リベリア エボラ流行で出生登録率が低下 【プレスリリース】
社会から疎外される“存在しない”子ども
※本信は、ユニセフ本部の発信情報をもとに日本ユニセフ協会が作成・配信しています。
※原文は http://www.unicef.org/media/media_82699.htmlでご覧いただけます。
【2015年7月31日 モンロビア(リベリア)発】
ユニセフ(国連児童基金)は、エボラ出血熱流行期間中に生まれ、出生登録がされないまま社会から疎外される恐れのある7万人以上の子どもたちの登録を進める、リベリア政府の取り組みを支援しています。
過去には世界で2番目に低かった4%というリベリアの出生登録率は、ユニセフの支援が実り、エボラウイルスが広がり始める前の2013年には25%にまで改善していました。しかし、リベリア保健省のデータによると、2014年と2015年の出生登録率は、エボラ発生前の水準と比べて急激に下がっています。
2013年には7万9,000人の子どもが出生登録されましたが、2014年には、多くの保健施設が閉鎖されたり、エボラ対応のために業務を縮小するなどしたため、出生登録数は4万8,000件と、前年と比べ39%減少しました。そして、2015年の1月から5月までに出生登録された子どもは、わずか700人です。
「出生登録されていない子どもは、公式には“存在しない”のです」とユニセフ・リベリア事務所のシェリドン・イェット代表は話しました。「エボラ出血熱によって既に非常に厳しい経験をしてきたリベリアの子どもたちは、更に社会から疎外される危険に直面しています。なぜなら、市民として登録されていなければ、基本的な保健サービスや社会サービスを受けられず、身分証も得られず、人身売買や違法な養子縁組の被害にあう危険の中で生きなければならないからです」
ユニセフは登録システムの改善に向けた支援に加え、未登録のすべての子どもが一人も取り残されないよう、年内に予定されている全国キャンペーンを前に、人材育成やロジスティクス、普及のための取り組みなどの支援をする予定です。
「子どもたちは、リベリアの未来です。出生登録がないことで、彼らの将来が危険に晒されてはなりません。これまでも、エボラの流行以降、滞っていた出生登録を普及させる取り組みを拡大してきました。現在、ユニセフなどと共に、今後数カ月以内に集中的な全国出生登録キャンペーンを行うための準備を進めています」とリベリアのべミス・ダン保健大臣は話しています。
リベリアと同じように、エボラ危機によって既に脆弱だった保健システムが更に弱体化した隣国のシエラレオネでは、最近行われた5日間の出生登録・ポリオ予防接種キャンペーンによって、25万人の子どもたちが登録されました。
イェット代表は、「誰一人、出生登録されていないために冷遇されたり、国や自治体にも保護されず、すべての子どもの権利である基本サービスを奪われるようなことがあってはなりません。そのような子どもたちを生み出してはならないのです」と話します。
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■ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。(http://www.unicef.org/)
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する36の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています
■日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国36の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 (http://www.unicef.or.jp/)
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