不登校の生徒が提案した修学旅行　“自分のルーツ”をたどる北海道の旅を実施

不登校オルタナティブスクール「NIJINアカデミー」は、2025年6月9日（月）〜11日（水）に、全国から集まった生徒・保護者80名とともに、北海道・白老町および札幌市をめぐる修学旅行を実施しました。

株式会社NIJIN

2025年6月20日 10時00分

株式会社NIJIN（本社：東京都江東区、代表取締役：星野達郎）が運営する不登校オルタナティブスクール『NIJINアカデミー』は、2025年6月9日（月）〜11日（水）に、全国の生徒・保護者約80名とともに、北海道・白老町および札幌市をめぐる修学旅行を実施しました。

行き先は、生徒たちがオンライン上でプレゼンを行い、投票によって決定。「自分のルーツを知りたい」という生徒の言葉が共感を呼び、アイヌ文化を体感できる地が選ばれました。

現地では国立アイヌ民族博物館「ウポポイ」の見学や、班別の自主研修、伝統文化・料理・音楽へのふれあいを通じて、「自ら問い、学び、伝える」プロセスを体験。不登校や多様な背景を持つ子どもたちが、自分のペースで探究を深める貴重な3日間となりました。

■ メタバース校舎で行き先を決定　生徒の“想い”が旅の原点に

今回の修学旅行は、生徒自身がプレゼンを通じて行き先を提案し、投票によって決定されました。メタバース空間で行われたオンライン発表の中でも、「私のおじいちゃんはアイヌです。自分のルーツを知る旅にしたい」という生徒の想いに多くの共感が集まり、北海道・白老町と札幌市への訪問が選ばれました。

■ 国立アイヌ民族博物館「ウポポイ」で“多様な日本”を体感

2日目には、白老町にある国立アイヌ民族博物館「ウポポイ（民族共生象徴空間）」を訪問。ガイドによる解説、展示の見学、伝統工芸や食体験などを通じて、アイヌの歴史・文化・言語に直接ふれる機会となりました。

生徒からは「アイヌ語の音に親しみを感じた」「事前に調べたことが現地で実感できた」といった声もあり、日本に息づく多様な文化への理解が深まりました。

■ 班ごとに自主研修　“自分で学びをつくる”実践へ

旅の随所では、生徒たちが班に分かれて自主研修を実施。白老町や札幌市内を自ら計画し、移動・取材・体験しながら探究を深めました。
地域の歴史や文化、食、観光など多様なテーマに触れ、「学びを自分でつくる力」や「他者との協働」が育まれました。

■ 全国・海外から参加　オンラインの仲間とリアルで出会う特別な時間

この修学旅行には、北海道・東京・愛知・福岡など全国各地の生徒に加え、ベトナム在住の生徒も参加。普段はZoomで学び合う仲間たちがリアルの場で初めて顔を合わせ、語り合い、笑い合う時間は、深い信頼と感動を生みました。

■ 学年・参加スタイルは自由　初チャレンジも仲間と乗り越える

この修学旅行は、小学生から高校生まで学年を問わず誰でも参加可能で、一人での参加も、保護者同伴も可能なスタイルです。
保護者が「信頼できる大人」として子どもたちを見守るかたちで旅に同行し、安心感のある環境づくりにもつながりました。

「初めての飛行機」「初めての宿泊」など、大きなチャレンジに挑んだ生徒も多く、旅を終えた子どもたちは、仲間とともに過ごす中でひと回り大きく成長した姿を見せてくれました。

■旅は始まる前から　“問い”を育てる事前学習

出発前には「アイヌWEEK」と題した連続授業を実施。

修学旅行の訪問先である白老町・札幌市での学びを深めるため、アイヌ文化にふれる多様な探究活動を行いました。

以下のような活動を通じて、旅への“問い”と“関心”を深めました。

「アイヌ文様の意味を調べる」

「アイヌ音楽と伝統楽器にふれる」

「関連書籍の読書活動」

「アイヌ料理の調査・試食」

こうした準備により、生徒たちは現地での体験をより深く、意味のあるものとして受けとめることができました。

■ 子ども・保護者の声　「勇気を出してよかった」「キラキラの3日間」

参加した生徒・Ryuseiさんの言葉：

「ぼくはひとりがすきなんだけど、勇気を出して北海道に行ってよかった。本当にありがとう。」

保護者からもこんな声が寄せられました：

「この3日間の写真では、これまで見たことのないほど息子の目がキラキラしていて、どれだけ充実していたのかが伝わってきました。彼が『しんどくなったときも、仲間の言葉で切り替えられた』と言っていて、本当にありがたい時間だったのだと実感しました。」

■ 感じたことを“次の問い”へ　旅を学びの循環に

NIJINアカデミーでは、修学旅行を「一度きりの体験」ではなく、「感じたことを言語化し、次の問いへとつなげる」学びのプロセスと位置づけています。

旅の後には、それぞれの気づきや学びをもとに、スライド・動画など生徒の得意な方法で発信活動を実施。ルーツを探る探究や、文化の違いを深める調査、自分なりの「問い」を磨く取り組みを継続して行っていきます。今後も、生徒一人ひとりの「興味」や「想い」から始まる学びを大切にし、広がりと深まりを支えていきます。

2023年9月に開校した不登校小中学生向けのオルタナティブスクールで、全国38以上の都道府県から約490名超が入学している。「多層的な心理的安全性」「一流教師による対話的な授業」「子ども主体のプロジェクト」をカリキュラムの柱に、学校に行けないことが劣等感・罪悪感にならず、全ての子どもが希望を持てる未来を創る。学校に代わる学びの選択肢として、希望する生徒の9割※以上が在籍校の出席認定を獲得。※2025年6月現在

▶学校HP：https://www.nijin.co.jp/academy

株式会社NIJIN

「教育から国を照らす」を理念に、教育課題を仕組みから解決する「JAPAN EDUCATION COMPANY」。今の学校には自分を出せない子どもが多過ぎることに国の危機を感じ、誰もが教育に"希望"を持てる国にするために元小学校教師の星野達郎が2022年4月に創業。不登校・教員不足・教師の働き方・学校の在り方など、様々な教育問題を解決する11の仕組み（事業）を展開