ) は本日、Adobe PDF Print Engineバージョン7を発表しました。この最新バージョンには、主要な印刷機器メーカーおよびRIPメーカーからの要望に基づく革新的なレンダリング技術が搭載されています。
Adobe PDF Print Engineは業界のベンチマークとなるパフォーマンスを確立しており、今回の新機能においても定評があるMercury RIPアーキテクチャのスケーラビリティを最大限に活用することができます。
工程を省きワークフローを加速
Adobe PDF Print Engine 7はRIP内のレンダリングパイプラインに新しい機能を統合することで、プリプレス作業での高度なスキルへの依存を軽減し、作業の手間を削減します。RIP処理前機能とRIPレンダリングを組み合わせることで、手動での操作を減らすとともに自動化を促進し、生産速度が向上します。これらの新機能は、多品種のオンデマンド印刷や、Web to Printにおけるジョブ送信、DTG印刷、そして多様な産業・パッケージ印刷におけるワークフローを加速します。PDF時代の幕開けから30年を経て発表された、Adobe PDF Print Engine7は、印刷業界に最先端のイメージング技術を提供し続けるというアドビの継続的なコミットメントを証明しています。
Adobe PDF Print Engine 7の新機能:
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In-RIPでのマルチカラー透明ブレンド処理
業界初となるこの機能は、ECG(拡張ガモット)印刷ジョブにおける透明度ブレンド処理の技術的課題を解決します。この技術は、CMYKに加えオレンジやグリーン、バイオレットなどのインクの組み合わせに対応した印刷機のために、透明効果を適切に処理し、色分版をおこないます。透明効果を含んだジョブにおいても、印刷機の持つ色域を最大限に活用し、すべての画像を鮮やかで目を惹くように再現します。この画期的な機能により、デジタル、オフセット、フレキソ印刷におけるマルチカラーECG印刷の採用を加速します。
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バリアブルデータのIn-RIPマージ
消費財(CPG)メーカーは、偽造品に対処し、流通/物流を追跡するために、連携されたパッケージ処理を必要としています。この新機能により、製品認証の普及を加速させ、シンプルなダイレクトメールの制作を効率化することができます。PDFテンプレートをもとにRIP内でリアルタイムにシリアル番号やバーコードなどの可変コンテンツを生成し、合わせて面付けを実行することで、それらのプリプレス作業を省略することができます。処理時間が大幅に短縮されるとともに、中間ファイルの生成と管理の手間を省きます。 -
Adobe Photoshop/IllustratorファイルのIn-RIPレンダリング
Adobe IllustratorとAdobe Photoshopを使用するデザイナーは、ジョブをPDF形式ではなくネイティブ形式で入稿することがあり、多くの商業印刷会社、特にWeb to Printのチャネルではこのようなジョブを受け付けています。この新機能を使用することで、プリプレス作業において、デザインアプリケーションでジョブを開きPDFに変換する手動の工程を省略することができます。独自の技術で開発されたこの新機能は、あらゆるジョブにおいてアドビの再現品質を保証します。 -
塗り足しのIn-RIP生成
トリミングされるジョブにおいて、トリムラインまでしか絵柄がない場合、レンダリング段階で塗り足しを生成できます。RIP前の手動修正が不要になります。 -
カット線のIn-RIP拡張
大判プリンターで印刷し、カッティングマシンで加工するジョブにおいて、カット線の周囲をカット刃/ローター/レーザーの太さや厚み、角度、圧力、および機材の柔軟性を考慮しながら自動的に調整することが可能で、手動による準備が不要となります。 -
メタリック基材印刷時のIn-RIPホワイトマスク生成
デザイナーは、印刷面全体がメタリックであっても、ジョブ内のメタリック要素を表すために、スポットカラーの見本を定義することがあります。新機能は、Adobe PDF Print Engine 6の白インク機能に基づいて構築されており、メタリックスポットカラープレートから白のインクマスクを自動的に生成します。高価な白インクの使用範囲と使用量を削減することで、無駄やコストを最小限に抑えることができます。この機能により、レンダリング後にこの作業を実行する必要がなくなります。 -
パフォーマンスとスケーラビリティの新しい機能強化
Adobe PDF Print Engineの堅牢でスケーラブルなアーキテクチャを基盤に、バージョン7では利用可能なハードウェア(SSDを含む)を最大限に活用して、キャッシュ、画像の再サンプリング操作、マルチスレッドトラッピングの速度を向上させる新しい機能強化が導入されています。
提供時期
Adobe PDF Print Engine 7は、2025年8月にリリースされる予定です。アドビは、業界をリードするOEMやRIPベンダーが、2026年にバージョン7を搭載した製品をリリースすると予想しています。
Adobe Print Servicesのプレリリースについて
新しいAdobe Print Servicesプラットフォームのプレリリースプレビューのデモが、ベルリンのFESPA グローバルプリントエキスポ 2025で行われました。AIが搭載された最新プラットフォームは、RIP処理前のデータ最適化作業を自動化します。Adobe Print Servicesとプリプレスワークフローを統合することにより、以下の領域でデータの修正、強化、最適化の実行が可能となり、Adobe PDF Print Engineの価値が向上します。
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AIと機械学習
AIと機械学習を活用した機能の組み合わせにより、解像度が不足している画像のアップサンプリング、アウトライン化されたテキストの検出、インテリジェントな自動機能設定による処理オーバーヘッドの最小化を実現します。
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アドビライブラリ
コア機能に簡単にアクセスできるオープンアーキテクチャを採用しています。
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塗り足し生成
アドビ独自のコンテンツに応じた塗りつぶし技術を使用して、複雑なパターンや写真などを拡張し、Adobe PDF Print Engine 7のIn-RIP塗り足し生成機能を補完します。
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バリアブルデータの印刷
ダイレクトメールや顧客対応ジョブのプリプレス処理とレンダリングを加速させます。
Adobe Print Servicesは、今後アドビのOEM及び印刷パートナーに提供される予定です。
アドビの製品担当副社長兼印刷事業担当ゼネラルマネージャーであるナビーン・ゴエル(Naveen Goel)は次のように述べています。
「アドビは、Adobe PDF Print Engine7の強力なイノベーションを、ソリューションパートナーと印刷業界全体に提供できることを嬉しく思います。印刷業者は同じ時間内により多くのジョブを処理する必要があります。商業印刷会社、パッケージコンバーター、テキスタイル/アパレル印刷会社、製品メーカーは、Adobe Print ServicesプラットフォームとAdobe PDF Print Engine 7の新機能を組み合わせることで、時間とコストを削減できるというメリットを得られます。また、プリプレス工程を、Adobe PDF Print Engine 7のIn-RIP機能により削減したり、Adobe Print Servicesで自動化することができます。アドビのイノベーションを通して、印刷業者は競争力を強化し、業界における新しい分野での機会を活用して、ビジネスの視野を広げることができます」
詳細に関するお問い合わせ先:
お問い合わせについては、pdfprintengine@adobe.com までご連絡ください。
参考リンク
Adobe PDF Print Engineホームページ –https://www.adobe.com/jp/products/pdfprintengine.html
顧客のコメント– https://www.adobe.com/jp/products/pdfprintengine/endorsements.html
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