KDP NEWS(Vol.7 / May 2016)
『珍夜特急』の著者 クロサワ コウタロウさんのストーリー
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■『珍夜特急』の著者 クロサワ コウタロウさんのストーリー
珍夜特急 1st Season・ 2nd Season
オートバイでの旅に憧れ、インドのカルカッタからポルトガルのロカ岬まで、1年をかけてユーラシア大陸を単独で横断した全6巻のファーストシーズン。アラスカからアルゼンチンまで、10か月かけて南北アメリカ大陸縦断を果たした全9巻のセカンドシーズン。共に読者から熱い支持を受けている。名前のとおり旅はハプニングの連続で、人々との出会いや旅先の光景がテンポよく描かれ、最後まで飽きさせない。
『珍夜特急1』
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今はKDPの売上だけで
生活しています
「今はKDPの売上だけで生活しています。といっても、1人で食べていくのに困らないという程度ですけど」
クロサワ コウタロウさんがオートバイでのユーラシア大陸横断と北米・南米大陸縦断の旅をまとめた『珍夜特急』を、Kindleダイレクト・パブリッシング(KDP)で出版を始めたのは、2013年のこと。最初の旅に出てから、実に14年もの歳月が流れていた。
「2つの旅を終えて日本に戻り、地方のホテルで働いていた時に、夜は何もすることがなかったので、忘れないうちにまとめておこうと、ノートに書き始めたんです。でも量が膨大だったので、とても書ききれなくて。途中でやめて、結局そのままになってしまった期間が長かったですね」
出版したいという気持ちもなくはなかったが、無名の新人の旅行本を紙の本で出すのは無理だとあきらめていた。目的が無いままに書き続けることは難しく、一時はブログで発表することで、モチベーションを高めたものの、仕事が忙しくなるとそれも続かなくなった。
KDPがあったから
『珍夜特急』を
書き上げることができた
「仕事を辞め、しばらく無職でいた時期に先のことを考えて、これからは労働に対する対価としての収入だけではなく、将来にわたって自分の財産になる不労所得が必要だと思ったんです」
思いつくのはコンテンツビジネスか、不動産。しかし不動産が買えるほどの資金はなかった。
「短期間でしたが出版社の営業をしていた経験も生かせると、自分でコンテンツをつくることにしました。ちょうどその頃、知り合いからAmazonでも電子出版が始まると聞き、ぜひやろうと思って早速始めたんです」
これまでノートに書きとめたものや、ブログで発表していた原稿を推敲し、ユーラシア大陸横断の旅を全6巻に分けて2013年にKDPで出版。題名は自分の旅の話を飲み仲間とする際に、沢木耕太郎さんの『深夜特急』に及ばないと「珍夜特急の話」と仲間から呼ばれていたことから、その呼び名をそのまま付けた。
売上はそれほど期待していなかったが、1週間に1冊のペースで出版していくと、3巻を出した頃から部数が伸び始める。同時にカスタマーレビューで、シリーズを読み続けてくれる読者がいることを知ると、それを励みに翌年に北米・南米縦断の旅も全9巻のセカンドシーズンとして出版した。
自由に活動できる
今がとても楽しいですね
「宣伝もSNSの活動もほとんどしなかったので、何で売れたのかなという感じで、売れて驚きました」というクロサワさん。KDPで出版して一番良かったのは「最後まで書ききれたこと」と笑う。
「本を出して、それで食べていける人間なんてほんの一握りしかいないと思っていたので、プロの作家になれるとは思っていませんでした。だからといって趣味の範囲では完成までたどり着けない。KDPで出版という目標がなければ、まだノート半分くらいだったと思います」
現在、クロサワさんは、毎月1冊のペースで新作を出版することを自らに課し、執筆に専念している。
「仕事をしていた時もそうなんですけど、楽をしたくないんです。そのかわり友達と会うのは1か月に1回ぐらいにセーブしています。それでも苦ではありません。自由に活動できる今がとても楽しいですね」
今後は、現在書き進めているSFの“惑星ハシエラシリーズ”をはじめ、小説を中心に執筆する予定だ。
「旅の経験をフィクションにいかせればと思っています。Amazonは幅広い世代のお客様がたくさんいると思うので、さまざまな作品を書くことで、多くの方に読んでいただける機会を作りたいですね」
■プロフィール
東京都昭島市出身。1976年生まれ。1999年にオートバイでの単独ユーラシア大陸横断、2002年に南北アメリカ大陸縦断を果たす。帰国後、ホテル勤務、訪問販売員、出版社勤務などを経て、2013年に旅の記録をまとめた『珍夜特急』をKDPで出版。それを期に本格的に執筆活動を開始し、SFなどフィクション作品に挑戦している。
■ ピックアップ カスタマーレビュー 『珍夜特急』1st Season第1巻より
投稿者:サラリーマン銀太郎さん ★ ★ ★ ★ ★
<冷やかしとしてサンプルを読み始めた時にはこの本をこれほどまでに夢中になって読むことになるとは想像していませんでした。文章表現も軽快でいながら明確に、淡々としていながら飽きさせない見事なセンス。>
投稿者: BD小僧さん ★ ★ ★ ★ ★
<バイクも海外旅行も未経験の私にとって、 最初はどんな作品かと疑いを持って読んでいたのですが、次第に作者の熱意が伝わってきて、吸い込まれるように読んでしまいました。とても貴重な体験をされた作者が羨ましくもあり、同時に夢のない私に元気をくれた作品です。>
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