「Idemitsu Art Award 2024」グランプリに笹本明日香氏の『アクセス』を選出
-受賞:7作品・入選:46作品、計53点を決定-
出光興産株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社⾧:木藤俊一、以下「当社」)は、公募制の美術賞「Idemitsu Art Award 2024」のグランプリに笹本明日香氏の『アクセス』を選出、グランプリを含む7点の受賞作品と46点の入選作品を決定しました。受賞・入選作品は、12月11日(水)から国立新美術館で開催する「Idemitsu Art Award展 2024」で展示します。
「Idemitsu Art Award」は、40歳までの若手作家を対象とする公募制の美術賞です。1956年に「シェル美術賞」として創設し、今年で53回目の開催となります。本年は734名の作家から応募があり、昨年の617名から大幅増加となりました(応募作品数は922点、昨年から91点の増加)。
審査会では、大浦周氏(埼玉県立近代美術館主任学芸員)、正路佐知子氏(国立国際美術館主任研究員)、竹崎瑞季氏(丸亀市猪熊弦一郎現代美術館キュレーター)、菅亮平氏(美術作家/広島市立大学芸術学部講師)の4名が、多角的な視点から厳正な審査を行いました。グランプリ受賞者の笹本明日香氏には、賞金300万円が贈られます。
賞名 |
氏名 |
作品名 |
グランプリ |
笹本明日香 |
アクセス |
大浦周審査員賞 |
石田浩美 |
Container |
正路佐知子審査員賞 |
松谷博子 |
silence |
竹崎瑞季審査員賞 |
桑原春香 |
光があたる |
菅亮平審査員賞 |
藤森哲 |
往日後来図~黒いダイヤモンド~ |
学生特別賞 |
飯田千弘 |
対岸を見ていた |
学生特別賞 |
唐昊鵬 |
劇場T |
当社は、心の豊かさを育む「文化・芸術」を、企業市民活動の軸の一つに定めています。これからも「Idemitsu Art Award」を通じて、次代の芸術分野を担う人たちの創造と挑戦、そして成長のエネルギーを支えてまいります。
■「Idemitsu Art Award展 2024」概要
本年の受賞・入選作品を展示する「Idemitsu Art Award 展 2024」を、12月11日(水)から国立新美術館で開催します。
また、同会場において、過去の受賞・入選作家の中から今後より一層の活躍が期待される作家を応援する企画「Idemitsu Art Award アーティスト・セレクション 2024」を開催し、「Idemitsu Art Award 2023」の審査員により選出された作家4名の新作・近作を展示します。
展覧会名 : Idemitsu Art Award展 2024
会 期 : 12月11日(水)~12月23日(月) ※17日(火)休館
時 間 : 10時00分~18時00分(入場締切17時30分)
※最終日12月23日(月)は、10時00分~16時00分
(入場締切15時30分)
会 場 : 国立新美術館1階展示室1B(東京都港区六本木7-22-2)
TEL:03-6812-9921 ※会期中のみ
入 場 料 : 一般400円
※学生、70歳以上の方、障がい者手帳をお持ちの方および付添者1名まで無料。
※会場にて、Idemitsu Art Award公式ウェブページトップのスマートフォン画像またはプリントアウトしたものをご提示いただくと、入場料が100円引きとなります。
展覧内容 : 「Idemitsu Art Award 2024」受賞・入選作品 計53 点
https://www.idemitsu.com/jp/fun/art/2024/winners.html
「Idemitsu Art Award アーティスト・セレクション2024」
https://www.idemitsu.com/jp/fun/art/2024/ias.html
■参考資料
「Idemitsu Art Award 2024」受賞作家7名の作品情報・コメントを紹介します。
