人手不足の救世主!産業用ロボットによる自動全数検査の信頼性を担保する新たなJISを制定
製造ラインを止めない非接触座標測定システムの受入検査の標準化で、目視検査からの脱却と製造現場のDXを後押し
一般財団法人日本規格協会(本部:東京都港区、理事長:朝日弘)は、2026年2月20日に産業用ロボットを用いた非接触座標測定システムに関する日本産業規格(以下、JISという。)を発行いたしました。この規格は、「新市場創造型標準化制度」を活用して作られました。
日本の製造現場では、人手不足を背景に、検査工程を人の手から自動化へ転換する動きが強まっています。今回制定された規格は、産業用ロボットと非接触センサを組み合わせて製品の形状・寸法を測定するシステムの受入検査方法を規定したものです。本規格により、システム導入時にその性能を適切に評価することが可能となります。
新市場創造型標準化制度とは
新市場創造型標準化制度は、先端技術・サービスを保有する企業や、ニッチな分野で魅力的な製品を作る中小企業が、原案作成委員会等の設置について業界団体等の協力が得られない場合においても規格開発が進められるように後押しをする制度です。

JIS B 7446-1:2026
産業用ロボットを用いた非接触座標測定システム-受入検査-第1部:置換測定法
Optical coordinate measuring system using industrial robot-Acceptance tests-Part 1: Substitution measurement
税込価格:4,510円 A4判 32頁
※規格類は価格が変更される場合がございます。ご了承ください。
【制定の背景】
従来の寸法検査は、検査員による治工具(ゲージ)を用いた全数検査や抜き取りによるサンプル測定が主流でした。しかし、これらは検査員のスキルによる精度のバラつきやヒューマンエラーのリスク、さらには深刻な人手不足といった課題を抱えています。
こうした背景から、産業用ロボットに非接触センサを取り付け、製造ライン上で動かしながら全数検査を行う手法が普及しつつあります。しかし、この測定システムが仕様通りに機能しているかを証明する共通のルールはこれまで存在しませんでした。そこで、新市場創造型標準化制度を活用し、システム導入時の性能評価を適切に行い、誰もが安心して検査の自動化を推進できる環境を整えるための新たな規格が策定されました。

【主な制定のポイント】
1.置換測定法による高精度な評価
あらかじめ精微に測定された基準器と、実際の製品をロボットで測り比べることで、ロボット自体の微小な動きのクセを補正し、正確な寸法を導き出します。このような置換測定法について、非接触座標測定システムへの具体的な適用事例は附属書で説明しています。
2.受入検査プロセスの明確化
システム導入時に性能を確認するために行う受入検査について、置換測定法を適用して行う際のプロセスを、検査対象の配置や測定回数などの例も踏まえて明確に記載しました。また、シナリオに基づいた具体的な事例を附属書で説明しています。
【期待される効果】
本規格の制定により、製造ライン上での検査員の手を介さない全数検査が促進されます。これにより、検査数や寸法値などのデータが自動で記録・蓄積されるようになり、生産性や品質傾向の迅速かつ正確な分析が可能になります。
また、ロボットによる自動化は、現場の深刻な人手不足を解消すると同時に、ヒューマンエラーによる品質事故を未然に防ぎます。
さらに、日本独自の高度な自動化技術がJIS化されることで、国内企業の技術が市場で正当に評価されるとともに、日本の製造業全体の国際的な競争力強化に貢献することが期待されます。


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