妊産婦・新生児の破傷風(MNT)の脅威 インドが撲滅を宣言 【プレスリリース】

いまだ22カ国が撲滅未達成

破傷風の予防接種を受ける赤ちゃん。© UNICEF _INDA2012-00556_Singh破傷風の予防接種を受ける赤ちゃん。© UNICEF _INDA2012-00556_Singh

 

※本信はユニセフ本部が発信した情報をもとに、日本ユニセフ協会が翻訳したものです。
※ 原文は、http://www.unicef.org/media/media_83018.htmlでご覧いただけます。

【2015年8月27日 ニューデリー(インド)発】
インドのナレンドラ・モディ首相は27日、「Call to Action 2015 サミット」の場で、インドが妊産婦と新生児の破傷風(MNT)の脅威を撲滅したことを発表しました。この素晴らしい成果は、インドの多くの母親と赤ちゃんの命を救うことになるでしょう。

世界で最も多くの人口を抱える国の一つであるインドには、出産可能年齢の女性が3億2,700万人おり、毎年2,600万人の子どもが生まれています。1988年には、破傷風はインドで16万人以上の幼い命を奪っていました。それ以降、破傷風は目覚ましい勢いで減少しました。妊産婦と新生児の破傷風の公衆衛生上の問題としての撲滅とは、年間の感染率が出生1,000人に対して1人以下であることを意味します。

「インド政府は、この国の繁栄と未来に暗い影を落としていた二つの大きな脅威、ポリオと妊産婦と新生児の破傷風を克服するために、強いリーダーシップを発揮しました」とユニセフ・インド事務所代表のルイス・アーセナルは話しました。「妊産婦と新生児の破傷風の撲滅におけるインドの成功は、強い決意をもって保健分野へ投資することによって、最も若い市民である子どもたちと母親たちが健康に生きる権利を享受でき、その結果、皆がより健康になれることを示してくれました」

他国の例と対照的に、インドは大規模な破傷風予防接種キャンペーンは行いませんでした。インド政府はその代りに、ユニセフやWHOの技術支援を受けて、2003年にアンドラ・プラデッシュ州で始めた州ごとのシステムアプローチを含む、複数の戦略を組み合わせた施策を取り入れました。成功した取り組みには、保健施設で出産した家庭への給付制度や、スキルの高い助産師の養成、国家農村保健ミッション(NRHM)をはじめとする組織的な保健提供システムの強化などがありました。さらに、妊婦健診に来た妊婦に破傷風トキソイドワクチンを接種する仕組みや、へその緒の危険な扱いを減らすための集中的な啓発活動も行われました。
 

破傷風の予防接種を受ける赤ちゃん。© UNICEF_INDA 2012-00548_Singh破傷風の予防接種を受ける赤ちゃん。© UNICEF_INDA 2012-00548_Singh

 

こうした素晴らしい取り組みが積み重なり、病気の撲滅へ向けて重要な役割を果たし、多くが予防可能な原因で命を落としてしまう5歳未満の幼い子どもの命を守る努力に大きく貢献しています。

「保健システムの強化や予防接種へのアクセスの改善といった近年の取り組みも、間違いなくインドがこの成功を維持していくことに貢献するでしょう」とアーセナル代表は説明しました。

妊産婦と新生児の破傷風は、貧しく、厳しい状況下の人々、とくに保健サービスへのアクセスや利用できる衛生施設が限られている地域で暮らす女性や赤ちゃんを襲う病気です。不衛生な環境でへその緒を切ったときに感染することが多く、顎のあたりの激しいけいれんから始まる特徴があります。開発途上国の離れた農村部では、治療施設が限られていたり全くない場合もあり、破傷風に感染した新生児のほとんどは亡くなってしまいます。

インドの発表を受けて、破傷風撲滅対策の優先国のうち、その脅威を撲滅した国として容認された国は37カ国に増えた一方で、未だ次の22カ国が撲滅を達成できていません:アフガニスタン、アンゴラ、カンボジア、中央アフリカ、チャド、コンゴ民主共和国、赤道ギニア、エチオピア、ハイチ、インドネシア、イラク、ケニア、マリ、ニジェール、ナイジェリア、パキスタン、パプアニューギニア、フィリピン、ソマリア、スーダン、南スーダン、イエメン。

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妊産婦と新生児の破傷風撲滅イニシアチブについて
妊産婦と新生児の破傷風撲滅イニシアチブは、各国政府、ユニセフ、WHO、UNFPA、GAVI、 米国国際開発庁/Immunization Basics、 米国疾病対策予防センター、キワニス・インターナショナルなど、多数の組織・機関による国際的な官民パートナーシップです。

■ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。(http://www.unicef.org/
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する36の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています

■日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国36の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 (http://www.unicef.or.jp/
 

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会社概要

URL
http://www.unicef.or.jp
業種
官公庁・地方自治体
本社所在地
東京都港区高輪4-6-12 ユニセフハウス
電話番号
03-5789-2016
代表者名
赤松良子
上場
未上場
資本金
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設立
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