「物価高倒産」急増 過去最多更新 8月は月間最多の34件、前年同月の2.6倍
「物価高倒産」動向調査(8月)
帝国データバンクは、法的整理(倒産)となった企業のうち、原油や燃料、原材料などの「仕入れ価格上昇」、取引先からの値下げ圧力などで価格転嫁できなかった「値上げ難」などにより、収益が維持できずに倒産した企業を「物価高倒産」と定義し、集計分析を行った。
<調査結果(要旨)>
「物価高倒産」、2022年は累計150件 年間最多更新
8月単月では34件判明し、月間最多だった7月(31件)をさらに上回り、2カ月連続で最多を更新。前年同月(13件)の約2.6倍に急増した。これらの数字は、個別の取材の中で倒産理由が判明したケースのみ集計しており、あくまで氷山の一角に過ぎない。実際にはさらに多方面に、物価高の影響が広がっている可能性が高い。
業種詳細別にみると、「運輸業」(42件)がトップとなり、次いで「総合工事」(19件)。以下、「飲食料品製造」(13件)、「飲食料品卸売」「職別工事」(各10件)、「飲食料品小売」(8件)が続いた。製造、卸売、小売を合わせた「食品」関連が31件に達し(うち8月は5件)、上位を運輸、建設、食品関連の3業種が占めた。
8月の全国企業倒産件数は4カ月連続で増加となり、長らく続いた減少基調からの“底打ち感”が鮮明となってきた。中小・零細企業の多くは、すでにコロナ禍で経営体力を消耗している。足下の燃料、原材料、電気代、物流コストの高止まりによる収益悪化が、新たな倒産の引き金になりかねない。
円安が急速に進行するなか、「物価高」が最後の追い打ちとなる倒産、年末にかけてさらに増える見込み
政府は9月9日、物価高への対応を検討する「物価・賃金・生活総合対策本部」を開催する。パンや麺類を中心とした食料品全般の価格上昇への対応、ガソリン等の燃料油価格の負担軽減、住民税非課税世帯への給付金などについて追加策が取りまとめられる。この間も、原油や燃料、原材料等の「物価高」の影響を受けた倒産が相次いでいる。経営体力が限界に達した中小・零細企業を中心に、物価高が“最後の追い打ち”となり、事業継続断念に追い込まれる「物価高倒産」が、年末にかけてさらに増えていきそうだ。
- 「物価高倒産」、2022年は累計150件 年間最多更新
- 円安が急速に進行するなか、「物価高」が最後の追い打ちとなる倒産、年末にかけてさらに増える見込み
「物価高倒産」、2022年は累計150件 年間最多更新
物価高倒産 月別発生件数推移
8月単月では34件判明し、月間最多だった7月(31件)をさらに上回り、2カ月連続で最多を更新。前年同月(13件)の約2.6倍に急増した。これらの数字は、個別の取材の中で倒産理由が判明したケースのみ集計しており、あくまで氷山の一角に過ぎない。実際にはさらに多方面に、物価高の影響が広がっている可能性が高い。
物価高倒産 業種別 (2022年)
業種詳細別にみると、「運輸業」(42件)がトップとなり、次いで「総合工事」(19件)。以下、「飲食料品製造」(13件)、「飲食料品卸売」「職別工事」(各10件)、「飲食料品小売」(8件)が続いた。製造、卸売、小売を合わせた「食品」関連が31件に達し(うち8月は5件)、上位を運輸、建設、食品関連の3業種が占めた。
8月の全国企業倒産件数は4カ月連続で増加となり、長らく続いた減少基調からの“底打ち感”が鮮明となってきた。中小・零細企業の多くは、すでにコロナ禍で経営体力を消耗している。足下の燃料、原材料、電気代、物流コストの高止まりによる収益悪化が、新たな倒産の引き金になりかねない。
物価高倒産 業種詳細別上位(2022年)
円安が急速に進行するなか、「物価高」が最後の追い打ちとなる倒産、年末にかけてさらに増える見込み
政府は9月9日、物価高への対応を検討する「物価・賃金・生活総合対策本部」を開催する。パンや麺類を中心とした食料品全般の価格上昇への対応、ガソリン等の燃料油価格の負担軽減、住民税非課税世帯への給付金などについて追加策が取りまとめられる。この間も、原油や燃料、原材料等の「物価高」の影響を受けた倒産が相次いでいる。経営体力が限界に達した中小・零細企業を中心に、物価高が“最後の追い打ち”となり、事業継続断念に追い込まれる「物価高倒産」が、年末にかけてさらに増えていきそうだ。
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