■グランプリ 笹本明日香
【作 家 名】笹本明日香(Asuka Sasamoto)
【作 品 名】アクセス
【製 作 年】2024
【サ イ ズ】162 × 130.3 cm
【技 法】キャンバスにコラージュ
<プロフィール>
1984年生まれ 東京都在住
2008年3月 多摩美術⼤学美術学部絵画学科油画専攻 卒業
<受賞の言葉>
このような大きな賞をいただき光栄です。
時には途切れながらも続けずにはいられなかった制作という衝動を、ひとつの形として多くの人に目撃していただけることを幸せに思います。
<受賞作品について>
新しい時間や現象が常に発生していく非常に速い流れの中で、喪失感を常に抱くようになりました。
しかし世界を膨大な規模のデータベースと例えたときに、自分の抱いた感覚や印象はその中に存在していて、意識すればそのたびに感じることができるという気づきに至りました。
そのデータベースにアクセスすることはいつでもどこでも誰にでも可能であり、それを意識することこそが大事であると考え、長年取り組んできたコラージュという手法を用いて作品にしたいと思い制作しました。
<今後の目標>
多くの人に作品を観てもらえるよう、展示の機会を増やしていきたいです。
また平面だけでなく、並行して取り組んできた映像媒体の作品も発表していきたいです。
■大浦周審査員賞 石田浩美
【作 家 名】石田浩美(Hiromi Ishida)
【作 品 名】Container
【製 作 年】2024
【サ イ ズ】162 × 162 cm
【技 法】油彩、キャンバス
<プロフィール>
1988年生まれ 東京都在住
2013年3月 ⽇本⼤学⼤学院芸術学研究科造形芸術専攻前期博⼠課程 修了
2017年3月 東京藝術⼤学⼤学院美術研究科美術教育研究室修⼠課程 修了
<受賞の言葉>
学生の時、まだ名前がシェル美術賞で展覧会場が代官山だった時から知っているコンクールです。
たくさんの人に見てもらえる機会を得ることができてとても嬉しいです。
また他の場所でも作品を見てもらえるようにますます制作に励みます。
この度は審査員賞をいただき、ありがとうございました。
<受賞作品について>
家にある容器の一つをモチーフにしました。
柔らかい素材と、それでいて内容物を確かに入れておける機能性。
おおらかさのある曲線と物としての確かさに惹かれて描きました。
■正路佐知子審査員賞 松谷博子
【作 家 名】松谷博子(Hiroko Matsutani)
【作 品 名】silence
【製 作 年】2023
【サ イ ズ】162 × 162 cm
【技 法】油性木版
<プロフィール>
1985生まれ ⼤阪府在住
2007年3月 京都嵯峨芸術⼤学芸術学部造形学科版画分野 卒業
<受賞の言葉>
この度は審査員賞に選んでいただき、誠にありがとうございます。
学生の頃から数えると木版画とはもう20年以上の付き合いになります。そんなかけがえのないものに出会えたこと、そして家族をはじめ今まで出会った多くの方々に支えていただいていることへの感謝を忘れず、これからも自分の作品と向き合っていきたいと思います。
<受賞作品について>
去年の夏に制作した作品です。普段の作品制作もそうですが、下絵のない状態で彫り進めていきました。触れそうで触れ合わない2つのイメージや、彫り方においても、抑制の効いたものになりました。暑く厳しい夏でしたが、版木と向き合っている間は静かな時間が流れていました。
■竹崎瑞季審査員賞 桑原春香
【作 家 名】桑原春香(Haruka Kuwabara)
【作 品 名】光があたる
【製 作 年】2024
【サ イ ズ】144 × 70 cm
【技 法】色鉛筆、パステル、木炭、綿布
<プロフィール>
1992年生まれ 愛知県在住
2018 年3月 愛知県⽴芸術⼤学美術学部美術科油画専攻 卒業
<受賞の言葉>
このような光栄な賞をいただき、大変嬉しく思います。これまで支えてくださった方々のおかげで制作を続けてこられました。本当にありがとうございました。これからも地道に試行錯誤を続けて参ります。
