インボイス制度開始まであとわずか。準備を終えた飲食店は9月初旬時点で約25%
本調査について
■調査概要
調査対象:飲食店ドットコム会員(飲食店経営者・運営者)
回答数:386
調査期間:2023年8月28日~2023年9月5日
調査方法:インターネット調査
■回答者について
本調査にご協力いただいた回答者のうち69.7%が1店舗のみを運営しております。また、回答者のうち東京にある飲食店の割合は52.1%(首都圏の飲食店の割合は68.7%)となっており、こうした背景が結果に影響していると推測されます。
調査結果について
飲食店におけるインボイス制度。64.4%が対応予定も、準備済みは25.1%
2023年10月1日の「インボイス制度」開始まであと少し。飲食店がインボイス制度に対応するためには、適格請求書発行事業者の登録申請をするなど、さまざまな準備が必要です。そこで今回は、飲食店におけるインボイス制度の準備状況などを調査するため、アンケートを実施しました。
まず、インボイス制度への認知度を尋ねたところ、最も多かったのは「概要を知っている」との回答で61.7%。「具体的な内容まで知っている(22.3%)」との回答と合わせると、飲食店におけるインボイス制度の認知率は84%であることがわかります。
さらに、アンケート回答時点(2023年8月28日~9月5日)における、インボイス制度への準備状況を答えてもらったところ、64.4%の店舗が「対応予定である」(すでに準備を終えている=25.1%、5割以上は準備を終えている=21.2%、準備を始めたところ=7.5%、対応する予定だが、準備はまだ始めていない=10.6%)ことが明らかとなりました。
一方で、「すでに準備を終えている」との回答は25.1%にとどまっており、インボイス制度の開始が間近に迫るなか、準備が完了していない店舗も多いようです。また、「2023年10月1日~2029年9月30日までの経過措置中に対応を検討する(12.2%)」、「対応する予定はない(17.4%)」との回答も一定数見られ、飲食店のなかでも対応状況は分かれていることがわかります。
続いて、インボイス制度に対応予定の店舗に、インボイス制度への対応を機に、新たに課税事業者となる、もしくはその予定があるか尋ねました。すると、74.3%が「もともと課税事業者だった」と回答。「新たに課税事業者となった(もしくはなる予定)」との回答は21.3%で、インボイス制度対応予定の店舗のほとんどが、もともと課税事業者だったことが判明しました。
インボイス制度非対応の理由は「益税のメリット」と「客層のニーズ」
インボイス制度対応予定の店舗に、インボイス制度への対応に伴い活用した、または申請予定の補助金があるか質問したところ、最多は「活用しておらず、今後も申請予定がない」との回答で76.7%でした。補助金を活用している店舗は「IT導入補助金」が10.0%、「小規模事業者持続化補助金」が11.6%と、2割ほどにとどまりました。
次に、インボイス制度の準備を始めている店舗(=すでに準備を終えている、5割以上は準備を終えている、準備を始めたところ)に、インボイス発行事業者の登録申請以外に行った準備を尋ねました。すると、最も多かったのは「税理士など専門家への相談」との回答で59.6%。次いで、「取引先との取引状況の確認(36.1%)」、「レジや経理システムをインボイス制度対応のモデルに変更(26.4%)」との回答が続きます。
また、インボイス制度に「対応する予定はない」と回答した方に、その理由を教えてもらったところ、64.2%が「免税事業者のままでいたい(から)」との回答を選択。また、「インボイスを必要としないお客様(消費者や免税事業者)が多い」との回答も59.7%と目立っており、益税(消費税部分が利益になること)のメリットが高く、自店の客層のニーズが低いことが主な理由となるようです。
続いて、食品卸会社など主な仕入取引先がインボイス制度への対応意向を示しているか質問をしました。すると、64.2%が「対応する意向」と回答。一方で、「わからない」とする店舗も31.1%見られ、取引先の対応状況を確認できていない店舗も一定数いることが明らかとなりました。
インボイス制度スタートで、「事務負担増」「客数減少」の懸念
最後に、インボイス制度が開始するにあたり、懸念していることを尋ねたところ、インボイス制度への対応有無を問わず、多くの意見が寄せられました。以下では、「インボイス制度に対応予定の店舗」と「インボイス制度への対応を検討中、または対応しない店舗」における、各立場からの懸念点を紹介します。
▼「インボイス制度に対応予定の店舗」における懸念点
事務作業の負担増
・事務作業の負担が増えることによる、仕込みやホール業務への介入の減少(沖縄県/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)
・事務手続きや確認作業、システム入力作業の増加など、人不足のなか、手間がかかる点(大阪府/居酒屋・ダイニングバー/6~10店舗)