<受賞作品について>
山の中の風景を描いた作品です。山は、描きたくなる線がどんどん沸いてくるモチーフでした。山へ行きスケッチを重ねながら、観察にとどまらずに自分がどういう線を引くか、どういう空間にしていくかに踏み込んで展開していけた作品だと思います。
■菅亮平審査員賞 藤森哲
【作 家 名】藤森哲(Satoshi Fujimori)
【作 品 名】往日後来図~黒いダイヤモンド~
【製 作 年】2024
【サ イ ズ】97 × 162 cm
【技 法】油彩、綿布、パネル
<プロフィール>
1986年生まれ 神奈川県在住
2011年3月 筑波⼤学⼈間総合科学研究科博⼠前期課程芸術専攻洋画領域 修了
<受賞の言葉>
この度は審査員賞をいただきまして、ありがとうございます。美術、絵画を制作する中で、社会とのつながりは切っても切れないものと考えます。コミュニケーションツールとして美術を機能させるうえで、人に見せる、見られる行為は最も基本的なところでしょう。そんな中で、発表の機会をいただけたこと、一定の評価をいただけたことは、大きな励みであり喜びです。今後も社会をつぶさに観察し、何が美術表現、絵画表現となり得るのか、その方法を模索していきたいと思います。
<受賞作品について>
2022年から手掛けている往日後来図(おうじつこうらいず)シリーズの3作目。かつての最先端技術をともなった構造物から着想し、現実とはならなかった現在や未来の姿を描くシリーズ。本作では軍艦島(正式名:端島)・池島から構想をスタートし、技術進歩の最果てと位置付ける宇宙開発への思いをない交ぜに未来予想図を作り上げた。この予想図は別次元の過去のものである。
■学生特別賞 飯田千弘
【作 家 名】飯田千弘(Chihiro Iida)
【作 品 名】対岸を見ていた
【製 作 年】2024
【サ イ ズ】130.3 × 162 cm
【技 法】岩絵具、胡粉、膠、パステル、和紙
<プロフィール>
2000年生まれ ⼭形県在住
2024年4月 東北芸術⼯科⼤学芸術学部美術科⽇本画コース 在学中
<受賞の言葉>
この度は学生特別賞という栄えある賞に選んで頂き、心より感謝申し上げます。大学受験の為に本格的に絵を描き始めてから今日に至るまで、様々な表現方法を模索しては上手くいかずに挫けたり、自信を失いそうになった瞬間もありましたが、そのような経験が全て無駄な事ではなかったと今回の受賞を通し実感しました。これまで支えて下さった両親や先生、周囲の方への感謝を忘れずに、これからも自分を信じて作品制作に向き合っていきたいです。
<受賞作品について>
この作品には架空の河の風景が描かれています。私は小さい頃から大きな河を見るのが好きで、祖母の家へ向かう際に車内から見える多摩川の景色や、山形県に引っ越してからは近くの馬見ヶ崎川の景色をみて、ただぼーっと過ごすのが習慣でした。そして大学4年生という人生の岐路に立たされる今、漠然と抱いた焦燥感はいつの間にか架空の河の風景を作り上げていました。現実には存在しないけれど、心の中にあるこの風景にいつの日か出会うのかもしれません。
■学生特別賞 唐昊鵬
【作 家 名】唐昊鵬(Tang Haopeng)
【作 品 名】劇場T
【製 作 年】2024
【サ イ ズ】162 × 131 cm
【技 法】油彩、キャンバス
<プロフィール>
1997年生まれ 東京都在住
2024年4月 武蔵野美術⼤学造形学部油絵学科油絵専攻4年 在学中
<受賞の言葉>
この度は学生特別賞をいただき、誠にありがとうございます。これからも真剣に作品に向き合いながら、制作を続けていきたいと思います。
<受賞作品について>
制作はまだ模索中です。何かが足りないと感じています。次の絵を描く際には、新たな挑戦に出会えたらいいなと思っています。最近、現実で目にするものを作品に取り入れたら、新しい視点が生まれるのではないかと感じました。
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