・帳簿や取引先の選別など細かい事務処理が増え、人件費の増加や、事業主としての事務作業が増えて労働環境が悪化する懸念(大阪府/そば・うどん/1店舗)
納税の負担増
・今まで免税業者だったため、消費税の納税負担が想像できない。見越して値上げをしたつもりだが、それで充分かもわからない(東京都/バー/1店舗)
・税金が増えて支払いがどうなるのかの未来が不安。どうやって対応していいかわからない(東京都/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)
制度開始までに準備が整うか
・準備が間に合うか不安(神奈川県/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)
・制度開始までに対応が間に合うか(東京都/その他/2店舗)
仕入れ先の対応状況
・個人商店で購入した野菜など(にかかる消費税分)が経費で落とせなくなってしまうのはいただけない。猶予が欲しい(埼玉県/洋食/1店舗)
・すべての仕入れ先がどのような対応をしているのか問い合わせる予定。個人経営の小売店が登録するのか不安(東京都/居酒屋・ダイニングバー/2店舗)
その他
・レジの入替など初期投資がかかる(東京都/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)
・家主がかなり高齢のため、インボイスに対応して欲しいといくら丁寧に説明をしても全く理解してもらえない(大阪府/居酒屋・ダイニングバー/2店舗)
・インボイス開始後のトラブルやミス(大阪府/イタリア料理/1店舗)
▼「インボイス制度への対応を検討中、または対応しない店舗」における懸念点
会社の飲み会や接待利用の減少
・インボイス発行事業者にならないため、会社の飲み会や接待などの利用が減らないか心配(東京都/フランス料理/1店舗)
・領収書利用客の店離れ(東京都/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)
その他
・色々と反対の声が大きく、土壇場で制度が変更されるのではと危惧している。いつ変更されるかわからないため、制度の理解も現状ではあまり進んでいない(東京都/ラーメン/1店舗)
・インボイスを導入しない場合には、なにか対応が必要であるのか(東京都/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)
・いまいちよくわからないから、税理士さんに相談しようと思っている(東京都/バー/1店舗)
■調査結果の引用時のお願い
本調査結果の引用時には、以下のご対応をお願い申し上げます。
・クレジットに、「飲食店ドットコム(株式会社シンクロ・フード)調べ」と明記ください。
・WEB上で引用いただく際には、「飲食店リサーチ」(https://www.inshokuten.com/research/company/)へのリンク付与をお願いいたします。
■株式会社シンクロ・フードについて
当社は、”多様な飲食体験から生まれるしあわせを、日本中に、そして世界へと広げる”というビジョンのもと、飲食店経営・運営を支援するプラットフォーム「飲食店ドットコム」を運営しています。テクノロジーを最大限に活用し、飲食店の出店開業・運営に必要な「ヒト・モノ・情報・サービス」など多様な選択肢をシンプル・スピーディに提供していくことで、飲食業界の発展・関わる人のしあわせに貢献してまいります。
【本社】 東京都渋谷区恵比寿南一丁目7番8号 恵比寿サウスワン3階
【代表者】 代表取締役 藤代 真一
【上場市場】 東京証券取引所プライム市場
【URL】 http://www.synchro-food.co.jp/
【運営サイト】
▼飲食店開業・運営支援のサービス
・飲食店の出店・運営支援サイト「飲食店ドットコム(https://www.inshokuten.com/home/)
・飲食業界専門の求人サイト「求人飲食店ドットコム」(https://job.inshokuten.com/)
▼飲食業界を超えて広がるサービス
・店舗デザインのポータルサイト「店舗デザイン.COM」(https://www.tenpodesign.com/)
・キッチンカーシェア・マッチングサイト「モビマル」(https://mobimaru.com/)
・インテリア業界や建築業界特化型の求人情報サイト「求人@インテリアデザイン」(https://job.tenpodesign.com/)
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本件に関するお問い合わせは、下記にお願いいたします。
株式会社シンクロ・フード 広報:今西 大木
住所:東京都渋谷区恵比寿南一丁目7番8号 恵比寿サウスワン3階
TEL:03-5768-9522 Mail:public-relations@synchro-food.co.jp
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